縮み笹(チヂミザサ)

イネ科チヂミザサ属の多年草。山野の林の中や縁、道端などの日陰に生える。葉は笹に似た形で縮んで波打つ。花期は8～10月。花序は長さ5～15㎝で、6～10個の短い枝を総状にだして小穂をつける。小穂は長さ約3㎜の狭卵形で先は尖り、短い軟毛がある。第一苞頴、第二苞頴とも小穂より短く、先端に長い芒がある。両性の小花の外花頴は薄い革質でやや光沢がある。秋の終わり頃になると果実が熟し、小穂の先から粘液が出て種子が動物などにくっついて運ばれる。衣服につくとべたつき、種子を取り除く手もべたつく。

チヂミザサの笹に似た葉の波打ったしわが、小千谷縮や明石縮などの縮(ちぢみ)という織物のしわに似ているためついた名前。

チヂミザサは毛による変化が多く、葉や葉鞘、花序の軸に毛が多いものを毛縮み笹(ケチヂミザサ)、全体に毛が少なく、花序の軸が無毛のものを小縮み笹(コチヂミザサ)と呼ぶことがある。

出典『野に咲く花』『野草の名前』