ピンク・ミューリーグラスとも。学名はミューレンベルギア・カピラリス。（長文）
八ヶ岳南麓のとある一軒家の庭に、なにしろ正体不明のピンク色のふわふわの植物があった。どう見ても外来種らしいが、名前に行き着くまで根気よく検索していたら、ミューリーグラスと判明した。原産地は北米南東部。ネットで鉢植えを販売もしている。

「ピンクの霧」や「綿菓子のような草」と書かれているサイトなどもあり、どれも言い得て妙である。触ってみたが、少しざらっとするのはイネ科だからだろう。9月から11月が開花期。草丈は90cmとあるが、見たかぎり1m以上になっている。多年生で耐寒性もある。

さらに調べていると、日本では「愛・地球博記念公園」の大広場芝生の一角に植えられていた。まだ十数株のようで知る人ぞ知る感じ。
中国の江蘇省南京市の公園では、「ピンクの海」のようになっていて、果てしもなく広がるパステル調の世界は幻想的。
韓国でも人気スポットになっていて、ソウル市のハヌル公園ほかいくつかあるようだ。夕焼けに染まるピンクミューリーは確かにインスタ向け。

ところがすでに韓国では、生態系を撹乱する恐れがあるということで、「生態系リスク級」植物に指定されている。人を呼べることから広大な敷地に次々に植えられていることも危惧されているようだ。

八ヶ岳の庭の「ピンクの綿菓子」はそれでもかなりボリュームがある。近くに野原が広がっているので、この一帯がピンクの海になるのを想像すると恐ろしい。
見てはいけないものを見てしまったのだろうか。