ハマギクは、私にとって特別な花。
まだ暑さが残っていた１０月初旬に突然旅立った父に、
最後にたむけた花でした。

父が遺した一鉢のハマギク。
今年の冬、植えたままの花が枯れてしまうのではないかと心配になり、植え替えを決意したものの、自信がない。
父の苗床に、小さなハマギクの苗を２つ見つけました。

まだ寒さが残る２月の終わりに、苗を鉢植えに。
暖かな春の陽気に助けられ、無事に根づいてくれました。

子どもの苗が育つのを確認した４月、
親株を植え替え。
傷んでいた部分を取り除き、小さくなった姿に、
これで良かったのかなと、水やりをしながら自問自答。
少しずつ元気を取り戻し、親株の貫禄を見せ始めた時は、ほっと胸を撫でおろしました。

５月。
驚くべきことに、子株に蕾がつきました。
ハマギクの花期は、９月から１１月。
陽気のせいなのか、植え付けた時期によるものなのかは分からなかったけど、とにかく嬉しい。

花が開いたのは、６月の終わりのことでした。
ほどけるように開いたものの、完全に開ききることができない。
咲き始めだからと思い、沢山付いた蕾に期待しましたが、それから蕾は固く閉じたままで、開くことはありませんでした。

日照り続きだった先週末。
季節はずれの蕾を開くことができない姿が痛々しくて、
株が弱るのが心配になり、すべての蕾を切り落とすことに。
ごめんなさい。
咲かせてあげられませんでした。

大雨が降り続くことになったお盆。
一年ぶりに帰ってきた父は、
庭を眺めてどう思っているだろう。
行き届かないけど、頑張ってます。
それなりに…。

笑顔の父の写真に、手を合わせました。


撮影日
　2021.2.23 苗の植え付け
　2021.5.23 子株の蕾
　2021.6.26 開花