元々は、19世紀末のイギリスの実業家で蘭愛好家でもあったクックソン(Norman Charles Cookson)が、自分のコレクションの中に、変わった花を咲かせるデンドロビウムがあるのを見つけて、ドイツの植物学者のライヘンバッハ(Heinrich Gustav Reichenbach)へ送ってみたところ、「これはデンドロビウム ノビルの変種だね」って新変種記載されたのが始まりで、その時、クックソンに因んで命名された
デンドロビウム ノビル 変種 クックソニアナム Dendrobium nobile var. cooksonianum Rchb.f. (1885)
今年も咲いてるんだけど、今年の花は『つぼみかじり虫』に半分以上かじられて3輪しか残ってないので、昨年載せなかったこちらの方を採用。
デンドロビウム ノビル 'クックソニアナム'
Dendrobium nobile Lindl. (1830) 個体名 'Cooksonianum'
デンドロビウム ノビルの花弁(Petal)が唇弁(Lip)化した突然変異個体。一般に三蝶咲きとか、スリーリップス、トリラベロって言われるやつね。
元々は、19世紀末のイギリスの実業家で蘭愛好家でもあったクックソン(Norman Charles Cookson)が、自分のコレクションの中に、変わった花を咲かせるデンドロビウムがあるのを見つけて、ドイツの植物学者のライヘンバッハ(Heinrich Gustav Reichenbach)へ送ってみたところ、「これはデンドロビウム ノビルの変種だね」って新変種記載されたのが始まりで、その時、クックソンに因んで命名された
デンドロビウム ノビル 変種 クックソニアナム
Dendrobium nobile var. cooksonianum Rchb.f. (1885)
という学名が長く使われてきたんだけど、まあ、まだ種や変種の定義も確立してない、命名規約すら定まってない19世紀末、ちょっと変わった花が見つかると片っ端から名前がつけられていた時代に付けられた変種名で、現在の命名規約の定義に照らすと変種には当たらないねってことで、変種名は最近無効になった。
ただ、あまりにも有名かつ特徴的な個体だからかCooksonianumの名は個体名としてRHSに承認・登録されて残っている。
ちなみにだけど、亜種(subspecies)、変種(variety)、品種(forma)は野生植物を分類する際の分類階級で、交配や選抜によって人工的に作られた栽培種には使えないので。
よく、交配種のメリクロン変異で三蝶咲きが出たりするとvar. Trilabeloとかfma. Trilabeloみたいな名前を付けて売ってたりするけど、命名規約違反だから。『私は命名のルール知らないけど勝手に名前付けて売ってま~す』って無知を晒しながら商売してるようなものだから。