ウエディングプランナーのサスケは、今日、ひと組の成約にこぎつけた 女は言う 白いドレスが着たいの 式はチャペルであげたいの お料理は、和食や中華がひとっつも入ってない完全フレンチでお願いしたいの サスケはにこやかに笑って自身のプランを提案した 男は女の満足気な様子に頷いた 「ここに決めようか」 サスケは深々と頭を下げカップルの後ろ姿を見送る この仕事について早六年‥ 西洋文化もカタカナ言葉も猛勉強した 完璧だと自負している なぜ　この仕事に就いたのだろう‥ 他に経験を活かせる仕事はあったかもしれない だが、忍術教室など需要もなければ、歴史を教えることも無理な話 あの時代の歴史とて、ほんの身の回りのことしか知らず、中学生の歴史の教科書を借りて詳しく知り、実はそうだったのかと驚いたぐらいである 手裏剣や忍者走りが出来たところで、なんの役にたつというのだ サスケは今の仕事にやり甲斐を感じていた 職場のロビーに咲いている花の名前も覚えた プルメリアだ ハワイ語でプアメリア 大切な人の幸せを願うという意味だ さっきのカップルにも提案した プルメリアのウェディングブーケは素敵ですよと‥ 〜今日のお花・プルメリア〜