御山竜胆。（長文）今年三回目の入笠山。四連休最後の日になってしまって、湿原のエゾリンドウはわずかに咲き残っていたが、リンドウのなかでは花期が遅いオヤマリンドウには間に合った。

御山は、亜高山か高山に咲くため、信仰の対象になっていることが多く、敬称の御がつけられたと「野草の名前（山渓社）」にはある。

オヤマリンドウとエゾリンドウの違いは、まず花の付き方。オヤマリンドウは上部の葉脇にまとまって咲き、花びらも開かず、すぼまったままがほとんど。草地や森林に多いというが、湿原周辺にも生えている。

エゾリンドウは茎の途中の葉脇にもそれぞれ花をつける。そうは言っても、上だけのもあり、群生していないと区別がわかりにくい。花も陽が出ていればふつうは開くが、曇っていると開かない。花付きがいいので、園芸種の母種にもなっている。

今回もテイ沢の渓流を抜け、高座岩、高見岩に上り、ヤマトリカブトや小ぶりのサラシナショウマが彩りを添えてくれた。とりわけ真紅のエンビセンノウが数輪咲いていて、今年も逢えた。
あと二週間くらいで花が末枯れるだろう。秋は急速に駆け出している。