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醜男
桃(モモ) バラ科モモ属の落葉小高木。中国原産で弥生時代に伝わったとされる。花期は4月。葉が出る前に開花する。花は直線的な枝にじかに咲く。花弁は5枚。花色はピンクや白で、甘く香る。葉は細長く中央で幅が最大になり先は尖る。葉柄上にいぼ状の蜜腺がある。果実は核果。7〜8月に黄緑色から紅色に変わって熟す。表面はビロード状の毛が覆う。縦方向に半周する溝がある。 モモは、果樹として栽培されるモモと、花の観賞用として改良された花桃(ハナモモ)に分けられる。ハナモモは花色が紅、桃、白で、八重、しだれ、紅白咲き分けなどがあり、庭や公園に植えられる。ハナモモの果実は小さく苦味があって食べられない。 モモは中国原産で弥生時代に伝わり、江戸時代には日本各地にモモの産地が形成されたが、現在は、明治時代初期に中国や欧米から導入された品種をもとに生育されたものを中心に栽培される。今は改良が進み、100以上の品種が作られる。代表的な品種は熟期の順に、日川白鳳、白鳳、あかつき、浅間白桃、なつっこ、川中島白桃など。近年、ゴールデンピーチや黄金桃などの品種も栽培される。 古代からモモには邪気を払う神秘的霊力があると信じられていた。桃の節句や桃太郎物語もモモの霊力を背景に生まれた行事と伝説である。桃の節句は3月3日だが、モモの花は咲いていない。これは、旧暦の3月3日が現在の3月下旬から4月上旬にあたり、ちょうどモモの花が咲いていた。新暦でも3月3日を桃の節句としたために、モモの花が咲かない桃の節句になった。 名前の由来は諸説あり、果実が多くなることから数が多いことを意味する『百(モモ)』に由来する、果実が赤いことから『燃え実(モエミ)』から転じたなどの説がある。また、自生していた山桃(ヤマモモ)をモモと呼んでいたが、中国からモモが移入されたため、それまでのモモはヤマモモになったという。 出典『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『食材図典』『薬草の呟き』『フルーツひとつばなし』『樹木の名前』
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