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良し、行くぞう
2022年3月に「スーッとするニオイ、想像がムズイ説」を唱えた、うちのトンガリ担当ブラサボラ・ノドサがおかげさまをもちまして咲いた。 厳密に言うと咲いたのは秋の終わり冬の始まり頃、そして1月の終わりに花は幕を閉じたのだが、約2ヶ月、「スーッとするニオイ」を楽しませてもらった。 みどりのまとめにも書いたのだが、自分の裸ばかりインスタに投稿する海外のチェロ奏者が書いていたようにスパイスも感じる香り。 そして生産者さんのおっしゃるとおり、嗅ぐと鼻の奥でスーッとする香りでもあった。 個人的にはジンジャーとバニラの合わさった、スパイシーだがどこか甘い香りだと感じたのだが、何かどこかで嗅いだような…と思い、記憶を辿った結果、葬儀の花を見慣れていた自分の答えはズバリ「カトレアの香り」であった。 さすがカトレアの近縁。葬儀に使うカトレアとは大きさも色も違うが、 「あたしゃカトレアの近縁だよ!」 と香りを使って外堀から攻めてきた。 今回の花は側花弁というパーツが一個足りないという、少々残念な姿になった。 根詰まりか。水か栄養か。 わからないが、できることを試しながら再び花に会えるよう試行錯誤を誓う。 家人が葉の先端の些細な黒変に神経質なほど敏感で、夏に生えかけの新しい葉を「切った方がいい」と言うもんだから、半信半疑だったが切った。 そのあとに別の新しい葉から咲いたのがこの花である。 切ったのは正しかったのか。 他の葉も先端は少し黒いが、その葉が花を咲かせたのだ。 心配だからもう一度言わせてくれ。 切ったのは正しかったのか。 花は咲いたのにモヤモヤするのは、切らなければ花がもう一輪楽しめた気がするのと自分の決断ではなかったからだ。 「ごらんよ、花が咲いたよ」と自分が言ったら、「ちょっと待って」と言い残し、いそいそと黒い段ボールを組み立てて、図鑑のような黒い背景の写真が撮れる簡易スタジオを作ってくれたのもまた家人であるがゆえ、かいがいしさを思うと「切らない方が良かったっぽくないか」と言えないでいる。 夫婦間における気持ちの伝え方も、蘭の管理方法も、まだまだ勉強が必要だ。 スーッとする花一輪で夫婦間の責任の持ち方まで考えさせる存在感があるのだから、やはり蘭はすごいよなぁ。
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