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醜男
空豆(ソラマメ) マメ科ソラマメ属の一・二年草。原産地はカスピ海地域、エジプトを含む北アフリカ地域、ペルシャ地方等が有力。最も栽培の歴史の古い豆のひとつで、紀元前7000〜6000年頃には栽培されていた。原産地で野菜として成立した後、地中海を経由してヨーロッパへ、そして中国へは2000年前か700〜800年前に伝わった。日本には736年頃にインドの僧侶が中国経由で伝えたとされるが、文献には17世紀頃からソラマメの名を見ることができる。明治時代に入り、ヨーロッパからは改良された多くの品種が導入され、それが今日作られている品種の元になっている。 完熟した豆を利用する種類と、若い豆を利用する野菜用の種類がある。野菜用の房州早生は小粒だが早採り用、讃岐長莢は莢が長く、1莢6〜7粒あるが、晩生。現在野菜用品種の主体は一寸ソラマメ(おたふく)で、打越一寸、稜西一寸、仁徳一寸、河内一寸などがある。 花期は3~4月。白色〜淡紫色の花弁に黒斑点の旗弁を有する。自家受粉であるが、収穫莢数は開花数の10〜15%と少ない。マメ類の中では自然交雑率が高い。莢は長さ5〜10㎝ほどで、はじめ上向きであるが徐々に水平〜下向きになる。1莢には2〜4粒の子実を有する。子実は平たく、幅1㎝ほど、長さ1.5〜2.5㎝ぐらいで、熟すると褐色になる。開花後35〜45日ほどの時期で莢の色が濃くなってやや下向きになりかけた時期に収穫する。この頃の莢には艶があり、背筋の部分が黒褐色になっている。また莢の中の粒は付け根付近が少し黒みがかり、しっかりと固定されている。莢から豆を出したままにすると急激に風味がなくなる。収穫後は速やかに濡れた新聞紙等に包み、冷暗所に置くか冷蔵する。また、むき身にして固茹でし、素早く冷まして冷凍しても良い。 蚕豆(ソラマメ)は莢が蚕の形に似ることが名前の由来。莢が空を向くようにつくことから空豆というなど諸説ある。別称には胡豆、トウ豆、夏豆、元修菜(げんしゅうさい)など、また地域によっては四月豆、五月豆、天竺豆、雪割り豆ほかがある。 出典『食材図典』『野菜・山菜ハンドブック』
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