烏柄杓。サトイモ科。雑節の一つの半夏生（7月2日頃より5日間）に咲くことから、「半夏（はんげ）」とも。（実際には4〜5月頃より花が咲き始める。）

畑の草取りの片手間に球根を集めて漢方薬屋に小遣い稼ぎに売ったことから、「へそくり」などの別名もある。畑に生えると抜き取ろうとしても塊茎が残り、駆除しにくいことから「百姓泣かせ」とも。
他にも「キツネの蝋燭」「蛇の枕」など変わった名前がある。

なんと言ってもウラシマソウのように長い糸状のヒゲがユニーク。
つい見逃してしまうので、意外に希少な感じもする。繁殖力がハンパないので、要注意。

かなり古い時代に中国から帰化した史前帰化植物とされているが、在来種扱いになっている。

花は仏炎苞を持つ肉穂花序につけ、仏炎苞をカラスの柄杓に見立てているが、要はイヌが付く名前と同様、役に立たないの意味である。

見た目と名前に惹かれるだけに、タレント性がある植物と思いたい。
いい意味で「憎まれっ子、世に憚（はば）かる」である。