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果物の花の一覧

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醜男
枇杷(ビワ) バラ科ビワ属の常緑高木。古い時代に中国から渡来したと考えられるが、日本の南西暖地に原産したとする説もある。果樹や庭木にするほか野生化もしている。果実を食べ終わって捨てた種からでも簡単に発芽するため野生化していることも多い。葉は濃い深緑色で大きく、細めの倒卵形で、厚みと凸凹があって堅く、裏は褐色の毛にびっしり覆われる。花期は11~2月。防寒のため蕾や花柄に細かい綿毛が生える。昆虫たちを呼ぶので香りがあり、ミツバチの蜜源植物としても有用である。果実は6月に熟す。淡橙黄色の果肉は多汁で甘く香りがよい。人間だけでなくヒヨドリやオナガなどの野鳥もよく食べる。 葉は健康茶や入浴剤、漢方薬にも使われる。枇杷の種子には青酸配糖体のアミグダリンがあり、葉にも微量ながら含まれる。アミグダリンには鎮咳作用がある。葉を煎じたものは枇杷葉湯として古来清涼飲料とされた。清涼飲料的な効果は、アミグダリンの分解で生じたベンズアルデヒドによるもの。枇杷は薬王樹といって薬にするために昔は寺に植えられていた。屋敷の内に枇杷を植えると病人が絶えないという俗説があって植えることを嫌うが、全くの迷信である。 日本での枇杷の栽培は古い書物にも記載されているが、果実は小さく食用としての利用価値は低かった。本格的な利用は、江戸時代末期に中国から長崎に入ってきた唐びわの種子をもとに育成されてからで、明治時代に入り日本初の経済品種『茂木びわ』が長崎県茂木町で盛んに栽培されるようになってからとされる。茂木びわの果実は甘味が強いが寒さに弱いため長崎、鹿児島に多い。茂木びわに並ぶ主要品種の『田中びわ』はやや大粒で酸味があり、寒さに強く千葉県に多い。田中びわは、江戸~明治時代の植物学者田中芳男が長崎の枇杷に感激し、1879年に種を東京本郷の自宅に持ち帰って庭に植え発芽させ、改良を加えたものである。 枇杷の名前は、奈良時代に大陸から渡来した楽器『琵琶』に果実または葉が似ていることに由来するという説がある。 出典『くだものの知識』『野菜と果物の品目ガイド』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『樹木の名前』『世界大百科事典』『身近な樹木図鑑』『薬草の呟き』
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醜男
金柑(キンカン) ミカン科キンカン属の常緑低木。中国原産との説があるが、マレー半島からインドシナ地域が原産地で、古くに中国南部に伝わり、日本には1826年(江戸時代末期)に渡来したといわれる。中国の船が日本近海で難破し、静岡県の清水港に寄港した折、船員からもたらされた種が撒かれたことから日本での栽培が始まったといわれる。花期は6〜8月。葉腋に白い花を1〜3個つける。花弁と萼片はそれぞれ5枚。刺は短いが鋭い。果実は冬に黄色く熟す。着色すると美しいので、盆栽仕立てにして鑑賞用にもなる。 キンカンは他の柑橘類と違って外皮を食べる。皮の部分に独特の甘みとわずかな苦味があるのが特徴。古くから咳止めなどの民間薬として親しまれてきた。生食のほか、砂糖漬けやマーマレードにも利用される。風邪をひいたときはキンカン酒を飲んで休むとよいといわれる。キンカンには波寧(ニンポウ)、長実(ナガミ)、丸実(マルミ)などの品種があり、波寧は日本で一番多く栽培される。果実が大きめで甘いのが特徴で、中でも宮崎県の地域ブランド『たまたま』は、皮が柔らかいので生のまま皮ごと丸かじりできる。その他、近年は種なし金柑の育成が進み、『ぷちまる』『宮崎夢丸』なとが誕生した。 名前は、果実が鮮やかな金色に見える柑橘類であることに由来する。他の説として、キンカンは中国語では『金橘』と書き、日本人は『きんきつ』と読んだ。橘は日本の野生のミカンであることから、『金橘とミカン』からキンカンになった。また、キンカンは『○ん○ん』と『ん(運)』が2つつくので運がつく縁起の良い果物とされる。つるつるとした丸い果実から、日本人は江戸時代より禿頭をキンカン、キンカン頭などと呼ぶ。 出典『フルーツひとつばなし』『食材図典』『図説 果物の大図鑑』『樹木の名前』
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醜男
温州蜜柑(ウンシュウミカン) ミカン科ミカン属の常緑低木。成木は樹高3~4m。花期は5月。白色の5弁花を単生する。 日本の歴史にみかんが登場したのはおよそ1200年前、『古事記』や『日本書紀』にみかんの木の原形とされる橘(タチバナ)が紹介されている。古来日本に野生していた柑橘はこの橘だけであり、したがって、現在我々が擁する多数の品種は外国からの導入品種か、あるいはこれらの自然交雑によって生じたものである。温州みかん、紀州みかん、柑子(コウジ)、ポンカン、九年母(クネンボ)などがあり、現在、一般にみかんといえば『温州みかん』を指す。温州みかんは、江戸時代初期に鹿児島県出水郡長島地方で生まれたと推定されている。この地域は古くから中国と交流があり、400~500年前に中国の浙江省黄岩県からもたらされた槾橘、早橘、本地広橘、本地草などの種子から生じた偶発実生であろうといわれている『種なし』みかん。中国の柑橘の名産地『温州』から名前をとったが、正真正銘の日本生まれ。温州みかんが生まれた江戸時代は子供(種)がなければ家が途絶えるという『お家断絶』の時代で、『種なし』は忌み嫌われた。皮が剥きやすく種がないという食べやすさの魅力が理解され、その味わいが評価され人気が出るのは明治時代になってから。近年、海外でも人気が高まっており、『MIKAN』は国際共通語になりつつある。カナダやアメリカでは皮が剥きやすいので、TVを観ながら食べられるという意味で『TVフルーツ』『TVオレンジ』とも呼ばれる。 温州みかんの栽培は果樹農業振興政策もあり、1950年代後半から飛躍的に収穫量が増えた。ピークは1975年の約366万t。2019年は約75万tで減ってはいるものの、品種改良や栽培の工夫、突然変異による多くの枝変わり種が選抜され、甘くて食べやすいみかんが沢山作られている。9~10月 極早生、10~12月 早生、12~1月 中生、1~3月 晩生まで出荷が続く。さらに11月からビニールで被覆し、加温栽培したものは翌年の4~8月にかけてハウスみかんとして出荷される。天候に左右されずに好条件で育てるため、果皮が柔らかく甘味が濃厚。このように、温州みかんは一年中手にすることができる。現在は生食用ばかりでなく、生産量の約20%がジュースや缶詰めに利用されている。みかんの主な産地は和歌山県、静岡県、愛媛県、熊本県などで、ハウスみかんは佐賀県、愛知県、大分県、高知県など。 みかんにはビタミンCとカロテンが豊富に含まれる。ビタミンCは3個食べれば1日にとりたい量をクリア。カロテンはトマトの約2倍含む。ともに強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病予防に効果的。ともに粘膜や皮膚を強くするため風邪の予防にも。機能性成分であるβ-クリプトキサンチンも多く含み、肝臓機能を守る効果を持つことで注目されている。また、β-クリプトキサンチンはガンに対する作用、糖尿病に対する作用、骨粗しょう症予防に関する作用、痴呆に関する作用などの研究がされている。 みかんは、古くは中国名の柑子をコウジと音読みしていたが、この時代のみかんは後のみかんほど甘くなかったようだ。その後、蜜のように果汁が甘い品種が知られるようになり、それを『蜜柑(みっかん)』と呼んだが、促音が省略されてみかんとなった。 出典『食材図典』『フルーツひとつばなし』『図説 果物の大図鑑』『樹木の名前』『果樹園芸大百科 カンキツ』『世界大百科事典』『JAみっかび ホームページ』
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醜男
木通(アケビ) アケビ科アケビ属の落葉つる性木本。雑木林や林縁に生え、根本から多数のつるが出てほかの木に巻き付いて高く登る。5枚の小葉は掌状複葉。花期は4~5月。花に花弁はなく、花弁に見えるのは3枚の萼片。雌雄同株で、紅紫色の雌花が花序の基部に1~3個つく。雌花には蜜も花粉もないが、大きくて目立つので虫は騙されて誘い込まれる。雌花より小さな淡紫色の雄花が花序の先に5~10個、下向きにつく。秋になると紫色に熟す果実は縦に裂ける。中の白い果肉は甘く、鳥獣に食べられ散布される。種子は黒色、エライオソームがついていて蟻が運ぶ。アケビ類は籠編み材、薬用、食用に古くから現代に至るまで親しまれている。果実の皮を油で炒めて食べる地方がある。また、春先に若葉や若枝を木の芽と呼んで浸し物、胡麻和えなどにして食べる。種子からアケビ油が採れ、ドレッシングに。 果実が熟すとぱっくり開くので『開け実』が語源。果実の色に由来する『朱実(あけみ)』との説もある。木通はつるを切って息を吹きかけると空気が通ることからついた。 アケビと近縁種の違い アケビ ・小葉は5枚で全縁(ギザギザなし) ・花色は薄紫色 ・果実は細くて小さく果皮は薄い ・果実は熟すと裂開する 三葉木通(ミツバアケビ) ・小葉は3枚で波形の鋸歯(ゆるいギザギザあり) ・花色は濃暗紫色 ・果実は大きく果皮は厚い ・果実は熟すと裂開する 五葉木通(ゴヨウアケビ) ・アケビとミツバアケビの自然雑種 ・小葉は3~5枚で波形の鋸歯(全縁もあり) ・花色は暗赤紫色 郁子(ムベ) ・小葉は3~7枚で全縁(尖った葉が基本) ・花色は淡黄白色 ・果実は小さい ・果実は熟しても裂開しない 出典『樹木の事典600種』『里山の花木 ハンドブック』『里山のつる性植物』『薬草の呟き』
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