黄蓮華升麻。
「らんまん」では、劇中、田邊教授が新種発表したキレンゲショウマ。牧野万太郎も同時期に発見したものの、タッチの差で逃した。このエピソードは史実通りで東大の初代植物学教授の矢田部良吉の名が残り、惜しくも牧野富太郎ではない。

ぜひ一度見てみたいと思いつつ、紀伊半島、四国山地、九州山地が生息域になっているので、八ヶ岳山麓では見ることもないだろうとあきらめていた。

ところが、八ヶ岳南麓のカフェのお店の庭にキレンゲショウマとレンゲショウマが咲いていた。蕾は球形で豆電球のように見える。森林の奥深い薄暗いところで生息しているので、確かに灯りが点ったように感じる。黄色い花は肉厚で、平開せず、下向きに咲くところが奥ゆかしい。まばらな円錐花序となっている。

キレンゲショウマはアジサイ科キレンゲショウマ属。日本固有種の一属一種で、同属に近縁種がないのが価値ある。名前は似ているが、レンゲショウマはキンポウゲ科。

標高1000mほどの高原も今年は数百m標高が下がったような暑さ。どこから移植されたのかはわからないが、絶滅危惧II類だけに今後ものびのびと育ってほしい。