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花と光の中での一覧

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so.ra
🐜ありんこ物語 その6 そこは公園だった。 花壇には花が咲き乱れ、並んだベンチの周りで、小さな子供たちが楽しげに遊んでいた。 うわ~!大きなお菓子が落ちている! 子供たちが食べこぼしたお菓子の欠片が、そこかしこに落ちでいた。ありんこが駆け出そうとしたその時 ダメだ!! と声と共に突き飛ばされた。 その一瞬のあと、空から大きな鳥が急降下すると、お菓子の欠片をくわえて、空へと持ち去っていった。 ガクガクと震えが止まらないありんこに、アリが話しかけた。 突き飛ばしてごめん。 ああいうエサは、いつも鳥の奴らが、空から狙ってるから用心しろよ。 動けるか? さぁ、あの薔薇が食堂さ。ついてこいよ。 そういうと、先にたって枝を上っていった。枝にはたくさんのアリマキがついていて、口々に歓迎すると蜜をさしだした。 この間は、てんとう虫から守ってくれて有り難う。 本当に危機一髪だったわ! さぁ、たくさん召し上がって。 我先にアリを歓迎して喜ぶアリマキたちを巡り、お腹が一杯になった2匹は、枝から降りて話を始めた。 あぁ、お腹が一杯になって力が出てきたよ。一時はどうなるかと思ったけど、君のおかげだ。有り難う。 ここは、俺の秘密の縄張りさ。他のアリを連れて来たのは、お前が始めてだ。ほら見て見ろよ。 子供たちのこぼすたくさんのお菓子に蟻が群がってるだろう。そして、少しでも大きな欠片にって群がるから、さっきみたいなことになるんだ。 ありんこが見ていると、たくさんの鳥がお菓子の欠片に舞い降りて、自分の物だと奪い合っていた。その中で、蹴散らされたり怪我をするアリもいるようだった。 本当だね。君が止めてくれなかったら、僕はお菓子と一緒に鳥に食われてたかもしれないね。 仕方ないさ、君は与えられたものだけを貰う生活で、自分の目で周りを見て考える訓練をしてこなかったんだから。 いいかい。 目の前の事をいつも自分の心で見ようとするんだ。そして、自分の欲だけで考えてると、いざってときに、誰も助けてくれないもんさ。 人の仕事を横取りする奴、 働いたように見せる奴、 要領よくやってる奴、 人の足を引っ張る奴、 嘘ばっかりついてる奴、 真面目に働くのがバカらしくなることもあるさ。 働きアリだって色々あるさ。 だけど結局、他の奴じゃなくて自分なんだ。しっかり目を開いて自分の心で決めていくんだ。 さあ、腹が一杯になったようだから、日が暮れないうちに帰ろう。 2匹は、帰り道、あの琵琶の木に立ちよった。 さぁ、この小さな虫の死骸をもって帰るといい。 アリは、そう言って小さな虫の死骸をありんこに渡した。 そこには、たくさん大きな死骸も落ちてるのに、一番小さな獲物を渡すなんて、ケチ臭いな。そう思いながらも、命拾いしたのはこいつのお陰だと、ありんこは、丁寧にお礼をいった。 アリは照れ臭そうに頭をかきながら、 いいか。俺に助けられたって、絶対誰にも言うなよ。そして、この場所も、あの公園も、絶対秘密だ。いいな!約束だぞ! と厳しい顔で言うのだった。 ありんこは、必ず守ると約束して、幼馴染みのアリと別れ、巣穴へと帰っていった。 あたりはもう夕暮れ。空にはぼんやり月が明るくなり始めていた。 🐜🍀🐜🌼🐜🍉🐜🍪🐜
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so.ra
🐜ありんこ物語 その4 まったく、お前なんか助けるつもりなかったんだけどな。 ぶつぶつ言いながら、前を行くアリが続けた。 お前は、一生懸命やってりゃ凄いって思われるとか、手柄をたてて誉められようとか、そんなことは思ってないかも知れないけどな。身体か不自由になったり、年老いて働けなくなった蟻のことなんぞ、考えたことはないだろ? ありんこは黙って頷いた。 お前が毎日大物を持って帰れば、偉い奴らが、『ホラ!こんなにエサがあるじゃないか、お前らもしっかり探してこい!』ってハッパをかけやがる。やっと見つけた小さなエサを差し出す奴らは、その度に肩身が狭くて、すいませんと小さくなるんだ。 俺は、エサを運んでるときに襲われて、あれからまともに歩けない。それまで、まっすぐ何も考えずに働いてたけど、働けなくなったらたちまち、周りの奴らの態度が冷たくなったよ。いい気なもんさ! 幼馴染みのアリは、一本脚が短くて歩くたびに身体揺れた。 それなのに、今やありんこの2倍近くの大きさになっていて、不思議に思いながら話に耳を傾けた。 その時はじめて、俺と同じような奴がいないかって、周りを観察することにしたんだ。この枝に上って、アリマキから蜜を貰いながらね。そして、驚いたよ。要領よくやってる奴らが大勢いて、楽しく暮らしてる世界があったんだ。 そこでは、立派な実をつけた琵琶が実り、たくさんの蟻たちが忙しそうに働いていた。 ありんこは、一つ一つの話がはじめてのことばかりで、お腹がすいたことも忘れて、目を丸くして聞いていた。 その時だった。 『ほう、お前さんにゃ珍しい。 他の奴の面倒を見るようになったか、はっはっは』 ガラガラとしわがれた高笑いが響いた。 続く
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so.ra
🐜ありんこ物語 その3 3日もかけて、こんなに苦労して、飲まず食わずでまさしく命がけで運んできた獲物を、もう少しで巣穴だってときに諦めるのか。。でも、もう限界。 このままじゃ死んじゃうかも。。😭 ありんこは、迷いに迷って、そっと獲物を土のうえに置くと、枝のうえに向かって声をかけた 諦めるから、どうか教えて。 どうしたら助かるの? どこに行ったら食べ物が手に入るの? 枝の上のアリは、ニンマリと笑うと、枝から降りてきた。 やっと決心ができたようだな。 秘密の場所を教えてやる。 だけど、絶対他のやつに言わないと約束できるか? それから、俺の縄張りだ。お前さんを連れてくのは、一度きりだからな。 わかった、約束する。 そう言って、それまで運んできた羽を枝のしたに隠しておこうとした。すると、アリが怒ってこう言った。 それだよ!ソレ!狭い了見! お前ったら意気地がないくせに、ござかしい真似して! 良いか!お前がここに羽をおいていけば、巣穴から他のアリがきて、みんなのところに運ぶんだ。お前がやってきた仕事が誰かの役にたつって訳だ。それを、腹を満たしたら、また取りに来ようなんてこざかしい真似をするんじゃない! そういって、歩き始めた。 ありんこは、しゅんとして、獲物を隠すのを諦めて、その後を振り返り振り返りついていった。 道のわきでは、紫陽花の花が、そんな2匹を見守りながら、ニコニコと笑ってた。 続く 🐜🐜🌼🐜🐜🌿
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so.ra
🐜ありんこ物語 その2 ご立派だね! 大きな獲物を持ってったら 偉いって誉められるとでも思ってるのかね そんなに必死に ヘロヘロになってさ まさしく働きアリだね! ありんこは驚いて声のするほうを見上げた。 そこには、枝の上に腰かけて 手にした小さな羽で 顔を扇いでるアリがいた それは、ありんこと同じ巣穴で生まれた、幼馴染みのアリだった。 やぁ、君はもう、今日の仕事は終わったのかい? 僕は一昨日からこの羽を運んで、もうへとへとさ。 ねぇ、頼むから、一緒に巣穴まで運んでくれないかい? やだね! どうしてお前の手伝いをしなくちゃならないんだい。俺はもうとっくに今日の一仕事は終わったんだ。 お前は、そのたいそうな羽と一緒に野たれ死にすりゃいいのさ。 ありんこは涙をポロポロこぼして、枝の上を見上げた。 僕、もう丸三日何にも食べてないし、飲んでない。そうだよ、君の言う通り、野垂れ死にしそうだよ。だけど、このまま帰ったって、何も食べさせてもらえないし。。うえ~ん。 悲しくて泣き出すありんこに 枝の上のアリが舌打ちをしながら話しかけた。 チェッ!またそれかよ。 お前が誇らしげに運んでる その大きな荷物を捨ててもいいってなら、助けてやるよ。 命が欲しいのか、どうか、 よく考えるんだね つづく 🌼今日の花 アカンサス 何か話しかけてるような顔を してました😁
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so.ra
目を閉じて 心の中へ なつかしいバラの季節へ 薄いピンクの花びらを スルリと抜けて ふいてきた あまい香りをのせた風 小さなバラの妖精が 笑っているよ つぼみの先で 光の粒が踊ってる キラキラ光るひだまりで さっき一羽の蝶が バラからバラへ飛んだあと 高く高く青空へ 吸い込まれるように 飛んでった 光の粒が 飛んで弾けて まるでシャボンの泡のよう たくさんの花たちが ささやいている 小さな声が あなたにも届いたかしら あなたにも 私にも 風景は光の記憶 いつも心のなかで 優しく何度も呼び掛ける 幸せだね 嬉しいね 大好きだよ 愛してる 🌹 薔薇の花を撮したときに たった一度 動いてるたくさんの光の粒と 妖精が写りました バラの蕾の上の 小さな妖精♡ そんな風に見えますか? 私の宝物の写真です 画素数が小さくて はじめてのコラージュ 頑張りました😅 目には見えない世界信じますか 不思議な写真をとるたびに 忘れないでって 言われてるように思います 見えない世界に守られて 生きてることを 嬉しいなって そんな風にも思います 辛いことも 苦しいことも 嘘と悪意に腹立つ事も 混沌とした毎日に ざわざわと心が 波立ちますが 戦っていると どんどん底無し沼に 入っていくようで いきる希望が すり減ってしまいそうで だけどいつも心の中に 花が咲いてること 光で溢れていることを 忘れないでいられたら 自分を見失わずに いられるのかなって 1000本詩を書こうと 目標に何とかたどり着きました 1000本めは 感謝と愛をこめてみなさんへ💕
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so.ra
みんなが寝静まった庭先で クレマチスがささやいた 小さな小さな声で そして牡丹が クスクスと笑ったの 隣で聞いてた一花は あまりに笑いすぎたから 思わずハラリと花びらが 枝からこぼれて落ちたのよ 枝を渡って来た風も 楽しい話にゆらゆらと 枝を揺すって なぁ おかしいと 寝ていた小鳥を起こすから 寝ぼけた小鳥が 大あわて クックヒョーと鳴いたのよ 少しずつ 少しずつ 夜の色を夏に変え サヤサヤざわざわヒラヒラと 愉快に時が過ぎたのを 草にとまった雨蛙 明日は何度も思い出し ケロケロけろけろクッケロと それはそれは楽しげに きっと歌を歌うのよ 🌺夜の光に庭に咲く 花は笑っているようで クレマチスと牡丹の 花たちの笑い声が あなたも聞こえたかしら?🥀🌟 夜の淡い光の中で 一輪のクレマチスは ハートの葉っぱを 隣の花に贈って そっとプロポーズしたのかも ひょろリと伸びて顔出した 葉っぱも粋な小道具に♥ 風もないのに落ちた花びら 思わず落とした一枚を あ〜ぁ笑いすぎて 落としちゃったと 地面を見て残念に 思っているかもしれないと😊 ハラリはらりと落ちる髪の 行き先を嘆く心も おんなじかもしれないなんて😂 見えないことがないことでなく ただ見えてないだけかもと あれこれと想像してみる一時も ほんのり心を温めて 楽しなって思ったり🤗❣️ 今夜の花の妖精になって 皆様の夢の中へ どうぞ素敵な夜を🥀
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