紅花苺。（8月12日）長文。
前日泊の栂池高原から八方尾根に移動。富山県と長野県の県境にある唐松岳（2696m）に八方池山荘（1850m）からピストンした。
往復7時間ほど掛かり、そこそこ苦しい初級者向け。八方池山荘まではロープウェイで行け、ここから絶景の八方池までが自然研究路。そこから先は登山届が必要。

この自然研究路は景観が素晴らしくよく、高山植物はとりわけ八方を冠したハッポウウスユキソウ、ハッポウワレモコウなどの固有種が咲き、研究路には347種が自生しているという。花の名前が書かれた小看板もあり、役立つ。

途中、扇雪渓で休憩したあと、見かけたのが、このベニバナイチゴ。高山でしか見られない種で、唯一赤い花をつけるイチゴの木（落葉低木）。三出複葉で互生し、棘はない。枝先に濃紅色の五弁花を一個下向きにつける。神秘的な色合いに引き込まれる。紅い集合果の実は食べられるが、渋く、まずいらしい。

花に目を奪われ、北アルプスの連峰に癒され、登山の苦しさを忘れる至福の時間であった。