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醜男さんのカカオノキ,カカオ,花木の投稿画像

2025/02/14
カカオ

アオイ科カカオ属の常緑高木。南アメリカのアマゾンおよびオリノコ両河の流域の森林が原産地といわれ、紀元前から原住民が栽培、飲用した。18世紀からヨーロッパに普及し、日本には大正時代中期に渡来した。広く熱帯地方で栽培され、カカオ豆生産地はアフリカ、南アメリカでほとんどを占める。樹高4~10m、多くの枝は水平近くに張る。花は幹に直接多数つき、径1.5㎝で桃色の5萼片、黄色の5花弁からなる。樹齢が4年目より着生し、15年生まで1年中次々と開花するが、結実するのは200~300花に1個。果実は長さ約30㎝の紡錐形の朔果で、はじめは緑白色、のちに赤、黄、橙、紫色などに熟す。内部は5室に分かれ、白い粘状物で覆われた卵形の種子が20~50個ある。種子を特殊な木桶に入れ水につけて発酵させてから干すと赤みを帯び、特有の芳香が出る。これをカカオ豆という。カカオ豆を焙煎し、砕いて殻を除き、すりつぶしてカカオペーストにする。これを圧搾するとカカオバターがとれ、絞りかすがココアである。カカオペーストにカカオバター、砂糖、デンプン、香料などを加えて練り上げるとチョコレートができる。カカオバターは人体の体温ほどで液化し、化粧品、香料、マーガリン、ポマード、医療品の原料にも用いる。

属名はギリシャ語のtheos(神)とbroma(食物)の合成語に由来し、当初は貴重なものであったと思われる。チョコレートの味は何世紀にもわたって世界中の人々の味覚と創造力を刺激し続け、『神の霊薬』とまでいわれている。

出典『日本大百科全書』『世界大百科事典』『果実の事典』『世界の食用植物文化図鑑』

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植物