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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その8 小さなチューリップの球根が目を覚ますと、辺りの風景はすっかり変わっていた。 優しく話しかけてくれたピンクの花は、枯れかけて少しの花が残るだけになっていた。 また、一人ぼっちになってしまう心細さに、心がしぼんでいくような気持ちになった。 そして、元気なく花に話しかけた。 「ねぇ、僕が寝ちゃってから何日たったの?あなたは、あんなに素敵だったのに、どうしてそんなに枯れちゃったの?もう少しで。。枯れてなくなってしまうの?」 「よく眠れたようね。それにしては元気がないようだけど、大丈夫? 何日も太陽かでて太陽が沈んで、あなたは長いこと寝ていたのよ。あのあと、この辺りもたくさん雪が降ったの。寒さに弱い花たちはみんな枯れてしまったわ。私も、ご覧の通り、もうじき枯れて終わりになるわ。でも、私は根っこで生き残るのよ。そして、また春が来たら芽を出してきっと花を咲かせるわ。」 「そうかぁ、もうすぐ枯れてしまうのか。もう、話すことができなくなっちゃうんだね。また、お別れ。。なんだか、胸の奥が痛い。 あなたは、枯れてしまうのが悲しくないの?みんなとのお別れが寂しくないの?」 「生きるって喜びだけじゃいられないのよ。」 花は優しく小さなチューリップの球根を見つめながら、言葉を噛み締めるように、ゆっくりと話すのだった。 「苦しみのとき、悲しみのときに、自分の心の居場所をどこにおくか、そして自分のなかに何を育てるか、それが幸せを決めていくのかもしれないわね。 苦しいときに苦しみに首まですっぽり浸かってしまうのは簡単だけと、それはみずびたしのなかで溺れてしまう種のような生き方なのよ。 何かを恨んだり、悔しさや悲しみに心が一杯になってるときは、火の中で心が焼けてしまうように、それは苦しみの毎日に焼かれていつまでも傷を直すことはできないの。 私もそんな苦しい時間を過ごしたことがあるわ。だから、あなたには、違う生き方をって思うのよ。」 「それはどんな生き方なの?」 「苦しくて、辛くて、なにもかも嫌になってしまう時、本当に辛いわ。 心に幸せを浮かべることすらできないと思うときこそ、春を思うのよ。 春があるってとってもすごいことよ。いつも春になるたび、これは奇跡なんだって思うわ。 当たり前なんかじゃないのよ。 そして、ぽわんと春を夢見てるだけじゃダメなのよ。 ここにいる花たちは、見えないでしょうけど、土の中で根っこを伸ばしたり、春に咲く芽を作ったり、それは、みんな一生懸命よ。成功するか失敗するかなんて関係ないの。 怖がることはないけど、あなたもちゃんと根っこを伸ばして、春の準備をするのよ」 小さなチューリップの球根は。まだ根っこも伸ばしてない、小さな自分の体を見た。 「そうかぁ、まずは根っこを伸ばさなくちゃね。ありがとう。きっと春に咲けるように、頑張るよ!」 チューリップの上を小さな落ち葉が、土の感触を楽しんでいるように、カラカラと転がっていった。 続く 🌸 いつも、拙い投稿を読んでくださる皆様、いいね👍に励まされてます。ありがとうございます❤️ 寒いので、暖かくしてお休みくださいね🎵 今夜も素敵な夢を💕
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その7 「もう大丈夫?」 声の方を振り向くと、優しく花が笑っていた。 太陽がすっかり空に登って、昨日の嵐が嘘のように、あたりはぽかぽかと暖かだった。 小さな球根の上には、昨日の風で飛んできたたくさんの落ち葉が布団のように積もって、ぬくぬくと暖かくて、今までのことはみんな悪い夢なんじゃないかと思うほどだった。 小さなチューリップは、優しく声をかけてくれた花に、今までの出来事や、昨日の冒険や、それからお爺ちゃん球根の話をしたのだった。お爺ちゃん球根の話をしながら、ポタポタとまた溢れてきた涙をぬぐいながら、転がってきた土手の上を見上げた。 「途中で臆病風に吹かれて、あそこで振り返ったりしなかったら。。まっすぐに突き進め!って言われたのに。💧」 静かに長い時間耳を傾けていた花が、そっと口を開いた。 「絶対に正しい道なんてないと思うわ。どんなに強く決心していても、迷うことは誰にでもあるもの。」 「でもね、たぶん、命をかけた一か八かの勝負のときは、自分を信じてまっすぐに進むことがとっても大事なんだって思うの。 もしかしたら、その優しいお爺ちゃん球根さんは、あなたが迷うことすらもお見通しだったかもしるないわね。そうでなければ、あなたが止まりそうなぴったりのタイミングで、あなたにぷつかることなんてできないものね。 あなたが迷わなくても、小さくて軽いあなたが、ここまで転がってくることはできないわ。風向きもあなたの力も知った上で、お爺ちゃんが考えたことなのかなって思うわよ。 私は会ったこともないけど、きっと色々とご苦労なさった方なのかなぁ。素敵な方に出会えて、あなたはとても幸せね。」 小さな球根は花に言われるまで、自分が失敗するかもしれないことも計算の上で、お爺ちゃん球根が自分のために考えてくれていたなんて、思いもしないことだった。 「そんなこと、思いもしなかったよ。失敗しそうな所をみて助けてくれたんだとばかり思ってた。もしかしたら、嵐の日に坂を転がる話を聞かせてくれたときからその先のこともわかっていて、自分はどうしようかって考えてくれていたのかな。。そこまでの、気持ち。。色々不安で一杯で、怖くて、自分のことばかりしか考えてなかったから自分が情けないよ。お爺ちゃんだって、怖かったり不安だったりしたはずだよね。それなのに甘えるばかりで、人の想いなんて言われるまで考える余裕もなくて。。それでも、こんな自分を助けてくれたんだね。」 「大丈夫よ。そうやって誰もが少しずつみんなの愛をもらって世界が広がっていくの。大切なのは、その今日の思いを忘れないことよ。 さぁ、そんな命を託されたんだから、いつまでもメソメソして、命のパワーをおとしちゃダメよ。疲れたでしょうから、また少しお休みなさい。ここで見ていてあげるから、大丈夫よ。」 小さなチューリップの球根は土手の方をあおぐと、微笑んで頷いた。 落ち葉の布団は暖かくて、安心して深い眠りについたのだった。 続く 🌸東京 晴れ 10℃ 今日も良い日に💕
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その6 大冒険の日がついにやって来た。 風がびょーびょーと枝をならし、小さな枝や土ぼこりが舞い上がった。高い枝に絡んで残っていたカラスウリの実は、蔓ごとちぎれて飛ばされていった。 「空の雲が真っ暗で、ぐんぐん飛んでいくよ。ビュービューって音がして耳がいたいよ。お爺ちゃん、今日がチャンスの日なの?」 「そうじゃ、まもなくじゃぞ。覚悟はできたか。 あそこに落ちてる松ぼっくりが転がり始めたら合図じゃ。よいか、備えるのじゃ。わしが声をかけたら思いっきり転がるんじゃ。一瞬でも迷ってはならんぞ!」 小さなチューリップは、ドキドキしながら、空を眺め、これから転がっていくその先をぎゅっと睨んで、待った。 その時、ゴーっと言う音がして、今までにない突風がやって来た。 「今じゃー!飛んでいけー!!」 お爺ちゃんが叫んだ。 小さなチューリップは思いっきり地面をけった! 坂をどんどん転がってよし!いいぞ!と思った時、行く先に溝が見えてきた。 不意にドキン!と胸がなって、急に怖さが襲ってきたチューリップは、思わず後ろを振り返ってしまった。 するとそれまでの勢いが落ちて、目の前に溝が迫ってきた。 「あぁ、もうためだ!!落ちる!」目を閉じて諦めようと力を緩めたその時だった。 何かが体に思いっきりぶつかった。 ドシン!! その勢いで溝をポーンと飛び越えて、無事に柔らかな畑の土の上に落ちたのだった。 何が起こったかわからずに、まだドキドキしてる小さなチューリップの耳に、風にのってかき消されるような、優しいおじいちゃんの声が聞こえてきた。 「言ったじゃろう。やろうと決めたらぐずぐず迷ってはだめじゃ。一瞬の迷いが全てを決めるんじゃ。忘れてはいかんぞ。 お前さんが無事に畑にたどり着けて、わしはほんとに嬉しい。こんなわしでもお前さんの役にたったからな。お前さんの花を見事に咲かせられる日を祈っとるぞ。さらばじゃ、達者で暮らせよ」 そして、お爺ちゃんの声は聞こえなくなった。 振り返ってしまい、止まりそうな小さなチューリップに、お爺ちゃんが一か八かで体当たりして先に飛ばしてくれたのだった。その弾みで、お爺ちゃんは溝に落ちてしまったのだ。 「お爺ちゃーん、お爺ちゃーん!お別れは嫌だ。死なないでー!」 その夜吹き続けた強い風の音に混じって、小さなチューリップの叫びとも鳴き声ともつかない声が、一晩中聞こえたのだった。 続く
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その5 「じゃがな。その坂の途中に小さい溝があるんじゃよ。狭いところじゃが、深くていつも水がたまっておる。わしは、風に煽られるようにして、溝の上を一気に飛んでいけたが、そこに落ちたら2度と出てはこれんから、転がって落ちるときは一気に落ちていかなければならんのじゃ。一時の迷いが命取りなんじゃ。何事も、やると決めたら思いきりが肝心じゃ」 小さな球根は、お爺ちゃん球根の冒険を、ドキドキしながら聞いていた。 「ねえ、お爺ちゃんは、そこ冒険をやりとげて花を咲かせたの ?凄いなぁ。そんな凄いことを考えつくだけでもすごいのに、ちゃんと根っこを着けて花を咲かせるなんて。ねえ、お爺ちゃんはどんな花を咲かせたの」 「わしは紫色のチューリップじゃ。珍しい色なんで、こんなにしわしわの球根でも、また植えようと選んでくれたようじゃ」 「すごいや!格好いいね! 見てみたいなぁ。僕は、まだ一度も花を咲かせたことがないから、自分がどんな花になるか知らないんだ。このまま終わるなんて嫌だよ!ねえ、どうしたら、そのすごい風が吹いてくる日がわかるの」 「空に黒雲が沸いて、見上げれば雲が飛ぶように速い。その日は、いつもは賑やかな鳥らも、どこかに身を潜めてじっとしておる。少しするとそこらの落ち葉が飛び始めるんじゃ。ごーごー風が唸って何だか心が落ち着かぬ感じがするんじゃ。ことによったら雨も降るかもしれんのう。わしらの冒険には晴れた日が良いがの。」 「すごい日だね。そんな日、今まであったことはないや。その日が来たら、きっとあの坂を転がって見せるよ!でも、やっぱり心配だ、こんなちびの僕にもできるかなぁ」 「できるとも。ここでまごまごしていたら、いずれ鳥につつかれるか、腐って終わりじゃ。お主は花を咲かせたいとは思わんか。頃合いも同じ時期じゃ。もうじき強い風が吹いてくるぞ。」 お爺ちゃん球根の話を聞いてから、坂をボーンと飛び越えて花を咲かせる夢を見ては、微笑んでいる小さなチューリップ。そんな姿を、草はらに咲く花たちは優しく見まもっていたのでした。 続く
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その4 周りを見てみると、そこは畑のわきにある小さな草原だった。 剪定された枝や、刈り取られた草、野菜くずなどが、あちこちに山とつまれていた。 「やれやれ、また振り出しにもどってしまったのう」 懐かしい声に振り向くと、物置の箱のなかで優しく声をかけてくれた、しわしわ球根のお爺ちゃんだった。 「知ってるともさ。わしは一度ここに捨てられたんじゃ。だがな、奇跡的幸運に恵まれて、また花壇に運ばれて花を咲かさせておったんじゃよ」 「本当?どうやったの!教えて!」 小さな球根は、目をキラキラ輝かせて聞いた。 「ごらん。その草の繁った先に空が見えるじゃろう。あの先は坂になっておるんじゃよ。そこを無事に転がり落ちることができれば、ふかふかの肥えた畑があるんじゃ。太陽が降り注いでそれは気持ちのいいところじゃ。」 「すごいや!そこへ行くにはどうしたらいいの?」 「春先のこの季節だけ、強い風が吹く日があるんじゃ。わしはその風の日に、一か八かの勝負に出たんじゃ。風に乗って転がって、落ちていったんじゃよ。 じゃがな。。」 続く 🌸東京 晴れ 3℃ 今日もいい日に💕
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その3 「お父さん!早く早くってば。 ほら、ぼくもうスコップ持ったから。」 小さな男の子に手を引かれて 眠そうにあくびをひとつして、 お父さんが歩いてくる。 「たまの休みくらいのんびり眠ろうと思ってたのに。お前は全く元気なもんだ」 「ぼくもう、計画たてたんだよ。昨日お母さんと書いたんだ。ほら、花壇の設計図!」 男の子はズボンのポケットから小さくたたんだ一枚の紙を取り出した。それは、色とりどりのチューリップを思わせるクレヨンの丸が並んで、空ではお日様が笑ってる、楽しげな虹色の花壇の絵だった。 「ね。綺麗でしょ!」 「ほう。なかなかうまく書けたじゃないか。こりゃあ、楽しみだな」 そんな会話を弾ませながら、父さんが物置の戸をガタガタと開いた。 真っ先に飛び込んだ男の子が、箱を覗きこむと、ガチャリとスコップを落とした音が響いた。そして、 ほんのすこしの間をおいて、大きな泣き声が響いた。 「誰かが!。誰かが!僕のチューリップを食べたんだ!バラバラだよ!もう、みんな、、。終わりだ!うえ~ん」そのあとは言葉にならず、欠片になったチューリップを握って泣きじゃくるのだった。 「あー!蓋をしなかったから、見事にやられちまったなあ。ネズミのやつだな!まったく油断も隙もない!」 とうさんは、泣きじゃくる坊やの背中から覗きこみながら、どうしたもんかと考えていた。 「二人ともごはんよー!」 その時、母さんの声が響いた。 「お母さんに話してくる!」涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、男の子がかけていった。 父さんはしばらく木の箱を眺めていたが、箱を持ち上げると歩き出した。 「こんなになってしまって、ネズミを駆除しないといけないなぁ。さて、このかけらは畑のすみにでもあけておこう」 そういうと、家の裏の畑に向かっていった。草が繁っている道の脇に木箱を裏返してざーっと捨てると、空の箱を抱えて家のほうへと帰っていった。 まもなく太陽が出て、雀たちが賑やかにお喋りを始めた。 「あなた、大丈夫?」 そう声をかけてくれたのは、畑のすみに生えていた雑草だった。何がなんだかわからずに、震えていたチューリップの 小さな球根は「だ、い、、じょうぶ」そう答えるのがやっとだった。 「無理しなくていいわ。とりあえず、あなたはまだ大丈夫そうね。さぁ、目を開けて周りを見てごらんなさい」 そんなことばを聞いて、恐る恐る目を開けて、周りをぐるりと見渡した。 続く
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so.ra
🌷チューリップ物語🌷その2 辺りがしんと静まって みんなが眠りについた頃 突然やつらがやって来た 箱の中に入ってきて あっちの球根 こっちの球根と ガリガリと食べ始めた ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ あっちでもこっちでも 悲鳴と泣き叫ぶ声 嵐のような一夜が開けて 満腹のお腹を撫でて 長い尻尾をぱったりぱたんと まわすと のったりのったりと そいつらは帰っていった 箱のなかはそれは無惨に 食いちぎられた球根のかけら と、わずかに芯だけ残った球 根たち あっちこっちから 鳴き声と痛いよ~と 息もも絶え絶えの声がする 箱の片隅で小さな球根は 今も震えが止まらずに 何も考えられないほど ただぶるぶると震えて 青ざめて泣いていた もうひとつ生き延びたのは もう一方の片隅にいた 体の半分がしわしわで 生きてるのか枯れてるのか わからない おじいちゃんの球根だけ 「怖かったかのぉ。 もう、大丈夫じゃよ。 あいつらは帰っていったから」 小さな球根はビックリして 声のする方を見た おじちゃんの球根は優しい声で 続けた。 「みんな、いなくなってしまったのぉ。 あんな楽しそうに夢を話しておったのに。 お前さんは、小さずぎて花も咲くまいと馬鹿にされ、わしはこのからだ半分がしわしわにしわがれて、じじい、じじいと笑われておったからのぉ。 人に劣っているように見えることも、助けになることもあるんしゃよ。 世の中は、ちゃあんとバランスよくできているんじゃな。だかな、それは、あとになってわかる話。お前さんも悔しく思っておったろう。」 おじいちゃん球根は、優しく続けた。 「口をきけぬほどか。そうじゃろうのぉ。怖い想いをしたのぉ。奴らは隠れ住んでいて、隙さえあらばやってくるんじゃ。 よいか、覚えておくんじゃよ。 どんなに辛いことがあろうと、 生き延びてこの世でやることが あるものは、お主とわしのように生かされていくんじゃよ。 そのやることが何かは、まだわからんがのぉ。 この世は夢のようなもんじゃ。 その夢が、たくさん集まって、明日を作っていくんじゃよ。だからの、絶望を心にいれてはいかんぞ。全く絶望と思ったときこそ、大きな希望を隠してるドアなんじゃと、わしもじいさまから聞かせられだがのぉ。さて、その真意は、どこにあるんしゃろうのぉ。」 そんな話をしているうちに、 白々と夜があけてきた。 続く 🌸 庭の沈丁花の蕾が、大きくなりました❤️
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🌷チューリップ物語🌷その1 たくさんのチューリップの球根が木箱に入れて運ばれてきました ガラガラン ゴロゴロン 中では球根たちが おでこをぶつけながら、 賑やかなお喋り中 何処へ行くのかなぁ きっと広い花畑だよ 楽しみだなぁ 小さいのや 大きいの 太っちょも 痩せっぽっちも いろんな球根が混じって みんなお祭りのように 賑やかにはしゃいでいます。 僕は赤い花を咲かせるんだ。 太陽のように真っ赤なやつ。 私はピンクよ。優しい春の空にぴったりでしょう。 ふうん、僕は白がいいな。空の雲のように、眩しいほどの真っ白さ。 どうやら明日、花壇に植える手はずのようで、チューリップたちは、自分のなりたい色を、あれこれと話しながら、やがて咲く春の花壇を夢見て眠りについたのでした。 ところがその夜、。 (続く) 🌸 東京 晴れ 4℃ 今日の花 チューリップ 四月の撮影から お天気が嬉しいですね❤️ チューリップの花言葉と物語 三姉妹のチューリップが 好きな方の恋を 二人の姉妹に遠慮して 自分はチューリップになってしまったと言うお話。 でも、恋の相手がチューリップになってしまったら、 その恋をした 想いのかたも どれ程悲しかったろうって そんなことを思いました。 そんな悲しい物語のリベンジを、したいなって😁 物語を作ることにしました。 結末は、さてどうなるやら。 良かったら、読んで下さいね❤️ 今日もいい日に💕
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so.ra
崖から張り出た枝に ぶら下がって一心に ホトトギスの鳴き声を奏でる瑠璃に 気づいた若者が瑠璃を見つけ 蔦をおろして瑠璃を助けた もう大丈夫だよ 怖かったろう 一時は死を覚悟した瑠璃は さめざめと泣きながら 若者に礼を言ったのだった 月の光に家路につくと 瑠璃を呼び続けて 声をからした父さまが 庭で一心に祈っていた 山から戻った娘を抱いて おんおんと泣きながら 何度も何度も 若者に礼を言うのだった 若者は こんな夜に山に出ていたことを 不思議に思い 瑠璃に理由を聞いたのたった 瑠璃の話を聞いて 感心した若者は 瑠璃に自分の畑で働き、 父親も近くに住まえるように そして、使わなくなっていた 屋敷の隅の小屋も二人のために 手配してくれたのだった 働き者で心優しい瑠璃は みんなから愛されて やがて若者の嫁になり かわいい子にも恵まれて 幸せに暮らしたと 聞こえるだろう ホトトギス 月夜の晩には実りを備え ホトトギスの声を真似 月の神様と山鳥に 感謝を祈る瑠璃の声 山の紅葉が色づく頃も 山でホトトギスを聞いたなら いのちの終わったあとも 瑠璃が奏でる鳥の声 🍁【瑠璃の秋の物語】その10 so ra の不思議な物語 読んで下さった皆様、心から 有難うございました😆💕✨ 物語は大変でした😁 多分、これでおしまいです❤️ たくさん投稿してすみません😣💦
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so.ra
瑠璃の引いた勢いで 枝がポキリと折れて ムカゴの蔓ごと 瑠璃は崖から転がった 崖に張り出した ツツジの枝か 瑠璃の着物にかかり 瑠璃はツツジの枝をつかみ ぶらんと崖にぶら下がった もう一生の終わり 瑠璃は涙を流しながら 月の神様に祈ったのだった ツクヨミさま どうぞいのちを助けてください このいのちがあったなら 今まで以上に働いて 父さんを大切にいたします 山も里も大切にいたします そして最後と観念して 山の鳥たちにお別れの 口笛を吹いたのだった その夜は満月で 村の若者が一人 月を楽しみに庭に出た そこへ一羽の真っ白な フクロウが飛んできて 不思議な声で鳴くものだから 若者は 枝から枝へ飛び移る フクロウを追いかけて 山へと入っていった その時 山の中から時ならぬ ホトトギスの鳴く声が聞こえてきた こんな季節に不思議なことがあるものだ 若者は行こうか行くまいか 迷いながらも 声をたどって崖にたどり着いた 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑨
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so.ra
山に木の実を取りに出かけた瑠璃は 大きな木の一面に絡み付く 立派なムカゴの実を見つけた まぁなんて美味しそう こんなにあったら当分は 食べるものに困らないわ 山はもうとっぷりくれて 昇ったばかりの月が 空から弱々しく 光を届けるだけだった 瑠璃は明日にしようかとも思ったが 父さまの喜ぶ顔を見たくって ムカゴの蔓を引いたのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑧
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so.ra
瑠璃は山にいくと口笛で 小鳥を呼び 小鳥のあとを追って 木の実を見つけることも 山の小さな動物たちから 薬草を教わって 里に売りにいくことも できるようになっていった そんな 秋のある日のことだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑦
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so.ra
瑠璃は美しい娘に育ち 気立ても良かったから たくさん若者が 嫁に欲しいと言ってきた 瑠璃や なかなか優しそうなお人じゃ わしのことはいいから お前の幸せを掴んでおくれ それが 父さんと母さんの願いじゃ いいえ 私はここが好き 父さんと一緒にこの先も ずっと住んでいたいから そういって 断り断り続けるうちに 嫁にと欲しがる話もいつしか途絶えた 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑥
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so.ra
たくさんの村人が父さまを探し 父さまは生きていたが もう歩くことができなくなった 瑠璃は父さまと二人の生活を 支えるために 昼間は里で働いて 夜は山で木の実や草を集め 朝早くから畑を耕し 早くから遅くまで それはそれは働いた 山に冬が来る前に 食料を探すため 瑠璃は 里に降りる前に 暗いうちから山を歩いた 夏に花をつけた山百合の根 枝にからむムカゴの実 ドングリの実に 食べられる草の根も 山の恵みを抱えて戻り 冬に備えるのだった 枝の上をムササビが飛んでいく 山の風がゴーゴーなって 秋の山は少しずつ寂しくなっていく 山道を歩いていた瑠璃が 嬉しそうに駆け寄った あったわ! 父さんが教えてくれたご馳走 それは松の木にできた丸いこぶ こぶのひび割れに 細い枝をさして 甘い汁をすくう 小さな山の楽しみだった 家に帰ると父さまに 今日の収穫を報告して 粗末たけれど温かい 食事をするのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑤
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so.ra
そんなある日 大雨の翌日に父さまが 猟に出る支度をしていた 父さん、今日は水が出ているから 猟は明日にしてはどうかしら わしとて心配はあるが 続いた雨で約束を 3日も伸ばしてしまったから いかねばならんのだよ 心配する瑠璃を置いて 父さまは出掛けていった 山の上では 風がごうごうとなり 降り続いた雨で 山のあちこちから たくさんの水が しぶきをあげて どうどうと流れていた 岩場を伝い 沢を渡っていった父さまは 仕留めた獲物を 担ぎ直そうと 手を離したとたん 足を滑らせて 岩場から谷底へ 滑り落ちてしまった 🌸【瑠璃の秋の物語】その④
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so.ra
瑠璃は父さまに連れられて 山にいくのが好きだった 湿地を越えると 綺麗な水が流れる沢があり 3日に一度 沢の水を汲むために 瑠璃は山道を往復した 夏でも沢の水は 手が切れるほど冷たくて 沢の岩をどけると 小さな蟹がいて その夜のごちそうだった 父さまは川で魚を捕まえて 火であぶり、二人の冬の間の 食料の準備をするのだった 瑠璃は、父さまと道々に咲く美しい花を眺め、山に木の実を探す時が、何よりの楽しみだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その③
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so.ra
瑠璃と言う名は 山に咲く瑠璃色の花の 好きだった母さまが つけてくれた名前だった 瑠璃はすくすくと大きくなって 父さまを助けて良く働いた 瑠璃は賢く育ち 動物たちを観察しては 山に生える食べられる 草や木の実を見つけるのが 得意だった 父さま、山鳥の卵を見つけたよ ほら、こんな美味しそうな実も 見つけたよ おうおう、瑠璃は賢いのう 大切にもって帰ろうの 父さまに頭を撫でられて 喜ぶ顔を見るのが 瑠璃の一番の幸せな時間だった 山鳥の卵を見つけ 山菜や薬草や木の実をとっては 里に降りてお金にかえて 父さまと二人の着物や 米や味噌を買うのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その②
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so.ra
【瑠璃の秋の物語】 娘の名前は瑠璃といった 母さまは瑠璃を産んでまもなくに、 なくなってしまい 瑠璃は父さまと二人暮らしだった 父さまはまたぎの仕事と わずかな田畑を作り 慎ましく暮らしていた 幼い瑠璃を懐に 父さまは山に入り 獲物を捕らえては 村に出掛けて わずかなお金にかえて 二人はひっそりと暮らしていた 🍁瑠璃の物語 その① 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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