山茱萸。漢名の山茱萸はずいぶんむずかしい漢字のため、気むずかしいイメージがつきまとう。茱萸はグミを指し、秋に赤い実をつけることから、アキサンゴやヤマグミとも言われる。

早春のまぶしい黄花だけに、和名の春黄金花（はるこがねばな）のほうが似合う。とはいうものの、蘇軾の漢詩「春夜」にある「春宵一刻値千金」（春の夜はわずかなときでも千金の値打ちがあるほど素晴らしい）と詠われたのをうまく和名に仕立てたようだ。江戸中期の渡来と言われ、孔子、孟子の思想を好んで勉強していた当時の儒学者たちが命名したのかもしれない。

雪をかぶった甲斐駒岳を背景に眺めると一段と黄色が耀きを増す。春を待ちわびるこの辺りの家々ではよく庭木に使われている。それも植木職人が地域の心情を勘案しているのだろう。
あれこれ眺めながらの今日の散歩は、１万700歩だった。