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被爆樹木の一覧

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被爆樹木その13 「イチョウ」(広島市中区寺町 報専坊境内) 移植なし 被爆樹木をテーマにしたテレビ番組 直近では "Dearにっぽん 「被爆樹木と生きる」" が放送されました 樹木医の目で被爆樹木を追ったドキュメンタリーです ここに投稿した被爆樹木シリーズその1,3,5のクスノキ, イチョウ, ヤブツバキの木々が番組でも取り上げられていました 5月30日早朝に再放送予定です さて広島市中区寺町は広島城築城当時 多くのお寺がこの地に強制移転されており 城下発展の狙いがあったといわれています(Wikipedia) この寺町には3ヵ所のお寺に3本の被爆樹木が登録されています 今回は報専坊のイチョウの木を訪問しました 「報専坊の正面玄関前には爆心地から1120mで被爆したイチョウがあります 幹の爆心地方向(向かってやや左より)には被爆による傷痕があり その方向に僅かに傾いています 1994年に新しい本堂を建立するにあたり このイチョウを残したいという思いから 木を包み込むような階段が作られました  階段にはイチョウのための通気口が設けられています 毎年 小ぶりな銀杏をたくさん実らせます」(広島市公式ホームページ) 原爆により幹に大きな裂け目ができましたが 大切に育てられ 現在も生き生きと育っています!! このイチョウは 被爆で全壊してしまった本堂を火災から守ったと伝えられています!
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被爆樹木その10 エノキ2本 クロガネモチ5本 カキ1本 センダン1本 ムクノキ2本 「爆心地から530m離れた白神社前の平和大通り緑地帯は 国泰寺の境内にあたる場所で 被爆当時は多くの樹木がありました ほとんどの樹は地上部が焼けましたが その後再生して現在12本の被爆樹木が残されています」(広島市公式ホームページより) 平和大通りは広島市中心部を東西に横断する約4kmの通りです 平和への願いを込めて贈られた樹木が生い茂り 市内中心にある植物園ともいえます 毎年5月3日から5日に催される平和の祭典ひろしまフラワーフェスティバルの会場にもなっています ①エノキ2本 このエノキは伝承によると直径2mもある巨木でしたが 原子爆弾の熱線により地上部が焼けたため切り倒されました その後切り株の2ヶ所から芽を吹き返し それらが成長した結果このような2本のエノキになったとされています しかし これら2本は生理的な性質が少し異なるなどが、わかってきて遺伝的背景が研究者により調査されています(広島市ホームページ) ②クロガネモチ5本 被爆樹木のクロガネモチはぜんぶで12本 その内5本がこの場所で生育しています いずれも焼け残った根元から新芽が生え成長しました ③カキ1本 被爆樹木の中で生き残ったのはこの木だけです ④センダン1本 被爆樹木の中で生き残ったのはこの木だけです ⑤ムクノキ 3本→2本 残念なことに一本のムクノキは枯れてしまい平成4年5月に登録から抹消されました 被爆樹木ムクノキはぜんぶで4本 その内2本がこの場所で育っています ****** この場所は爆心地から530mと近く  爆発と同時に爆心地周辺の地表面の温度は摂氏3000~4000度にも達しました そのため 11本のいずれも地上部は焼失しました その後焼け残った根元から新芽が生え成長しています これらの被爆樹木は傷痕もなく伸びやかに成長しているようにもみえます 緑地帯の多くの木々に囲まれ 平和な広島 平和な日本を謳歌しているようにもみえます
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被爆樹木その7 クスノキとエノキ(広島市中区吉島稲荷神社境内) 2024.3.25訪問 広島市公式被爆樹木リストによると 爆心地から半径2km以内の58ヵ所において31種160本の被爆樹木がリストアップされています(なおこの内一本は樹木でなく多年草です) 吉島稲荷神社には 爆心地から2160mで被爆した5本の樹木があります ヤブツバキとクロマツの幹の傾きの理由については前回述べました 被爆した樹木の胸の痛くなる姿です さて吉島稲荷神社のクスノキとエノキは ヤブツバキとクロマツの立つ石造りの鳥居の横を通り さらに境内を奥に進んでいくと立っています 手前のクスノキは幹の周囲300m 樹高20.5m 堂々とした姿です 幹にかけられた被爆樹木のプレートが小さく見えます エノキは幹の周囲210m 樹高mとやや小ぶりです エノキは直立した幹に 枝分かれが多く 枝を大きく広げ円蓋形の樹形になるといいます しかし このエノキは枝振りが悪いように思われました それは被爆の影響なのか 他の要因なのかわかりません 一方で板状に発達した根張りは エノキの風格を現しています また同じ敷地内にエノキの幼木が育っています との被爆樹木の二世でしょうか 無事な成長を祈ります この2本の木は 同じ境内に立つクロマツとヤブツバキほどには異形成を示さず 支柱も必要なく 直立して成長しているのはほっとすることでした 広島市公式ホームページには「被爆当時 吉島稲荷神社の社務所はこれら境内の樹木に守られたため 倒壊を免れ ここで被爆によって焼け出された人々の治療が行われました」と記されています 吉島稲荷神社の被爆樹木たちは 当時何を見たのでしょうか 木々がもしも声を発するとしたら 現代に住む私たちに何と発するでしょうか
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被爆樹木その6 クロマツ (広島市中区吉島稲荷神社境内) 2024.3.25訪問 広島市公式被爆樹木リストによると 爆心地から半径2km以内の58ヵ所において31種160本の被爆樹木がリストアップされています(なおこの内一本は多年草です) 吉島稲荷神社境内には爆心地から2160mで被爆した5本の樹木があります(ヤブツバキ クロマツ2本 クスノキ エノキ) ここではクロマツと前述のヤブツバキについて述べます クロマツとヤブツバキは吉島稲荷神社の鳥居の根元にに並んで立ち いずれも北の方向に大きく幹が傾斜しています 実は被爆樹木の幹が傾いていることは以前から気づかれており 2013年筑波大学と広島の樹木医により調査が行われています 被爆の影響を評価するのに適当な 幹が一本で かつ被爆後移植されてない樹木(総計29本)について調べたところ 79%にあたる樹木が爆心地へ傾いていることが判明しました その理由として 爆心地側の幹は放射能や熱線を浴びるなどで細胞が傷つき 成長が鈍化 影響の少なかった反対側の成長とのずれが累積し 徐々に曲がったと推測しています(ランドスケープ研究 77(5) 2014より) 一方 幹の傾斜について別の考察もなされています 原子爆弾の爆発の瞬間 爆発点では数十万気圧という超高圧となり まわりの空気が急激に膨張して衝撃波が発生し 強烈な爆風が吹き抜けました 衝撃波の圧力は爆心地から500mの所では1㎡あたり11トンに達したと考えられています 爆風がおさまると 中心部の空気が希薄になり 周辺部から爆発点に向かって猛烈な吹き戻しがありました(広島市公式ホームページ 爆風による被害より) そのため樹木は爆心地と反対方向にいったん強く倒され(あるいは折れ) 引き続く吹き戻しにより 今度は爆心地方向に大きく引き戻され傾いた というのです(「UNITAR 被爆樹木に出会う」に関連する記述あり) 話を戻すと このクロマツとヤブツバキは そろって北方向 すなわち爆心地に向かい傾いています 上記の調査結果などを勘案すると 2つの木は被爆時および被爆後の障害が累積し 爆心地に向かい傾斜していった可能性があるでしょう 吉島稲荷神社境内のクロマツとヤブツバキ 被爆80年を向かえようとする今も そろって爆心地に向かって傾き まさに被爆樹木の声ならぬ声を発していると思われました
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被爆樹木その3 イチョウ(広島市東区安楽寺境内) 広島市公式被爆樹木リストによると 爆心地から半径2km以内の58ヵ所において31種160本の被爆樹木がリストアップされています(この内一本は多年草) なお前回2024.3.26の被爆樹木の 投稿の後 樹木の一本が枯死したとの悲しい知らせがありました そのため58ヵ所(59ヵ所から)31種160本(161本か)に訂正しています 今回訪れた安楽寺境内のイチョウの木は 広島市公式ホームページによると 「爆心地から2160mで被爆しました 原爆により幹を残して焼失してしまいましたが 翌年 新芽が芽吹き 周囲の人々の勇気の源となりました 寺は山門の屋根をくり抜いて 木の成長を守っています 幹の上部はイチョウとしては珍しく枝分かれし 被爆した幹の爆心地方向には傷痕があります」と記述されています 2024.3.20に投稿の被爆樹木クスノキでも記載したように 被爆への影響度は樹木によって異なり イチョウは強い抵抗力·再生力を示すとされます この木にもその力が宿っていたのかもしれません ここ安楽寺は "被爆樹木めぐり"のコースになっており 特に紅葉の時期に見せるこの大きなイチョウの木の 荘厳な美しさは目を見張るものがあります この世で 最も厳しい環境を生き抜いた尊い生命の姿として 多くの方々に平和の大切さを訴え続けています 参照資料 被爆樹木リストー広島市公式ホームページ NHK広島放送局 コネクト「被爆樹木と生きる」
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被爆樹木その1 「クスノキ」(広島市南区比治山公園) 広島市公式被爆樹木リストによると 爆心地から半径2km以内の60ヵ所に 31種161本の被爆樹木がリストアップされています その中の一本が この「クスノキ」です 被爆樹木であるからどんな異形成を示すかと前もって心構えを作って訪れましたが 周囲の木々と一見大差はないように思われ 被爆(爆風 熱線 放射線)の影響をどのように内部に潜めるのか うかがい知ることはできませんでした(なおプレートには 爆心地側の幹の表面に被爆の影響がみられるとの記述があります) 被爆の影響度は樹木の種類により異なることが記載されています 針葉樹は一般的に抵抗力が弱く 特にアカマツの抵抗力は最も弱いこと 一方でイチョウは特に抵抗力および再生力があること 広葉樹ではクスノキ ヤナギにおいて再生力が著しいことが報告されています ちなみに161本の被爆樹木のうち58本はクスノキであり 生き残った樹木のうち三本に一本はクスノキであったことは驚く数字に思えます そうした生命力の強さを この比治山公園の「クスノキ」は物語っているのかもしれません 参照資料 ·広島市公式ホームページ「被爆樹木リスト」 ·「広島の被爆樹木について-平成13年度日本樹木医会広島大会で報告-」堀口力
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