˚✧₊⁎✨🍃ミヤコワスレ⭐︎都忘れ🍃💫˚✧₊⁎

『最後のお墓参り』　大豊町・女性・78歳

彼岸明けの日、母や長姉のお墓参りに行った。久しぶりのお墓には、長姉の娘がかわいい菊の花をさしていて、さわやかな風にゆらいでいた。

ご無沙汰をわびながら、3人の姉は都合がつかず、私が代表で来たことを伝えた。無言の会話は寂しいけれど、つもる話はいっぱいあって、しばらくお墓から離れることができなかった。

ふと、18年間生まれ育った生家へ寄ってみたくなった。誰も住んでいない家はあまりにもわびしく、誰も待ってくれる人もいない。ぬくもりも感じられず何ともいえない寂しさにとらわれる。この家のこのあたりで、お墓参りから帰る時、母や長姉が手を振ってくれた当時に思いをはせ、思わず〝泣き笑顔〟になる。

お墓参りは私にとってこれが最後かもしれない。5月半ばの免許返納の日が近づいている。車がなくなればもうお墓参りも無理だと思うと、なかなか生家から離れられなくて、刻々と時間が過ぎてゆく。

お墓をこの胸にしっかりと刻んできた。生家も同じように胸に刻んだ。やっと重い腰をあげ、車までほんのわずかな距離なのに、何度も振り返り、生家を後にした。

　　　　　　今日の高知新聞🗞【声ひろば】

⭐️ミヤコワスレ（都忘れ）の花言葉
『しばしの憩い』『しばしの慰め』
『しばしの別れ』『また会う日まで』

🍃ミヤコワスレは〝あるがままの自分を愛したら〟…と静かに語りかけるように咲いています♪