『花束を贈ろう』

母に、誕生日の贈り物に添えて花を贈ろうと思い立った。

電話の向こう、受け取った母の大きく弾んだ声に驚いた。
87歳になったのに、40歳くらいの……幼い時に聴いた憶えのある声だった。
母は好みのハッキリした人で、花も自分で選んで育てたり生けていたから、喜んでもらえるかためらって花は贈らなかった。

（なんで、もっと早くに贈らなかったんだろう……。）

あの夜、寝る間際にも電話をくれた。
溜め息混じりに「最高の誕生日だったよ🥲。いい夢がみられそうだよ。」

思えば、毎年品を贈って「ありがとうねぇ。」は何度も聴いたけど、言われたのは初めてだ。

スマホ操作を忘れていく母が、訊いてきて四苦八苦しながら写メをLINE添付で送ってくれた。
おなじ写真が三枚連なっていた。
「花が早く咲ききらないように、暖房は寒さ耐えられる程度にしてるんだ😊」

昨晩もまた、
「かわいいよぅ。きれいだよぅ。部屋を出た廊下に飾って、みんなに視てもらったんだ😊🎶」と、電話があった。

ああもう!!🙆🍃ﾜﾀｼﾉﾊﾞｶ!!ﾊﾞｶﾊﾞｶﾊﾞｶ!!
来月も再来月も花を贈りたい❢　💐