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バルボフィラム メラノグロッサムの一覧

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阿南田零
バルボフィラム メラノグロッサム(和名:クロシタクシノハラン) Bulbophyllum melanoglossum Hayata (1914) 花の時期ではないのだけど、元々『中国ムギラン 曙斑』というラベルで売られていたこの個体は、この白い新芽の“葉芸”を鑑賞するためのものなのだろうから、ある意味、新芽のこの時期が見頃と言えるのかもしれない。 “曙斑”というのは新芽の頃には明瞭な斑が入るが、生育に伴って段々と普通の緑色の葉になっていく(これを“後暗み”と言うらしい)ようなタイプの斑入りのことらしく、この個体も生長に伴って段々と葉の色が濃くなっていく。とはいっても8月頃までは、それなりに斑入りであることがわかる程度に新芽の葉の色は薄い。 個人的には斑入りかどうかは特に興味はなくて、この“曙斑”を買ったのは、単に洋ラン展や洋ラン屋等、洋ラン市場でメラノグロッサムに出会う機会が極めて稀なのに対し、長生蘭、富貴蘭を扱う東洋蘭屋や東洋蘭展ではこの“曙斑”メラノグロッサムがそれなりの量出回っていて、手に入れ易かったってだけ。 この『中国ムギラン 曙斑』ってラベル以外にも中国ムギラン『曙』という個体名で呼ばれているもの、台湾産ムギラン紺覆輪、中国産ムギラン四倍体 虹の雫、中国産ミヤマムギラン『関白』等、いろんなラベルのものがあるが、全て曙斑入りのメラノグロッサム(しかも斑の出方を見る限り、たぶん元は全て同一個体)なので、東洋蘭市場ではむしろそんなに珍しくなくて入手しやすい。まあ、たぶん東洋蘭市場では、斑入り株以外はないので「斑入り」は嫌だって人は洋ラン市場でまめに探すしかないのだろうけど。
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阿南田零
さきに載せたクワントゥンゲンセ(Bulb. kwangtungense)同様に、こちらも『中国産ムギラン』や『中国ムギラン』という名称で出回ることの多い小型バルボ。 バルボフィラム メラノグロッサム Bulbophyllum melanoglossum Hayata (1914) 和名:クロシタクシノハラン 中国名:紫紋捲瓣蘭 学名のmelanoglossumと和名の『クロシタ』は共に黒い舌の意味で、リップが黒っぽいことを意味しているが、ネット上の画像を検索すると、この写真の花のように、リップが黄色い個体の方が多いように見受けられる。咲き始めは黄色で、だんだん黒っぽくなるのかもしれないのでちょっと観察してみる(去年咲いたときは観察し忘れた)。 中国名の『紫紋』は、リップを除く花弁や萼片に入る紫のストライプに因む。 昨年咲いた花は今年より一回り小さくて、ちょっとヨれた感じだったけど、今年はノビノビ形よくすっきり咲いた。まあ、ノビノビ咲いても下萼長14mmしかない小さい花なんだけどね。 こちらも洋蘭市場より東洋蘭市場での方がよく見るけど、中国(産)ムギランだったり、台湾(産)ムギランだったり、ムギラン四倍体だったり、テキトーな名前を付けられて出回っている。 このバルボは台湾と中国福建省、海南島に分布するとされているんだけど、大部分は台湾からの記録なので、市場で流通しているものもおそらく台湾産で、後暗みの斑入り個体に『曙』だの『曙斑』、『紺覆輪』、『虹の雫』、『関白』……etc、様々な銘が付けられているけど、元は同一株(=同一個体)なんじゃないかと思ってる。 こちらもクワントゥンゲンセと同様、長生蘭、富貴蘭に準じる環境でよく育ちよく増える。
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