白根葵。別名、山芙蓉、春芙蓉とも。

普通、淡い紫色の花弁状が多いことから、これはシロバナシラネアオイと区別する。たおやかな白い花弁に見えるが、丸みを帯びた菱形の大きな萼片である。10cm近くあり、気品に圧倒される。

日本固有種の一属一種。山渓社の「野草の名前」によると、日本が世界に誇れる種だという。日光の白根山で初めて発見されたので、「シラネ」の名は付けられた。
ウキペディアは「タチアオイ」に似ていることから「シラネアオイ」になったとあるが、「野草の名前」は葉が「フユアオイ」にやや似ることからの命名と説が分かれている。徳川家の家紋「葵の紋章」を意識した「野草の名前」が正確であろう。

これを見かけたのは、標高1000mの森の中にある家の庭先にあった。まさか、だった。花の迫力に惹かれ、一瞬、目に留まった。本来は高山や深山の林床に育つ。
ところがいまは種子から育てた株が盛んに生産されているらしく、シロバナや斑入り葉も流通しているようだ。それほど人気が高いと言うことだろう。
黄金週間のご褒美に少女漫画の目になった。