食われたヤギ 父の実家は、ふもとから徒歩1時間程の山の上にある。一応数組の家はあるのだが当然ながら全員、感覚が大分おかしい。 以前話した転落事故により早死にした父の兄N、その弟G、そのまた弟の父の3人が5〜8歳の頃、突然祖父が言い出したそうな「うちは子供が多いから、子供が出来ない弟の所にお前らの内、誰か行ってこいよ」 嫌がる父とG。Nが「じゃ、俺行くよ」少々ミーハー(?)な性格だったNが地上で少しはマシな生活が出来るかも、と名乗り出た。当時、食うに困る事はないにしろ山なので物々交換の世界だったようだ。 しかし、Nは里親との新生活に適応出来ずに孤独で引きこもるようになる。友達はその家のヤギだけ。結局、ある日そのヤギを連れ、元家族の山の上に家出をし元鞘に戻ったようだ。 少し経った後、そのヤギが忽然と消えた。 山では野菜はたんまりあるが、たんぱく質、特に肉は中々手に入らない。肉好きの祖父が勝手にさばいて食べていた。Nは勿論、ガンギレ。 私は父に聞いた、父はまさか食べなかったよね？ 「ん...?えっと、一口食べた(テヘ)」父もなんだかんだ肉が好きだ。 どこからツッコんでいいのかも分からない上に、なんだか可哀想なヤギ。 しかしヤギは世間では悪魔の化身のように扱われている。未だに理由が調べてもいまいちよく分からない。 笑いながら話す父に、閉鎖空間への恐怖を感じたエピソードであった。 蔓ありより成長が遅いが、とりあえず順調な蔓なしスナップ、35日目。 今日は太陽が暖かい。