「記憶」

藤野 賢一郎
流木、水性塗料、ゴムの木（アフリカン・プリンス）
H230×W140×D140　2025年

白く、やわらかな光の中に、
ひっそりと立つ流木たち。

まるで、大地の深くに眠っていた「記憶」が、
いま静かに目を覚ましたかのようです。

そばには、小さな命。
芽吹いたばかりの若い葉が、微かに揺れています。

ここには、
──忘れ去られた思い出、
声にならなかった願い、
心の奥で、まだ終わらない戦いの記憶、
そして、誰かが祈った平和の記憶が、

そのままのかたちで、
そっと受けとめられています。

やがて、それらは静かに溶け合い、
風の中に、こんなささやきを残します。

──「そのままで、いいんだよ」


---

解説：「記憶」について

この作品は、「忘れられた感情や記憶に、そっと寄り添う場所」をテーマに制作しました。

私たちは、日々の暮らしの中で
言葉にできない思いや、胸の奥にしまった記憶を抱えて生きています。
それは、過去の傷や喪失だったり、
誰にも見せられなかった感情かもしれません。

「記憶」は、そうしたものたちに光をあて、
「無理に整理しなくてもいい」
「意味づけしなくてもいい」
──という、静かなメッセージを込めた作品です。

白く塗られた流木には、かつての戦いや葛藤の記憶が宿り、
そのそばで生きる若いゴムの木は、希望や再生の象徴として根を張ります。

自然素材の持つ静けさと、やわらかな光が、
見る人それぞれの「記憶」と静かに語り合ってくれることを願っています。

この空間が、
あなたの心にある何かと、そっと向き合うきっかけになりますように。


展示台の内部は、水やりのたびに側面を外に出せる開閉構造とするため、強度確保のための支柱を4本追加。さらに、転倒防止のための重りを設置し、植物の蒸れを防ぐためにサーキュレーターを内蔵。排気口は展示台の3か所に設ける。

風が、優しく語りかける。
──「そのままで、いいんだよ」と。

構図に秘めた思い。
遊び心に気づいたあなたは、"good"。
"good"、合格ですよ👌
って‥…。
「やかましいわっ！」て？
ですよね😁ハハハ