屁糞蔓(ヘクソカズラ)

アカネ科ヘクソカズラ属の多年草。日当たりのよい藪や林縁、人家の周りなど広く生育する。茎はほかの木や草などにからまって長く伸びる。基部は木質化し薪などを束ねるのに使われる。葉は楕円形または細長い卵形で先は尖る。葉をもむと独特のにおいがある。花期は８～９月。葉腋から短い集散花序を出し、灰白色の花をまばらにつける。花冠は鐘形で先は浅く５裂して平開する。のどと内側は紅紫色。果実は核果で直径約５㎜の球形。秋に熟すと黄褐色になる。中には２個の核があり、それぞれに種子が１個ずつ入る。

茎や葉を踏みつけたりすると悪臭があるために付いた名前。花の中心が紅紫色なのを燃えている灸(別名ヤイト)のように見える、または花の中心が赤く灸の跡に見えることから『ヤイトバナ』とも呼ばれる。花を逆さにすると早乙女がかぶった帽子に似るので『サオトメカズラ／サオトメバナ』の別名もある。

出典『野に咲く花』『野草の名前』