梅桃／英桃／山桜桃(ユスラウメ) バラ科サクラ属の落葉低木。中国原産で古くに渡来し、江戸時代初期から栽培される。鑑賞用として庭にも植えられる。花期は3～4月。葉より早くか同時に白色または淡紅白色の花を多数つける。花柄がごく短いので花が枝に貼り付いて咲く。葉は倒卵形で縁に細かい鋸歯がある。果実は核果。6月にサクランボに似た径約1㎝の真っ赤な果実が沢山つき、生食や果実酒にされる。酸味が少しあり、ほのかに甘い。 庭梅(ニワウメ)によく似るが、葉に毛がないニワウメに対して、本種は若い枝や葉に柔らかく細い毛が生える。 名前の由来は、移植に強いことから、朝鮮語で『移徒楽(イサラ)』にウメを合わせた『イサラウメ』から転じたという説がある。その他、花が風に揺れる姿からという説や枝葉が茂り微風にもそよぐことからといった説もある。漢字の『桜』は、古代中国ではユスラウメを意味した。現代の中国では桜桃と表しサクランボと区別しない。 出典『樹木の事典 600種』『里山の花木 ハンドブック』『樹木 見分けのポイント図鑑』『樹木の名前』