秋の野罌粟(アキノノゲシ)

キク科アキノノゲシ属の１～２年草。日当たりの良い荒れ地や草地などに生える。葉は互生し、茎の下部の葉は逆向きの羽状に裂ける。茎の上部の葉はほとんどが全縁で小さい。野菜のレタスと同じ仲間で、茎を切ると白い乳液が出る。花期は８～１１月。茎の上部に直径約２㎝の頭花を円錐状に多数つける。頭花はふつう淡黄色、まれに白色、淡紫色で、昼間開き夕方や雨天にはしぼむ。痩果は黒色。倒卵形で平たく縁は翼状になり、両面中央に１個の縦の稜がある。痩果の先はくちばし状に伸び、その先に白い冠毛がつく。

名前は、江戸時代に渡来したメキシコ原産のアザミゲシに葉が似ているためにケシがつき、秋咲きなのでアキがついた。また、春に咲くノゲシに似て秋に咲くことからついたとする説もある。

出典『野に咲く花』『里山の植物 ハンドブック』『草木の種子と果実』