パァーーーン 長めのクラクションの音がした 窓から見下ろすと彼が下で手を振っている あいかわらず、高そうなベンツだ 静かな日曜日の朝、住宅街に鳴り響く車のクラクションは迷惑以外の何者でもない 彼に車で来いと言った事を少し後悔した 彼といっても付き合っているわけではない いや　むしろ付き合いたくはない じゃ　なぜ彼が迎えにきているのかというと 私は彼に好かれているのだ 崇め奉られていると言った方が正しいのかもしれない 先日のお写散歩の際 彼が道端にひっくり返っていたので足で蹴ってみたところ、生き返ったみたいで、依頼　私のことを神と呼び、まとわりつくようになった だから今日もこうして、かったるい中、高級メシを馳走になる 彼の金持ちぶりをひけらかした所が大嫌いだが、近江牛や鰻を食べさせてくれるので、そこは目をつむる 値段に糸目をつけず食べたいものを注文 あたりまえだ 彼は金持ちで私は命の恩人なのだ 彼はたまに自分の彼女も連れてくる 彼女もやはりピカピカで金持ちそうだ 金持ち臭がぷんぷん漂うふたりを前にして私は鰻を食べる しかし最近　これで良かったのか?と自問自答をする なぜなら彼らは、黄金虫(コガネムシ)なのだ うまいこと人の姿に化けてはいるが私だけは知っている 〜植物の天敵‼️コガネムシの恩返し〜