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醜男
胡麻(ゴマ) ゴマ科ゴマ属の一年草。原産地はインドともアフリカともいわれる。世界で広く栽培される。中国では胡の国から来たということであるが、日本には古い時代に中国から入ってきた。茎は四角形で高さ1m前後。葉は長さ約10㎝、長楕円形ないし披針形であるが、茎の下位の葉は広楕円形で3裂するものもある。葉茎は軟毛に覆われている。花期は7〜8月。茎の上部の葉腋に鐘状の花をつける。花は長さ2.5㎝で淡紫色、花冠の先は不等に5裂し、下唇3裂片は上唇2裂片よりやや長い。雄しべは4本で、そのうち2本が長い。果実は蒴果。種子は4〜8室に分かれた蒴果の中に、各室に9〜20粒入る。熟すと裂けて種子がこぼれ落ちるので、熟す前に刈り取って乾燥後、たたいて種子をとる。 胡麻は最も古くから利用されていた香辛料のひとつで、種子を利用する。種子の色により3品種に分けられる。白胡麻、黒胡麻、金胡麻があるが、中は全て白色。それぞれ特色がある。白胡麻には油の含有量が最も多く、江戸時代から胡麻油には白胡麻が使われていた。黒胡麻は特有の香りが強いので、胡麻和え、胡麻塩など料理に主に使われる。金胡麻は生産量が少なく高価であるため、一般にはあまり用いられない。カルシウム、リン、ビタミンEなどを豊富に含む強壮食品として利用されてきた。胡麻の脂肪油はリノール酸、パルミチン酸などからなり、脂肪油以外の成分としてセサミン、カルシウム、ナトリウムなどのミネラルが多いアルカリ性食品である。かつては日本でも広く栽培されていた。しかし、収穫に手間がかかることや、採算をとることが難しいことなどから、多くの農家が栽培をやめてしまった。店頭で見かける胡麻の99%以上は海外から輸入されているものである。主な輸入先はナイジェリア、ブルキナファソ、タンザニア、ミャンマー、パラグアイなど。 かつて中国では、西側(中央アジア。現在のイランあたりがその中心)の異民族を胡と呼んでいた。そのため、シルクロードを通じて西から伝わってきた文化の多くには『胡』の文字が使われていた。胡瓜(きゅうり)、胡桃(くるみ)、胡弓(こきゅう)、胡座(あぐら)など。胡麻もそのひとつ。胡から伝来したもので、種子が麻に似ていることが名前の由来。 出典『食材図典』『薬草の呟き』『日本大百科全書』『ごまのすべてがわかる本』
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