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ブナ林の一覧

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ぷっしぃ
そして今回一番感動したのは何と言ってもコイツですね。 水草の茂る水路で見つけた、水生昆虫のタガメです。 20年ぶりくらいですかね、ホント久々に見ました。 国内最大の水生昆虫で、体長70mmにも達する肉食性の巨大な水生カメムシです。 カメムシって言うと皆さんあのパクチーみたいなクサイ虫を想像するでしょうけど、コイツはそーゆーのとはちょっと毛色が違うんですよね。 肉食性なので他の生き物を食べて生活し、カメムシ特有のあのパクチーのような強烈なニオイもありません。 まぁとにかく非常に獰猛な性格をしておりまして、鎌のように発達した前脚を使ってカエルやオタマジャクシ、ドジョウ、イモリ、あとときにはサワガニやマムシなんかも捕食してしまう水中のハンターですね。 食べると言っても咀嚼するのではなく体外消化して「吸い取る」といった感じで、獲物を捕らえると針のような口を獲物の体に突き刺して消化液と麻酔を注入し、獲物の動きを完全に封じた上で肉を溶かして吸い取ってしまいます。 性格もメシの食い方もとにかく残忍そのものといった感じで、実際にカエルとかを食べてるのを見ると怖すぎて若干引いてしまいますからね。 そして全ての肉と臓器を吸い取られた獲物は最終的には骨と皮だけの無残な姿になり、まるでボロ雑巾のように無造作に捨てられるというわけです。 日本の昆虫の中ではオオクワガタと並んで最強と謳われる実力者ですが水質の汚染や環境の悪化には非常に弱く、特に農薬の使用による水質の悪化により絶滅寸前の状態にまで追い込まれているんですよね。 かつては日本中の田んぼや池で見られたそうですが1950年代頃から急速に個体数を減らし、現在ではその姿を見ることはほとんど出来ないくらい希少な昆虫になってしまいました。 有機農法の田んぼだとしても過去に一度でも農薬が使用された場所では復活は難しく、故にいくら環境が改善されて様々な生物が戻って来てもタガメだけは戻って来ない、というケースも多いです。 僕は宮城県内で過去で二箇所の生息地を確認していたのですがどちらの生息地でも農薬が使用されてしまい、その後20年くらい一度も見たことが無かったんですよね。 もう宮城県内では絶滅してしまったのかと半ば諦めていたのですが、今回別の場所で久しぶりに生息を確認できて非常に嬉しく思っております。 しかし今回見付けた生息地では近くの溜池からウシガエルの声がしていたので、もはやタガメが居なくなるのも時間の問題かなって気はしてるんですけどね… 農薬の使用だけでなくウシガエルやアメリカザリガニ、ブラックバスなどが繁殖してしまうとほぼ100%タガメは生きていけなくなりますから、残念ながらこの生息地も持ってあと数年ってとこだと思います。 ちなみに写真の個体はまだ幼虫で、たぶん9月に入ったら羽化して成虫になるでしょうね。 まぁウシガエルに食べられなければですが… サイズ的にオスの幼虫だと思われますが、9月に入ったらメスの成虫を見にもう一度訪れてみようと思います。
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ぷっしぃ
日本最高峰の美虫、ヤマトタマムシ。の死骸。 まぁいわゆるタマムシですね。全身が虹色に輝くタマムシの中のタマムシです。 その美しい体色は古来より人々に愛されており、装飾品などにも使われちゃったりしてるもはや宝石的な感じの虫ですね。 法隆寺の国宝「玉虫厨子」にはこのタマムシの羽根が1万枚以上使われていたらしく、つーか昔ってどんだけタマムシ居たんだよって感じです。 成虫は主にエノキの木に集結し、エノキの葉を食べてエノキの朽木に産卵するというエノキ大好き昆虫と言えますね。 まぁエノキだけじゃなくサクラとかクヌギにも産卵するようですがあくまでもメインはエノキって感じです。 成虫はエノキの木のてっぺん近くを常に飛び回っているためなかなか間近で見ることが出来ず、個体数のわりに出会うのが難しい昆虫だと思いますね。 特にオスは飛翔性が高いため木の下に降りてくることはほとんど無く、メスも産卵のとき以外は樹上にいることが多いです。 とまぁこのようになかなか生きている姿を見るのが難しい虫ですが死骸はちょいちょい見掛けるので、個体数自体はたぶんそんなに少なくないんじゃないかなーと思いますね。 ルリボシカミキリと違いタマムシの体色は死んでも色褪せることがなく、分解されて土に還るまでずっと美しいということになるわけです。 何年経っても美しさを保ち続けるため、まさに永遠の美の象徴といった感じのやつですよね。 まぁ1000年以上前に作られた玉虫厨子はさすがにちょっと色褪せてるみたいですけど。 まぁそういった意味に於いても、タマムシの美しさはほかの昆虫と比べてもワンランク上の次元のものと言っても過言ではないのかもしれません。
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ぷっしぃ
ヤナギの幹に刻み込まれたシロスジカミキリの産卵痕。 広葉樹の幹にまるでマシンガンで撃たれたかのような横一列の傷があれば、それはシロスジカミキリによるものである可能性が高いですね。 樹皮を齧って浅い穴を掘りその中に卵を産み付けながら横向きに進んでいくためこのような傷ができます。 しばらくするとこの傷から樹液が染み出すため、多くの昆虫がこれによって餌にあり付けているというわけですね。 このようにシロスジカミキリは生きた樹木にダメージを与えるため何かと毛嫌いされがちですが見境なく木を齧って回るわけでもなく、同じ樹種でもまったく齧られてない木もあれば集中的に齧られている木もあるため恐らく何らかの好き嫌いがあるものと思われます。 個人的な感想ですが太く健康な木にはあまり手を付けず、樹形が悪くて弱っているような木に集中攻撃を仕掛けているように見えるんですよね。 まぁ弱っていると言うのもシロスジカミキリのせいで弱っている可能性もあるのですが、結果的には勢いの弱い木を早々に枯らすことで間引きのようなことになってるんじゃないかなー、と。 例えば森全体を巨大な畑だと考えると、病気の株や生育不良の株を間引いてくれるカミキリムシというのはやはり無くてはならない存在だと思うんですよね。 顔が怖いから悪いヤツに見えるかもしれないけど、まぁ見た目はさて置き自然環境にとっては相当良いことをしてるヤツなんじゃないかなーと思います。
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ぷっしぃ
ブナ林シリーズ番外編、森とか麓の村とかの昆虫シリーズです。はい、パチパチパチ〜 というわけで今回は昆虫メインでやらせて貰おうと思います。 何でかって言うとせっかく2時間も掛けてブナの森に行ったのに花があんまり咲いてなかったから… でも手ぶらで帰るのは勿体無いし、もうしょーがないからこんな感じで行きますよってことでですね。 花には出会わなかったけど昆虫にはいっぱい出会ったので、今回はこのネタで行かせて頂こうと思います。 ※虫注意です。苦手な人は見ないでくだちい。 ヤナギの細枝で休憩中のミヤマクワガタ。 山地ではわりとよく見掛ける種類ですね。 体長80mm近くにもなる大型種で、比較的涼しい環境を好む山地性のクワガタです。 細身な体に発達した頭部を持つサイケデリックなデザインで、個人的に日本のクワガタの中では一番カッコイイと思っているヤツですね。 特徴は全身に生えた微毛とトサカのような頭の冠で、恐竜で例えるとディロフォサウルスみたいな感じでしょうか。 ちなみにディロフォサウルスっていうのはジュラシックパークで毒を飛ばしてデブを喰い殺したエリマキトカゲみたいなヤツです。 まぁ実際にはエリマキとか毒とかは無かったみたいなんですけどね、えぇ。 ミヤマクワガタは生息環境により形態を変化させる面白いクワガタでして、大まかに言うとフジ型、サト型、エゾ型という3つの形態に分けられます。 一般的に最もよく目にするのがサト型(基本型)で、寒い地域ではエゾ型に、暖かい地域ではサト型になるみたいですね。 これは遺伝的な個体差ではなく生息環境による形態変化で、例えばエゾ型からサト型が生まれることもあればサト型からフジ型が生まれることもあります。 このような性質は国産のクワガタでは珍しく、生息環境により自らの姿を変化させるフレキシブルな一面のある種類だと言えますね。 外国産のクワガタとしてはニジイロクワガタやアルキデスオオヒラタなどに同じような現象が見られますが、何故このようなことが起きるのか詳しいことは分かりません。 ミヤマクワガタは元々低温を好むため他のクワガタよりも一足早く活動し、大体6月中旬には成虫が出現します。 ただし寿命が短いので、9月にはほとんど見られなくなっちゃうんですけどね。 他のクワガタやカブトムシなど、ライバルとなる大型の甲虫類が活動する前に繁殖を済ませてしまおうという作戦だと思います。 クワガタに限らず昆虫の数が年々少なくなってる気がするのですが、しかし今年はいつになくクワガタの発生が少なくてちょっと寂しいですね。 大型のクワガタは卵から成虫になるまで3年ほど掛かるので、恐らく3年前の天候が関係してるんじゃないかなーと。 降雨量が少ないと産卵数や幼虫の生存率が極端に落ちるため、たぶんそのへんの気候条件が時間差で表れてるのかなと推測しております。 でも今年は降雨量が多かったので、3年後にはクワガタの当たり年が来るんじゃないかなーと期待してるんですよね。 残念ながら今年は70mm級の大型個体には出会えなかったので、3年後の夏を楽しみにしながらその場を後にしました。
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