南蛮蘩蔞。鶴仙翁（ツルセンノウ）とも。（長文）いままで見たことがなかったというより、気が付かなかったのが正確である。一度ナンバンハコベとわかると、緑の垣根にあちこち絡んでいて何本も見つけた。
ハコベが全草に葉緑素を含んでいるように、ナンバンハコベも白い花以外はすべてうす緑のため、目立ちにくいせいもある。

ナデシコ科ナンバンハコベ属。南蛮は花の形がめずらしく異国風なところから名付けられたが、外来種ではなく在来種。ハコベは、サワハコベやハコベに花が似ているところからの命名。
白色の花弁は5個離れて付き、途中から反り返る。ここは妙に個性がある。

蔓性でよく分枝し、1.5m以上に伸びる。萼が袋状でマツヨイセンノウに似ている。そこからツルセンノウとも言われる。
丸い実（蒴果/さくか）は緑から黒く熟す。萼片は実が黒くなる頃から裂けて蛸のようになると書いてあるサイトがあった。写真ではイイダコ（飯蛸）の煮物になりかけている姿だろう。
枝の先を採って小さな花器に活けたら、異国風の蛸踊りに見えておもしろい。