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【瑠璃の秋の物語】~so ・ raの一覧
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その1 結婚して若者と暮らす日々は、穏やかで幸せな毎日だった。 夫の名前は弥彦と言った。 弥彦は早くに父と母を亡くしていたので、瑠璃の父を本当の父のように慕い大切に尽くしてくれた。そして、めぐった春に、二人は可愛い男の子を授かった。 『なんとも可愛い子だのう。眼は父親に似て凛々しいこと。口元はお前に似て優しいのう。この子は、優しくて賢い子に育つじゃろうて』 二人が野良で働くあいだ、瑠璃の父が赤ん坊の世話をしてくれた。 二人の子は、太一と名づけられ、みんなに大切に護られ愛されて、すくすくと育っていった 。そして、働き者の弥彦と瑠璃は一層家業に精をだし、家業はますます栄えていった。 すくすくと元気に育った太一は3歳になり、野良で働く両親についていっては、野山で泥だらけになって遊び、昼時になるとかけて戻ってくるのだった。 「父さん!母さん!ほらみて、今日もすごいものを見つけたよ!」 その手に木の実や蟹や昆虫などを握って、得意顔に見せに来る息子の姿を、微笑ましく見つめ、手を休めて野良に腰を下ろし、3人で弁当を広げる一時。瑠璃にとって想像もしなかった幸せな毎日だった。 そんな、ある日のこと、太一が二人の前から、突然姿を消した。 その日もよく晴れて、両親と野良に出た太一は遊びに飛び出していった。 やがて昼になってもいつものように太一が戻らず、二人はまもなく腹をすかせて帰るだろうと、一時帰りを待った。しかし、待てども太一は戻らず、二人慌てて辺りを探した。懸命に探しても、誰に聞いても、隠されてしまったように、突然太一の姿は見えなくなってしまったのだった。 やがて夜になり、松明を灯し、村人にも協力を頼んで、寝ずに探したが見つからなかった。 次の日からは、瑠璃と弥彦の二人で来る日も来る日も太一を探した。尾根を登り、谷底に降りて、必死で探したが、来ていた着物の切れはしすらも見つからなかった。そんな様子を見て、村の人たちは、神隠しにあったと噂するのだった。 瑠璃はあまりの悲しみに泣き暮らし、痩せ細っていった。 続く 🌸東京 晴れ 13℃ いつも、投稿を見てくださって有り難うございます🙇💝 【瑠璃の冬の物語】を始めます。瑠璃の出生の秘密も明らかになっていきます。どんな時もくじけないで立ち向かっていく瑠璃を応援してくださいね😊♡ 前作のあらすじは、11/17の 【瑠璃の秋の物語】~sora の投稿を見てください😊 (念のため、下にも 🏷️タグ: 『瑠璃の秋の物語~sora 』を着けました。)10話ありますが、一日で書き上げたので、雑になってて反省です💦 今回は、少し時間をかけて書こうかなと思ってます(#^.^#) 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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崖から張り出た枝に ぶら下がって一心に ホトトギスの鳴き声を奏でる瑠璃に 気づいた若者が瑠璃を見つけ 蔦をおろして瑠璃を助けた もう大丈夫だよ 怖かったろう 一時は死を覚悟した瑠璃は さめざめと泣きながら 若者に礼を言ったのだった 月の光に家路につくと 瑠璃を呼び続けて 声をからした父さまが 庭で一心に祈っていた 山から戻った娘を抱いて おんおんと泣きながら 何度も何度も 若者に礼を言うのだった 若者は こんな夜に山に出ていたことを 不思議に思い 瑠璃に理由を聞いたのたった 瑠璃の話を聞いて 感心した若者は 瑠璃に自分の畑で働き、 父親も近くに住まえるように そして、使わなくなっていた 屋敷の隅の小屋も二人のために 手配してくれたのだった 働き者で心優しい瑠璃は みんなから愛されて やがて若者の嫁になり かわいい子にも恵まれて 幸せに暮らしたと 聞こえるだろう ホトトギス 月夜の晩には実りを備え ホトトギスの声を真似 月の神様と山鳥に 感謝を祈る瑠璃の声 山の紅葉が色づく頃も 山でホトトギスを聞いたなら いのちの終わったあとも 瑠璃が奏でる鳥の声 🍁【瑠璃の秋の物語】その10 so ra の不思議な物語 読んで下さった皆様、心から 有難うございました😆💕✨ 物語は大変でした😁 多分、これでおしまいです❤️ たくさん投稿してすみません😣💦
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瑠璃の引いた勢いで 枝がポキリと折れて ムカゴの蔓ごと 瑠璃は崖から転がった 崖に張り出した ツツジの枝か 瑠璃の着物にかかり 瑠璃はツツジの枝をつかみ ぶらんと崖にぶら下がった もう一生の終わり 瑠璃は涙を流しながら 月の神様に祈ったのだった ツクヨミさま どうぞいのちを助けてください このいのちがあったなら 今まで以上に働いて 父さんを大切にいたします 山も里も大切にいたします そして最後と観念して 山の鳥たちにお別れの 口笛を吹いたのだった その夜は満月で 村の若者が一人 月を楽しみに庭に出た そこへ一羽の真っ白な フクロウが飛んできて 不思議な声で鳴くものだから 若者は 枝から枝へ飛び移る フクロウを追いかけて 山へと入っていった その時 山の中から時ならぬ ホトトギスの鳴く声が聞こえてきた こんな季節に不思議なことがあるものだ 若者は行こうか行くまいか 迷いながらも 声をたどって崖にたどり着いた 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑨
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山に木の実を取りに出かけた瑠璃は 大きな木の一面に絡み付く 立派なムカゴの実を見つけた まぁなんて美味しそう こんなにあったら当分は 食べるものに困らないわ 山はもうとっぷりくれて 昇ったばかりの月が 空から弱々しく 光を届けるだけだった 瑠璃は明日にしようかとも思ったが 父さまの喜ぶ顔を見たくって ムカゴの蔓を引いたのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑧
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瑠璃は山にいくと口笛で 小鳥を呼び 小鳥のあとを追って 木の実を見つけることも 山の小さな動物たちから 薬草を教わって 里に売りにいくことも できるようになっていった そんな 秋のある日のことだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑦
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瑠璃は美しい娘に育ち 気立ても良かったから たくさん若者が 嫁に欲しいと言ってきた 瑠璃や なかなか優しそうなお人じゃ わしのことはいいから お前の幸せを掴んでおくれ それが 父さんと母さんの願いじゃ いいえ 私はここが好き 父さんと一緒にこの先も ずっと住んでいたいから そういって 断り断り続けるうちに 嫁にと欲しがる話もいつしか途絶えた 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑥
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たくさんの村人が父さまを探し 父さまは生きていたが もう歩くことができなくなった 瑠璃は父さまと二人の生活を 支えるために 昼間は里で働いて 夜は山で木の実や草を集め 朝早くから畑を耕し 早くから遅くまで それはそれは働いた 山に冬が来る前に 食料を探すため 瑠璃は 里に降りる前に 暗いうちから山を歩いた 夏に花をつけた山百合の根 枝にからむムカゴの実 ドングリの実に 食べられる草の根も 山の恵みを抱えて戻り 冬に備えるのだった 枝の上をムササビが飛んでいく 山の風がゴーゴーなって 秋の山は少しずつ寂しくなっていく 山道を歩いていた瑠璃が 嬉しそうに駆け寄った あったわ! 父さんが教えてくれたご馳走 それは松の木にできた丸いこぶ こぶのひび割れに 細い枝をさして 甘い汁をすくう 小さな山の楽しみだった 家に帰ると父さまに 今日の収穫を報告して 粗末たけれど温かい 食事をするのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その⑤
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そんなある日 大雨の翌日に父さまが 猟に出る支度をしていた 父さん、今日は水が出ているから 猟は明日にしてはどうかしら わしとて心配はあるが 続いた雨で約束を 3日も伸ばしてしまったから いかねばならんのだよ 心配する瑠璃を置いて 父さまは出掛けていった 山の上では 風がごうごうとなり 降り続いた雨で 山のあちこちから たくさんの水が しぶきをあげて どうどうと流れていた 岩場を伝い 沢を渡っていった父さまは 仕留めた獲物を 担ぎ直そうと 手を離したとたん 足を滑らせて 岩場から谷底へ 滑り落ちてしまった 🌸【瑠璃の秋の物語】その④
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瑠璃は父さまに連れられて 山にいくのが好きだった 湿地を越えると 綺麗な水が流れる沢があり 3日に一度 沢の水を汲むために 瑠璃は山道を往復した 夏でも沢の水は 手が切れるほど冷たくて 沢の岩をどけると 小さな蟹がいて その夜のごちそうだった 父さまは川で魚を捕まえて 火であぶり、二人の冬の間の 食料の準備をするのだった 瑠璃は、父さまと道々に咲く美しい花を眺め、山に木の実を探す時が、何よりの楽しみだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その③
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瑠璃と言う名は 山に咲く瑠璃色の花の 好きだった母さまが つけてくれた名前だった 瑠璃はすくすくと大きくなって 父さまを助けて良く働いた 瑠璃は賢く育ち 動物たちを観察しては 山に生える食べられる 草や木の実を見つけるのが 得意だった 父さま、山鳥の卵を見つけたよ ほら、こんな美味しそうな実も 見つけたよ おうおう、瑠璃は賢いのう 大切にもって帰ろうの 父さまに頭を撫でられて 喜ぶ顔を見るのが 瑠璃の一番の幸せな時間だった 山鳥の卵を見つけ 山菜や薬草や木の実をとっては 里に降りてお金にかえて 父さまと二人の着物や 米や味噌を買うのだった 🌸【瑠璃の秋の物語】その②
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【瑠璃の秋の物語】 娘の名前は瑠璃といった 母さまは瑠璃を産んでまもなくに、 なくなってしまい 瑠璃は父さまと二人暮らしだった 父さまはまたぎの仕事と わずかな田畑を作り 慎ましく暮らしていた 幼い瑠璃を懐に 父さまは山に入り 獲物を捕らえては 村に出掛けて わずかなお金にかえて 二人はひっそりと暮らしていた 🍁瑠璃の物語 その① 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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