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キュンキュン乙女倶楽部No.282の一覧

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ねこたんぽ
評論シリーズNo.55🌹 カレル・チャペック【園芸家12カ月】 カレル・チャペック(Karel Čapek、1890年1月9日 - 1938年12月25日)はチェコの作家・ジャーナリスト、そして筋金入りの園芸家。当時オーストリア=ハンガリー帝国領であったボヘミアのマレー・スヴァトニョヴィツェという小さな町で町医者の三男として生まれます。チェコの最高学府、プラハ・カレル大学を卒業、台頭してきたナチズムを強烈に批判するジャーナリストまた作家として活動、チェコを代表する作家となり、ロボットという言葉の生みの親としても有名です。真冬のチェコ、嵐で荒れた庭の手入れをしたことが原因で風邪をひき、肺炎により死去。まだ48歳でしたが、その4カ月後、彼の死を知らないゲシュタポが襲来したことを思えば、かえって良かったのかもしれません。 ああ、【園芸家12カ月】ですか?園芸に取り憑かれた男が、園芸家として過ごす一年を月毎に語り尽くすエッセイ、というかユーモア小説、ですね。側から見れば明らかに常軌を逸しており、しばしば奇矯な行動に走る園芸家という人種を極上のユーモアで浮き彫りにしています。植物好きなら随所で「そうそう」「あるある」「分かってるねぇ、カレル」と呟くこと間違いなし。クスクス言いながら読んでいると、時折ハッ!と天啓のような言葉に巡り合うのです。私がとりわけ感動したのは11月の章の結びの部分です。秋に葉が枯れると言うけれども、それは視覚上のイリュージョンであって、実は春の萌芽をぎっしり備えている、という考えから名言が生まれます。 『未来はわたしたちの前にあるのではなく、もうここにあるのだ‥ときどきわたしたちは、水気のなくなった、いろんな過去の思い出につつまれて、すえた匂いをはなっているように思われることがある。わたしたちが現在とよぶ古い作り土のなかに、どんなにたくさんの太った白い芽がぐんぐん伸びているか‥秘められた将来の繁栄をわたしたちのなかにながめることができたとしたら、おそらくわたしたちは言うだろう。ーーおれたちのさびしさや、おれたちのうたがいなんてものは、まったくナンセンスだ。いちばん肝心なのは生きた人間であるということ、つまり育つ人間であるということだ、と。』 行き詰まり、伸び悩み、絶望しかけている人よ、お願いだから【園芸家12カ月】を読みたまえ。君の冬は春を内包していることが分かるだろう。
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