No.311 ボケ(木瓜) バラ科ボケ属 その2 木瓜の花は春の花の中では一番妖艶さが漂う花じゃないかな💕 美人さん💕ですよね😅 昔、子どもが出来ずに悩んでいた女性が、修験者に授かった木瓜の実を服した途端、良縁と子宝に恵まれたという子宝伝説が、『冠稲荷の木瓜』の花の伝説として冠稲荷神社(栃木県太田市)に伝わっています🎵 この木は栃木県の天然記念物にも指定(昭和31年1月14日)されています💕 木瓜の木のくれなゐうすく茂れれば雨は日毎にふりつづきけり 長塚節

No.300 スイセン(水仙) ヒガンバナ科スイセン属 その3 平成7年(1995)1月17日(火)午前5時46分阪神・淡路大震災が発生しました🐗 あれから24年が経過しました🎵 阪神・淡路大震災の被災者を見舞うために、天皇、皇后両陛下は平成7年1月31日に兵庫県入りされました🎵 大火災で一面焼け野原とかした長田区の菅原市場をご視察され、両陛下は焼け跡に深々と一礼されたあと、皇后さまは、その日の朝に自らのお手で摘み取られた17輪の水仙を、そっと献花されました🎵 水仙は春の訪れとともに咲くことから、希望の象徴の花🎵 困難に打ち勝って、希望を持って生きて欲しいと願われた、皇后陛下のお心そのものを表しているのだと思います🎵 そして時は移り、平成23年(2011)3月11日(金)午後2時46分東日本大震災が起こります🐔 平成23年4月27日、被災者を見舞うために訪れた仙台市の宮城野体育館で、皇后さまは一人の被災者から、『この水仙のように頑張りますから』と、津波で流された自宅跡に咲いていた黄水仙を手渡されます🎵 その行幸啓になった際に、ヘリコプターの中から見られた光景を皇后陛下は詠んでおられ、翌平成24年の新年に宮内庁から発表されました🎵 何事も あらざりしごと 海のあり かの大波は 何にてありし 来年は「復興五輪」が開催されます🎵 「復興」とは、復興が完了したという意味ならば、自分の目で被災地を見なければならないのではないか、『被災地は復興したのか』と☺️

No.290 サクラ(桜) バラ科サクラ属 その3 昔、「春、花の下で死にたいと願っている、それも釈迦入滅の如月の満月🌕の頃に」と詠んだ歌人がいました🎵 文治6年(1190年)2月16日、桜が咲き誇る満月の日にこの歌人は入寂しました🎵 今日は、旧暦の如月十五夜、しかも望月🌕です🎵 望月の日に入寂したのを伝え聞いた同時代の歌人らは感動したと伝えられています🎵 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃 西行 山家集 77

No.272 ヒヤシンス 和名：ヒヤシンス 別名：風信子、錦百合 キジカクシ科ヒヤシンス属 その1 庭に直植のヒヤシンスです💕 風信子は、風がヒヤシンスの香りを運んでくることから🎵 ヒヤシンスの名は、ギリシャ神話に出てくるヒュアキントスに由来します🎵 音楽・医術の神アポロンと美少年ヒュアキントスが円盤投げをしていたときに、ヒュアキントスに想いを寄せていた西風の神ゼピュロスがそれを見ていました🎵 ゼピュロスはその楽しげに遊ぶ二人に嫉妬して風を起こしますが、その風が円盤の軌道を変えヒュアキントスの頭に当たってしまいます🎵 ヒュアキントスの頭からはおびただしい血が流れ死んでしまいます🎵 その血の跡から生まれたのが、ヒヤシンスといわれています🎵 片恋のわが世さみしくヒヤシンスうすむらさきににほひそめけり 芥川龍之介

No.264 ヤブツバキ 和名：薮椿 ツバキ科ツバキ属 その1 日本に自生するツバキは3種類あり、ヤブツバキ、ユキツバキ、そしてヤクシマツバキですが、ユキツバキとヤクシマツバキはヤブツバキの亜種、変種とされています🎵 ヤブツバキは照葉樹林を代表する樹木の一つです💕 関東以西では内陸部(標高800m以下、九州の霧島では1000m以下)まで分布しますが、東北地方では北上するにつれ徐々に高度を下げ、沿岸部にのみ分布しています🎵 太平洋側の北限は、青森県の夏泊、日本海側の北限は青森県の深浦あたりですが、北に行けば断片的に海岸線にあらわれます🎵 このことから、八百比丘尼の伝説が伝わっています🎵 昔人魚の肉を誤って食べた娘が、不老不死になり、夫や子が年老いて亡くなり、自分だけが生き残っていることを不幸に思います🎵 この不幸を背負い、世を儚んで、尼になって全国各地を放浪し、神仏への信仰をときます🎵 八百比丘尼は、その放浪先で椿を植えたとされ、薮椿が日本各地にあるのはこのためとされています🎶 白よりも紅の椿の寂しさを知りて歎けば君もなげきぬ 与謝野晶子

No.252 キンセンカ 和名：金盞花 漢名：金盞花 キク科キンセンカ属 これも公園に咲いていた花です🎵 和名は、花が金色の盞(さかずき)の形に似ているから🎵 田宮虎彦の『花』の装丁に描かれている花です🎵 『花』は、第二次世界大戦中に花の栽培が禁止された中で、平和になったら必ず花が必要になるからと、花の種子を守った川名りんさんの話です🎵 私は花にまつわる話をここでも色々紹介してきましたが、この話が一番好きです💕💕 『かあちゃんには花をつくることをやめることは、どうしても出来ねえだ、 庄作さんのかよさんが死ぬ時に、かあちゃんにいいのこしたことがあるだ、 かよさんが、はまちゃんってかあちゃんをよんでよ、君浦の町で誰も花をつくらなくなるような時が来ても、はまちゃんだけは花をつくってくれるだなといっただ、 かあちゃんは君浦の畑を花でうずめてしまいてえと思って来ただ、かあちゃんは花なしには生きていけねえだ、 なるほど花は口で食べることは出来ねえだが、口で食べるものだけが食べものじゃねえだ、心で食べるものがなくなった時、心は生きていけねえだ、 心の生きていけねえ人間などもう人間ではねえだ、勇一、かあちゃんは口下手で思ってることの万分の一もおめえにいえねえだが〰️ 』 花は心が食べるもの💕心のビタミンです❤️ 金盞花淡路一国晴れにけり 阿波野青畝

No.245 スイセン(水仙) ヒガンバナ科スイセン属 その2 水仙は雪中四友の一つです🎵 水仙の名所の一つは、越前海岸🎵 その越前に伝わる水仙の物語を一つ🎶 平安末期の源平合戦の際、木曽義仲の兵が京に攻め上がるためこの地を通りかかったときに、手柄をあげたいと思った兄弟がいた🎵 二人で行くわけにはいかなかったので、兄だけが父とともに軍勢に加わり、弟は留守を守っていました🎵 ある時、弟が浜を散歩していると、波間に溺れている娘を見つけ助けてみると、美しい娘でした🎵 やがて、戦いで負傷した兄が帰ってきますが、二人はその娘をめぐって争うことになります🎵 その年の冬、兄弟は荒れ狂う海岸で対決します🎵 その二人の姿を見た娘は、「二人の仲を悪くしたのは私のせいです」といいのこし、荒波に身を投じます🎵 不思議にもそこはかつて娘が助けられた海岸でした🎵 翌年の春、その海岸に見たことのない美しい花が流れ着き、村人たちは娘の化身だろうと噂し、その可憐な花を丘の上に植えました🎵 白鳥が生みたるもののここちして朝夕めづる水仙の花 与謝野晶子

No.228 ナンテン(南天) メギ科ナンテン属 その3 平成最後の大晦日は、縁起物をふたつ🎵 ふたつ目は、「難を転ずる」ナンテンです💕 こちらもまだヒヨドリには見付かっていないようです🎵 「平成」は、6つある地震の活動期🐶「貞観」、「慶長」、「元禄」、「安政」、「大正・昭和」と、大体25年くらい続く活動期です🐗 平成は、災害が多かったので、昔なら改元が3回くらいあってもふしぎではなかったかも🦆 📚️📖📚️📖📚️📖📚️📖📚️📖 これから南天に見える星に、「カノープス」があります🌟 カノープスは、りゅうこつ座の一等星で、本来はシリウスに次ぐ明るさですが、高度が低いので赤くみえ、あまり明るくは見えません🌟 福島で地平線すれすれ、沖縄でも高度は10度くらいです🎵 古代中国では「南極老人星」といい、見えると縁起がいいとされます💕 昌泰4年(901年)にこの星がみえたので、醍醐天皇は縁起がいいということで、年号を「延喜」と改元しました🌟 カノープスは、冬の大三角形のこいぬ座のプロキオンとオリオン座のベテルギウスを線で結んだ中心から、おおいぬ座のシリウスに線を引いたその先にあります✨ 平成の次の年号は何になるんでしょうかね🐗災害のない時代になって🌟いな🐗🐗 南天の實をこぼしたる目白かな 正岡子規

No.216 ビワ(枇杷) その3 バラ科ビワ属 ビワの葉🎼 枇杷の葉は、クチクラが厚く、柵状組織も5層くらいあります🎵 冬の日光を逃さず、光合成をするんだろうね☺️ この葉の形から、「枇杷」とも名付けられていますが、実はいいとして、葉は似てるかなぁ😅 能「玄象(げんじょう)」のツレ(脇役のこと)は、藤原師長です🎵 師長は琵琶の名手で、愛用の琵琶の名前は「白菊」です💕 治承3年の平清盛のクーデターで、師長は尾張国に流罪となります🎓 琵琶を奏でながら過ごす村での生活の中で、やがて村長の娘と恋仲になるのですか、やがて許されて都に帰るときに、形見に琵琶の白菊を渡して帰りますが、娘は悲しみのあまり入水してしまいます🦗 その地が、「枇杷島」の地名の語源となっています🎵 昔は「白菊町」という地名もあったそうですが、町名変更で由緒ある名がなくなっていくのは、悲しいことです😢 「ネジバナ」で紹介した源融にも村長の娘との悲恋物語がありますが、それは来年ネジバナが咲く頃に紹介しますね🙏 思ふこと更に成らず枇杷の樹の落葉の春に逢はくさびしも 長塚節

No.98 オミナエシ(女郎花) スイカズラ科オミナエシ属 その3 オミナエシとヤマトシジミです💓 平城天皇の時、小野頼風という男が、男山に住んでいました🎵 深く契った女があったが、頼風につれなくされて八幡の放生川に身を投げました🥴 男は女の思い違いを悲しみ、屍を引き上げて男山の麓に埋葬しました☺️ その女の衣が朽ちたあとに咲いたのが、女郎花だといわれています🎵 花は頼風を恨んで、頼風が近付くと、反対側に靡いたと伝えられています😅 能の一つに「女郎花(おみなめし)」があり、紀貫之の仮名序の注釈書である「三流抄」に記されたこの女郎花の説話がもとになっています🍒 女郎花憂しと見つつぞゆきすぐる男山にし立てりと思へば 僧正遍照 古今和歌集 巻 4-227

No.79 オトギリソウ 和名:弟切草 別名：薬師草 オトギリソウ科オトギリソウ属 その1 集散花序の黄色の5弁花です🎵 花びらや咢片には黒い点や黒い線があり、これは和名の「弟切草」にあるとおり、兄が弟を切り殺した平安時代の伝説によるものです🎵 鷹匠の兄は、狩で傷ついた鷹を治す薬草を知っていましたが、誰にも教えませんでした🎵 ある時、兄は弟がその薬草の名前を教えてしまったことを知ります🎵 兄は怒って、弟を惨殺してしまいます😠 その時弟の血は、花や葉に飛び散りました🐞 花や葉にあるこの黒点は、弟の血しぶきが飛んでのこったものといわれています😟 うたかたの哀と見るや薬師草 湖山