(誰もいない夕方の公園には ひとりで行かないほうがいい…) 小さい頃、祖母がぽつりと言った なんで？と聞くが、なんとなくだよ…との返事に、適当にはぐらかされた気がした 大人になって、祖母もいなくなった後に、ふと、その言葉を思い出し、散歩するにはちょうど良い距離にある隣町の小さな公園に出かけた 職を失って、将来の自分に不安を感じていたが、なんだか次の職探しへの意欲も湧かず、フラフラしていた時期だった 案の定、日暮れ前の晩秋の公園には、誰もおらず、塗り直したばかりと思われるキツイ色の遊具が、出番もなく寂しげに点在するだけだった 公園内を見渡せるベンチに座り、祖母の言葉の意味を考える (行かないほうがいい…) 15分も、そこにいただろうか 気づくと、私は早々に自宅への道のりを戻っていた 祖母が言っていた意味が、なんとなく理解できた気がしていた きっと祖母も昔、こうやって独りぼっちで夕方の公園に行ったのだ やるせない気持ちの時に、ふらりと行ったのだ そして、もっとやるせない気持ちになって家路を辿ったのだ 夕方の誰もいない公園には、淋しさ、不安、悔恨、憤り、恐れ、懺悔、そんなものが沢山うごめいていた 憩いの場所であるはずの公園だというのに、そういう負のもの達が、浄化されるどころか湧いて出てきた (誰もいない夕方の公園には ひとりで行かないほうがいい) 私は、立ち入ってはいけない場所から逃れるように、早く早くと見慣れた我が家へと足を急かせた ダークハロウィン🏷️に参加します ※プラティア♡隙間のグランドカバーに最適です♡

かげふみ、かげおくり やった事ありますか？ どちらも晴れてお天気のいい日にやる、影を使った遊びです かげふみは、いわゆる鬼ごっこです 鬼に影を踏まれた子供が、次の鬼になります 鬼の後ろに太陽がある場所に自分の体を維持できて、鬼より早く走ることができれば、影を踏まれることはありません 私は不思議なことに、普通の鬼ごっこのように背中を叩かれ身体に触れられたわけでもないのに、影を踏まれたその瞬間、痛みを感じます 正しくは、痛みを感じたように感じるのです だから、私は普通の鬼ごっこより、怖かった 他の子も、きっと痛いのだろうと思いながらも、鬼になった私は、相手を追い詰めると力いっぱい相手の影を踏むのです 自分が本当の鬼になったような気分です 容赦なく強い力で相手の影を踏んでしまう 当時を振り返ると、上手くいった時の私の表情は、とてもいやらしく不快な笑みを浮かべていたと思います 人の心の中は誰にもわかりません 傍目には、影踏みを無邪気に楽しんでいる可愛らしい子供達に見えたことでしょう 其々の心に本当の鬼が潜んでいるなどあり得ない 本当に、そうなのでしょうか 〜ルコウソウ咲きました〜 次回は、かげおくりのお話です