合田草のほかに銀扇草、銀貨草、大判草とも。栽培種はルナリア。（長文）

今年もまた会えてうれしい花である。いままでは赤紫色の花だけの時には気がつかず、半透明のうちわ状に実が入っているのが目立ち、花も残っている状態で見かけていた。
合田草は、東京芸大の前身の東京美術学校の合田清教授がパリから種子を持ち帰ったところから名付けられている。

合田清は木版画家で、植物と縁がなさそうな人の名が付いているのは、珍しい。農学研究で渡仏し、版画を習い、夜間学校で絵画も習いながら、フランス語も習得。洋画家の黒田清輝などとも交流があった。

帰国後は黒田清輝の推薦により西洋画科で仏語を教えるなど才気煥発な人物だったようだ。

不思議な縁と言おうか、合田清の息子は蘭の研究家となって、国際園芸会長を務めたとあり、案外、植物にも詳しかったのかもしれない。
こういう合田清のプロフィールを調べると、合田草にはフランスの香りがする。
（実際、夜間には芳香があるらしいが、嗅いでいない。）