匂立壷菫。タチツボスミレはどこにもある普通種だが、それと同じくらい散見できるのがこの種。タチツボスミレとの違いは、花色が濃い紫で、中心の白が際立っているところで見分けられる。葉っぱは卵型（タチツボスミレは、ハート型）。ニオイが名前に付いているので、地べたに鼻を寄せて嗅いでみたが、匂わなかった。無臭だったという報告もサイトには多いので、あまり当てにならないようだ。これは熊野古道の伏拝（ふしおがみ）王子の茶屋にある、和泉式部の歌碑あたりで見つけた。

せっかくなので、熊野古道について。
日本三大古道は、熊野古道、奥の細道、中山道。なかでも熊野古道は熊野詣でとして平安時代から多くの人を惹きつけてきた巡礼の道。当時の名残の神話などが色濃く残されている。ところが、いまやすれ違うのは、日本人より欧州系の外国人が多い。宿泊場所が限られており、一日に12時間も歩く行程があり、こんな山奥に森厳さを求めてくるとは驚きであった。