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ピンクッション物語の一覧

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so.ra
【ピンクッション物語 第33話】 知ることは 幸せなこと? それとも辛いこと? 険しい崖っぷちを みんな知らずに歩いてる 空を飛ぶ鳥なら 翼にのせることも 強い獅子なら背中に 乗せることもできるのに 僕は翼も獅子の体もない だけど 君の そばにいる いつも応援してる 辛いときは 陽だまりに咲く 君の好きな花を 思い出して 春を待ち望む 花の光に エールを託すから ここまで、ショックな話ばかり書いてるけど、君は大丈夫かい? 本当にこの注射は、話すのもためらわれる代物だ。そして、まだある─どこまで伝えるか迷ったけど、君ならちゃんと知って受け止めてくれると思って書いてる。 この前、親戚の叔父さんが亡くなったんだ。まだ若くて…注射を打ってすぐだったのに、死因は結局原因不明にされた。ワクチンを打った病院に行ったのに、治療法がないとあちこち病院をたらい回しにされて、結局満足な治療も受けられなかったって。僕の好きな叔父さんだったんだ。すごく悲しくて悔しくて、それで必死に調べたんだ。 知れば知るほど驚くことばかりだった。だから、君の周りで同じことが起きないように、僕が知ってることを伝えたい。手遅れにならないうちに、君のご両親にも解毒に取り組んで貰えたらと願ってるよ。 知らないことは恐ろしいけど、それを伝えることも辛いことだね。 夜が開けてきた。 あと少しだ。 続きを書くよ。 第33話の📍ピンのテーマは、 アネモネの花言葉『待ち望む』です。
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so.ra
【ピンクッション物語 第32話】 少し難しい話だけど…手紙は続いた。 この仕組みを知ることは、後遺症が起きた時に、自分の体はどの段階の反応が起きているのか?何を取り組めばいいか?を考えるのにとても大切だと思うんだ。 もう少しザックリまとめていうと、注射を打ってからの免疫の反応は、大きく2つの時期に分けられるんだ。 ①初めが【免疫低下期】だよ。 注射を打ってから全身にばらまかれたコロナ遺伝子が、それぞれの細胞にくっついて『スバイク蛋白』の芽が出るんだ。接種部位に留まっていたりしないで、打ってすぐに脇の下のリンパ腺に入って、血流に乗って全身に行くんだ。特別加工してあるから、普段ならウィルスが入れない細胞の中にも忍者のように入れちゃうんだ。それでも、おかしいと察知した自分の免疫がmRNAを除去しようとするんだけど、その免疫の働きも抑えるようにしてあるんだよ。どこまでも悪どいだろ。ワクチンで入れたmRNAが攻撃されないように『Tレグ』が発生して、(←Tレグって言うのは、凄く大切な働きをしている免疫のヘルパーT細胞の働きを、押さえてしまうことだよ )免疫が低下してしまう。 →だから、打ってすぐに帯状疱疹や水虫や癌などが発生しやすくなるんだ。そんなわけで打った直後の2週間くらいは、免疫がめっちゃ低下するから、かえって感染しやすくなるんだよ。何回も打つほど、これは激烈になって、癌とかは見つけたらステージ4のターボ癌になってたりするんだ。 ②そして、打ってから5~6ヶ月くらい過ぎると、やっと押さえられていた免疫が復活するんだ。その頃は、いろんな細胞に入り込んだmRNAが芽を出して、体にとって毒のスパイク蛋白を作り出すんだ。 免疫は回復するけど、押さえられていたヘルパーT細胞が働き始めるから、自己免疫疾患期になるんだ。 それで ▪️持病の悪化(お年寄りに多い)や ▪️後遺症と言われる症状が出る(若い人に多い) そうすると体の免疫は手一杯で、風邪とか他の病気に感染すると、いつもよりかかりやすく、悪化しやすくなるんだよ。(自己感作性のT細胞が増えるので、発病しやすくなる) ワクチンを打って守られるのは、①のほんの数ヶ月の間で、そのあとはかえって感染しやすく重症化しやすく、死にやすくなってしまう本末転倒のワクチンなんだ。 次のワクチンを打つと、とりあえず①の状態で止められるから、繰り返し打って重症化したり死んだりしないように止めてるんだ。 けれど、そんな注射だから、打つほどに自分の免疫を破壊して体は免疫が働かないエイズのようになっていくんだ。恐ろしい注射なんだよ。だから、絶対に繰り返し打たないように、ご両親を説得して。 『注射を打てば感染しやすくなる』事を、國はデータを操作して効果があるように見せてたんだけど、ある教授からの指摘で本当の統計を出さなくちゃならなくなってこっそり訂正したんだ。ニュースにしないから、知らない国民も多いと思う。ひどい話だよね。打って打てば打つほど感染しやすくなる事が國のデータからも明らかになってるよ。今は、そのデータもシレッと治してるけど、地方自治体のものは、そのままのものもあるみたいだ。ハァイザーが裁判で明らかにした話では、このワクチンで感染が防げるかの実験もしてなかったこともわかった。なら、なんのために毒でしかないものを打つ必要があるんだろうね。 そうして、打ち続けて免疫が押さえているから、(免疫反応が起きないことで炎症反応が起きないから) 重症化はしないわけだだ。例えば、痛みを感じない人が、大出血するような大怪我をしても感じないのと一緒なんだよ。それで『打つと重症化が防げる』と言われてるけど、細菌にもウイルスにも体の中の故障にも、異常な細胞ができても対応できなくなるから、死にやすくなってしまうんだよ。(エイズを想像したらわかるかな) この期間が9ヶ月~1年3ヶ月くらい続くって言う話だ。メリットはないし、一刻も早く対策が必要になってくるわけだ。 それだけじゃない、はじめは 注射のmRNAは、『打ってしばらくすると体から排出されて無害』という話だったけど、実は『打ってから6時間で自分のDNAに逆転写されてしまう』事がわかったんだ。自分の遺伝子がワクチンの人口遺伝子に組み換えられちゃうんだよ!それで、今ま書かれていた『排出される』の言葉はシレッと消されてるんだ。知ってた? そして、打った人は、延々とコロのスパイク蛋白を作り続ける無症候性のスプレッターになっちゃうんだ。(自分の体で毒性のあるスパイクタンパクを製造して排出する)だから、シェディングと言う伝播現象が起きて、大人が枠を打つと、打ってない子供にもコロを感染させて家族内感染が起きたり、自分の免疫を落として感染したりといった事が起こるんだよ。 更に、枠を打てば感染を防げると、國は『思いやり接種』を勧めてきたけど、実はF社は感染を防ぐかどうかの実験もしてなかったことが裁判で明らかになったんだよ。 まだある、注射に入ってる成分は、黒塗りになってて明らかになってないものがたくさんあるのを知ってるかい?しかも、中身は調べてはいけない契約になってるみたいなんだ。違反したら莫大な違約金を請求されるから、どの國も調べないそうだ。それを外国の科学者チームが調べて、酸化グラフェンや人体に毒になるものもたくさん入ってることがわかったそうだ。 第32話の📍のテーマは、葉牡丹の花言葉「愛を包む」です。
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so.ra
【ピンクッション物語】第31話  君のお父さんもお母さんも、2回コロ枠を打ってしまったけど、『体は何でもないよ、打っても何でもなくて今は元気じゃない』と言って、君が解毒してって勧めても、耳を貸してくれないかもしれないね。だから、枠がどんな風に働くか、少し説明するね。 実は、せっかく入れた枠のmRNAが体から追い出されないように、枠は僕たちが持っている『免疫を抑制する』ように作られてるんだよ。免疫をつけるために打つのに、免疫を抑制するなんておかしな話だと思わないかい? 例えば、臓器移植をする時は、免疫に攻撃されて移植した臓器がダメにならないように、免疫抑制剤を投与するよね、あれと一緒だよ。ボクたちの体にある免疫がウイルスや細菌を見つけて攻撃するから炎症=症状が起きるわけだよ。國が『ワクチンを打てば重症化を防ぎます』というのは、免疫を抑制しちゃうから、重症化はしないってわかってて言ってるんだよ。そういう薬だから。免疫が働かなくて本当は体は超危険な大変な状態だけど抑制してるから、重症化しないって、免疫不全症候群のエイズと同じ状態。枠珍因性の免疫不全症候群だよ。エイズの症状を調べてみるといい。だから、今帯状疱疹や梅毒や白癬等の感染症やがん患者が漠増してる。 知ってるかい?人は誰でも一日に千個~二千個、あるいはそれ以上のがん細胞を作ってて、それを免疫細胞がやっつけてるから発病しないんだ。だけど、その働きを押さえたら癌が発病して一気に悪化だってしてしまう。 それが、一つ目の枠の問題だよ。 そうして、免疫が押さえられて免疫細胞が全く働かないと、肝心の免疫が作られないだろう。だから、アジュバントって言うものを入れて免疫を刺激して抗体を作らせようとしてるんだ。それで押さえながらヘルパーTを働かせているんだ。それが、二つ目の問題だよ。免疫を刺激するって、体にとっては毒になるものだから排出しなくちゃって思うものだ。今までのワクチンにも水銀等がアジュバントとして入れられて来た事は知ってる? さらに、コロナに感染した直後の人や、本人が自覚してなくても、不顕性感染で知らずにかかって体で免疫が働いてるところに、枠を打ってしまうと、抑えが効かなくてこっちが優勢になって重症化して被害が甚大になってしまうんだ。 31回目の📍のテーマは はなみずきの花言葉 『私の想いを受け取って』 少し重いお話になりますが、読んでくれてありがとうございます😊
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so.ra
【ピンクッション物語】 第30話 その② それから、もし、君の学校で接種しないと仲間はずれになるような事があったら、泉大津市の南出市長さんのメッセージを参考に伝えるといいかもしれない。 市民のための相談窓口も設けて、市外の人からの相談も受け付けてくれるそうだ。 『南出賢一 泉大津市長から5歳〜11歳のお子さんをお持ちの親御さんへのお願い』で検索してみてくれ。 とてもわかりやすい動画だから、ご両親にも見てもらうといいと思う。 海外ではCDCが、子供の接種の副反応が多発してることを報告してる。『子供への接種後に副作用が多発』で検索できる。 もう一年前に、ロシアでは、国の公共放送で枠珍の衝撃の事実を国民に報道してたそうだよ。 『ロシア公共放送が衝撃の事実を公開!! 』で調べたら検索できるから、是非見て欲しい。 驚くべき内容だったよ。 国が国民に向けて発信した情報だから、それなりに確かめた内容だと思うんだけどね。ロシアは情報統制されてるってイメージがあったけど、日本の方が閉ざされてるのかもしれないと思ったよ。 接種後の死亡者のデータを見ると、枠珍を打って9カ月たつと1.5倍死にやすくなってしまうそうだ。そして、ついにアメリカでは、FDAがファイザーに枠珍の申請をやめるように言ったそうだ。なのに、日本でたくさんの人が死んだり苦しんでるのに、今だに中止にならないのは不思議だと思わないか? 親父が、政治もしっかり勉強して視野を広げろと言ってた意味が、最近の出来事を見てわかってきたよ。これから、外国の情報も見られるように語学をもっと勉強しなきゃって思ってるよ。 いろんな情報が錯綜してて、本当かどうかはわからないけど、その時じゃ手遅れだから、今動かなくちゃダメなんだってしみじみ思ったよ。 注射薬が超低温で保管され、振動を与えないように運ばれるのは、注射液の酸化グラフェンが結晶しないためだったのかも知れないね。以前、注射液に金属片混入とニュースがあったね。その注射薬で確か3人も亡くなった人がいたのに、説明も謝罪会見もなくてうやむやのまま終わったよね。食べ物なら全品回収して調査するのに、直接身体に入れる薬なのに一部回収しただけだ。そしてその後、筋肉注射のやり方まで変わったんだ。筋肉注射液を間違って血液にダイレクトに入れたら大変だから確認してたのに、確認なしで打つやり方が変わったんだよ。国民に説明もなしだ。今は賞味期限の切れた枠珍を、賞味期限を伸ばして打ってる事も知ってる?直接体に入るものなのに、おかしいと思わないか?大切なことだけど、みんな気がつかないんだ。 驚くような事ばかり書いて君を、暗い気持ちにさせちゃったかな。今はご両親も元気で信じて貰えないかも知れないけど。むしろ、この情報が嘘だったら、ずっと何も起こらなければ本当に嬉しいと思ってるけど。。 とりあえず打ってしまっても、解毒する方法もいろいろ紹介されてるし、免疫力強化にもなるらしいからこの後に書くよ。 一つでもご両親に取り入れて貰えたらって思うんだ。 そして、僕が見つけた希望を伝えたい。 (続く) 第30話の📍ピンのテーマは梅の花の花言葉から【忍耐】です。寒風が吹くなか、凛として咲き誇る梅の姿に希望を重ねて書きました。 (続く)
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so.ra
【ピンクッション物語】 第30話  その① 今、僕の部屋の窓から月が見えているよ。 庭の梅の木が満開で、窓を開けるとここまでいい匂いがしてるんだ。 君はまだ起きてるかな? 君が九州に引っ越してしまうと知って、これからは会えないのかって、ショックだった。最近、忙しくて君と話をする機会も少なかったって悔やまれるよ。 僕は医者の道をめざしたいって、いつか君に話したね。君が栄養学の事を調べているように、僕も567関連の事、世界各国の経済や医療情報の事をいろいろ調べてきたんだ。それで、本当に驚くような事がわかった。 君が引っ越した先でも、ご両親がまた枠珍を打つように言われたり、君が周りからいじめを受けたりしないかと心配で、続きの手紙を書くことにしたよ。 君の両親は二回も打ってしまったから、これから僕が書くことを読んだらショックかもしれないし、嫌な話をするやつって敬遠されてしまうかも知れないけど、これからの世の中で生きるためには情報が命綱だと思ってるし、君を守りたいんだ。それから、僕の考えてる夢なんかも伝えたい。少し長い手紙になると思うけど、読んでくれたら嬉しいよ。 1つ目は、最近の情報についてだよ。 自然療法士ルイさんが 、567枠珍の RNA が、わずが 6 時間という速さでヒト DNA へ逆転写することを、わかりやすく解説してくれてる。 『ワクチンのmRNAが逆転写!?【自然療法士 ルイ】』 で検索してみてくれ。  厚生省は『mRNA枠珍は短期間で分解されて、人のDNAに組み込まれることはない』と説明してるけど、実際は、接種からわずか6時間で体内に入って、DNAの逆転写が起こってしまう。。。つまり、遺伝子に組み込まれてしまうらしいんだ。 まだ、いろいろわからないことも多いけど、遺伝子組み換えをしてしまうと、今のところ戻す方法はないと言われていてる。まずは打たないことが大事だし、打つほど自分の免疫を抑制して、それまで何てこともなかった風邪のような細菌にも抵抗できない免疫不全が起きるらしい。エイ酢のような症状が起こってくるんだ。自分の体にできる癌のような異常細胞を自力で殺すこともできなくなって癌が多発したりもするらしいんだ。ひどい話だね。しかも、自然にできた免疫は一生なのに、枠珍の免疫は数ヵ月で感染予防効果も発症予防効果も落ちてしまうらしい。それはつまり、ずっと打ち続けなくちゃいけなくなるってことなんだ。だから、打っちゃダメなんだよ。 (続く)
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so.ra
【ピンクッション物語】第29話 ありがとう 君に出会えて良かった 不思議だね 僕らは傷つくたびに 乗り越える強さを 身につけていく 一人じゃないから 越えてこれた道がある 君との出会いに 運命を感じたよ 僕は医者をめざして 君は栄養士をめざして その先の道は 今はわからないけど 君と僕の道が 未来のどこかで 一緒に夢を追いかけて 行けたらと思うんだ 君が落ち着いた頃 手紙を書きたいと思ってる LINEや電話なら簡単だけど いろいろ思いを巡らせて 文字に書くのも 悪くないと思うんだ 君もそっちでの生活の事とか 教えてくれたら嬉しいな 僕らの新しい毎日は また、悩んだり辛いこともあるかもしれない そんな日も 本音を話せる人がいることで 乗り越える力に なれると思うんだ だから また いろいろ相談に 乗ってくれたら嬉しい これからもよろしく 卓 美幸が手紙を読み終えて、日記を開くと、背表紙のカバーにも 何かはさんであった。 一つは合格のお守り そして。。 (続く) 🌱アネモネが咲き出して 花壇を鮮やかに彩る季節になりましたね。たくさんの色のアネモネのなかで、寄り添って咲く2輪のピンクのアネモネがとっても素敵でした🎶💕 アネモネの花言葉から 29話の📍ピンのテーマは 【あなたを愛す】です🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第28話 荷物が運び出された部屋はがらんとして、窓から伸びる光が部屋の中に射し込んでいた。 美幸は部屋の真ん中に大の字になって寝そべってみた。 こんなに小さな部屋だったっけ。 たくさんの思い出がつまった部屋は、一回り小さくなって記憶の箱に収まろうとしているようだった。 いつからだろう? 馬鹿にされたり、いじめられたり。自分の体に引け目を感じて、泣くようになったのは。 担任にまで苛められ、生きるのが辛かった。 泣いてばかりだったな。そう呟くと、床の小さな傷に触れた。 それは、悲しくて悲しくて、マグカップを床に叩きつけた傷。粉々に砕けたカップは、美幸の傷だらけの心。母さんが泣きながら片付けてくれたっけ。 さようなら。小さな私。 床の傷を優しく撫でると、美幸は立ち上がった。 卓くん。 最後に会いたかったなぁ。 下駄箱に入れた手紙に返事も貰えないまま、お別れになっちゃったな。そんな事を思いながら窓を開けると、そこに自転車に乗った卓が立っていた。 やあ! 卓が手を振っている。 夢?美幸は目をこすった。 確かに卓がそこにいた。 心臓の鼓動が聞こえるほど、ドキドキと打つのを感じて、美幸は言葉が出てこなかった。。 降りてこれる?と、足元を指差す仕草をする卓に頷くと、美幸は慌てて階段を降りて玄関の扉を開けた。 今日引越しだよね。 そう。 午後に出るの。 息を弾ませながら美幸が言った。 良かった! ギリギリセーフだね。 卓が笑っていった。 まったく、君は新しい住所しか書いてないから、君の家を探すのに苦労しちゃった。 えっ、どうやって調べたの?。 君の小学校の同級生から聞き出した。はは、何でだって問い詰められたよ。 今まで色々話せて楽しかった、ありがとう。 これ、餞別。 引越し先や新しい学校で出逢うことなんか、書くのもいいかなって、ノートなんだ。 卓はそういうと、包みをを美幸に渡した。 袋を開くと、ちょっと厚みのあるノートが入っていた。 ありがとう。 ノートを渡すと、美幸が次の言葉を話す前に じゃあな! と、自転車にまたがると卓は走り去っていった。 えっ!あっ、ちょっと卓くん! ありがとう~‼️ 慌てて叫んだ美幸に、 前を向いたまま手を高く挙げてバイバイと仕草をすると、卓の自転車は曲がり角に消えていった。 最後ぐらい、もっとドラマチックにお別れしたかったのに、まったく! そう言いながら、美幸が手帳を開くと、一枚の紙がはらりと落ちた。 (続く) 第28話の📍ピンのテーマは、パンジーの花言葉から【思い出】です。 パンジーの花言葉には、「私を思って」という花言葉もあるようです😊❣️
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so.ra
【ピンクッション物語】第26話 ごめんね~、待った? 息を切らしてひながかけてきた。 ううん、私も来たばかり。 そう。 有難うね。 ひなは、美幸の隣に腰を下ろすと、大きな紙袋を差し出した。 あのね、これお爺ちゃんから。 えっ、元さん退院したの? 驚いて美幸が尋ねると、 そうなの。 満面の笑みでひなが答えた。 すごい回復って先生もびっくりするように回復して、先週退院したの。 お爺ちゃんたら、花が心配だって、もう杖をつきながら庭に出てるのよ。心配したけど、庭に出るようになったら食欲も出て、顔色も良くなってきたし、何よりもお爺ちゃんがあんまり嬉しそうにしてるから、私たちみんなお爺ちゃんがいいように見守っろうって決めたのよ。 それでね。 美幸ちゃんが引っ越しするって話をしたら、これを渡してくれって預かってきたの。 それからお爺ちゃんからの伝言。 『ひなから、両親を説得したって聞いたよ。 心は人それぞれだ。 想いも人それぞれよ。 どんな答えを選んでも、良いも悪いもないと思っとる。 ただ、大切な人に、生涯で一番と思える大切なときに、自分の気持ちを伝えずに後悔を残すのは、後々まで悲しいもんじゃ。 わしにもそんな痛みがあるんでな、勇気を出して心を伝えることができて良かったの。 よく頑張りなさったの。 みんな、自分の事だと考えておるがの、そんな心はいずれ生き方にも現れて、やがて世の中を作っていくんじゃ。 たとえうまくいかなんでも、 諦めちゃいかん。 頑張って行動を起こしたら、 成功も失敗も必ず一歩前に進んでおるからの。 あなたさんは、足の事で馬鹿にされたりいじめられたりと、 ずいぶんと辛い想いもしてきなさった。だから、とっても優しくて強い方になりなさった。 そんなあなたさんは、クリスマスローズの花のようだと思っとった。 寒さの中でも凛として、つぼみをつけて咲いていく。 この花は冬の女王とも呼ばれておるんじゃ。 あなたさんは、その綺麗な心のままで、生きていって下されよ。 これからも、辛いことや苦しいこともあるじゃろうが、応援しておりますぞ。』 以上、お爺ちゃんからの伝言。 お花はクリスマスローズなんだって。 お爺ちゃん、目が霞んで字が書けなくなっちやったから、代筆した手紙、これね。 そういってひなからの手紙と花を受けとる美幸は、思いがけない贈り物に、涙か止まらなかった。 有難う。 ずっとずっと大事にしますって、お伝えしてね。 美幸の言葉にひなが頷いた。 なんだか、ここでいつも泣いてきたね。 美幸ちゃんて、悲しいとき、いつもなんか食べるでしょ。 だから、これは私からのお餞別。昨日クッキー焼いたんだ。 2人で食べよ。 美幸が顔をあげると、ひなも涙を浮かべていた。 ひなと泣き笑いしながら食べるクッキーは甘くてしょっばかった。 寂しくなっちゃうな。 ポツリとひなが声にだし、空を見上げた。 頭の上には、早咲きの桜の花が空に灯りを灯すように、柔らかく揺れていた。 (続く) 桜の花言葉は、『精神美』『優美な女性』そして、ソメイヨシノより早い時期に咲く河津桜の花言葉は、『想いを託します』だそうです。 第26話の📍ピンのテーマは 【想いを託します】です。 🌸
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so.ra
【ピンクッション物語】第25話 泣き疲れて頭痛だわ。 重い気持ちで階段を降りると、食卓で父と母がにこやかに迎えてくれた。 おはよう。 大丈夫? 昨日は有難うね。 美幸がテーブルにつくと、母が口を開いた。 あの後、父さんと相談してね。 ワクチンを打つのは延期することにしたわ。この後、どうなるかわからないし、仕事の事もあるし、今は結論を出せないけど、父さんとよく考えてみる事にしたのよ。 お前が言うことも考えてみた。 もしもの事なんて、父さんは考えなかったからな。お前にそんなに心配させてすまなかったな。 今日は母さんと休みができたから、2人でドライブにでも行ってくるよ。 父さんも笑って言った。 両親の言葉にほっとして、美幸は笑いながら泣いていた。 それから、一ヶ月が過ぎ、ワクチンを打たないと仕事ができないと父も母も会社を辞めることになった。 田舎の母さんが、もう田畑を世話ができないから、帰ってきてくれないかと言われてたんだ。 母さんと相談してね。2人で農業をすることにしようと思うんだ。 お前も、転校することになって申し訳ない。それに田舎の暮らしだがいいか? 父が尋ねた。 お義母さんに聞いたら、そちらはワクチン打たない人もけっこういるみたいだしね。 母が笑顔で続けた。 お父さん、お母さん、良かったね。もちろん、私は大丈夫。 自分の子供時代が終わる、そんなことを感じながら、父さんと母さんと生きる新しい時間を大切に生きようと、心に誓うのだった。 (続く) 第25話の📍ピンのテーマは モッコウバラ(木香薔薇)の花言葉から 【幼いころの幸せな時間】です ターニングポイントに咲いていた花は、とても印象深く思い出に残りますね。 それが名もない野の花の事もあるかもしれませんが、そこに花がある、その幸せを忘れないでいたいなと思ったりします。 今日のお花 モッコウバラ 4月のpicから
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so.ra
【ピンクッション物語】第24話 実はね、中学校に行ってもいじめは続いてたの。 小学校の時よりもっと陰険ないじめだった。それでも用務員さんと仲良くなって、精神的にとても助けてもらったんだ。そうでなかったら、学校に行けなくってたかもしれない。 用務員さんは、とてもいろんな事を知っていて、初めて人生で尊敬できる人に出会って、話を聞くのが楽しみだったんだ。でも、仕事を続けるのに私たちに迷惑をかけられないってワクチンを打って、死にそうになっちゃったんだよ。 美幸は、声をつまらせて少し沈黙したあと、続けた。 ずっと、生死の境をさ迷って、やっと一ヶ月してもちなおしたけど、もう前みたいに仕事はできないんだって。。。 とても元気にしてたのに。。花壇もとても大切にしていて、いつも花で溢れてたのに、学校の仕事もできなくなって辞めちゃったんだよ。 打って死んでも、30分以内じゃないと因果関係を認められないんだって。重い後遺症が残っても、治療費も保証されない人がほとんどなんだって。 もし、お父さんやお母さんが死んじゃったら、私はどうやって生きていったら良いの? 後遺症は9ヶ月後に遅れてやってくるって聞いたよ。もしも、お父さんやお母さんが身体が動けなくなったり、働けなくなったら、私一人でどうやってみていったら良いの? 父が口を開いた。 ははは。美幸は心配しすぎだよ。見てごらん、テレビで偉い先生方がちゃんと根拠を言ってるし、何しろ怖い病気なんだ、かかったら大変なんだぞ。 お父さん、テレビや新聞は本当の事は言わないんだよ。だから、みんな知らなくて。自分が死ぬとか、重い後遺症が残るとか思いもしなかったって。3回目を打ったら、ずっと打ち続けないといけない身体になっちゃうって、今までのワクチンとは違うんだよ。だから、お願い、もう一度考え直して。 美幸は嗚咽して、先の言葉が続けられなかった。 美幸の気持ちはわかったわ。 あとは、お父さんとお母さんで、話し合ってみるから。 有難う。もう、休みなさい。 母は美幸の背中をさすって優しく言った。 美幸は、頷くと部屋へと上がっていった。ベットに横になっても後から後から涙が止まらなかった。でも、ちゃんと想いを伝えることができた、これでいいんだ。美幸は、泣きながらいつの間にか眠っていた。 (続く) 第24話の📍ピンのテーマは プリムラの花言葉から I can’t live without you【あなたなしでは生きられない】です。 大切な人に、反対されるかもしれないと知りながら、言葉を伝えることはとても勇気のいることですね。 何が正しいか正しくないかなんて、誰にもわからないものだと思います。 でも、深く傷ついても嫌われても、大切に大切に思う人に生きていて欲しいから、一生に一度の勇気をふりしぼっても、伝えずにはいられない時もあるって思うんです。 🎀写真は外出先の花壇で出会った真っ赤なリボンが可愛い寄せ植えと、パンジーのコラボ。 パンジーに、こっちへ来る?って、話しかけてるように見えませんか🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第23話 大切なことは、いつだって言葉にするのがもどかしい。 両親がいなくなってしまったら、自分はどうやって生きていったら良いだろう。 後遺症は遅れてやってくる。 3ヶ月先、半年後、こんなはずじゃなかったとネットにはたくさんの涙が溢れていた。 国の認定も保証もなく、もしも両親が身体が動けず働けなくなったら、自分一人でどうやってみていったら良いんだろう。 愛しさと悲しみが溢れて、 美幸は涙が止まらなかった。 神様、一生に一度のお願いです。 どうぞ言葉が届くよう力を下さい。最後の最後のチャンス。 そう呟くと、 美幸は涙をぬぐって階下へ降りていった。 ねぇ、ちょっと聞いて欲しい事があるんだ。 今いい? なぁに?改まって。 いいわよ。 父と母は夕食を終わりリビングでくつろいでいた。珍しく早く帰宅した父がお笑い番組を見て笑っていた。 有難う。 父さんの笑い声聞いたのどれくらいぶりだろう? そんなことを思いながら、美幸は両親の向かいの椅子に座った。 でも、明日は注射だから、今日は早めに寝るつもりなの。 込み入った話なら、また今度ね。  母は、そう付け加えた。 うん。わかった。 短く話すようにするよ。 あのね、最初に、父さんと母さんにお礼を伝えたいの。 私を産んでくれて、今日まで愛して育ててくれて、本当に有難う。私は父さんと母さんの子に産まれて、本当に幸せだったよ。 美幸はそう言うと、両親に深々と頭を下げた。 おいおい、なんか別れの言葉みたいだな。 どうしたんだ、急に? テレビを見て笑っていた父が、美幸に視線を移すと怪訝そうに尋ねた。 うん。 別れの言葉かもしれない。 人の命なんて、ほんとは誰も明日なんてわからないものだもの。 私、足が不自由で、小さな頃からみんなにいじめられて育ったでしょ。醜いアヒルの子なら、白鳥になれるのに、私はこのまま大人になるのかって、この体を恨んだこともあった。 でも、いろんな事があったけど、父さんと母さんが一緒にいてくれて、私の心の痛みをわかってくれてた。 本当は、父さんや母さんに話した以上にひどいいじめにもあったんだ。死にたいと思ったことさえあったけど、生きてこれた。今までを振りかえったら味方がいる事にいつも支えられてきたなって、改めてありがたいなって思ったんだ。 だから、後悔しないように伝えたいなって。本当に有難う。 そう話す美幸の頬を涙が伝った。 どうしたの? 学校で、またいじめとかあったの? 母が心配して尋ねた。 ううん。違うの。 明日、父さんと母さんはワクチンを打つでしょう? 昨日、母さんと話した後、改めて調べたんだ。今はワクチンで死んだ人は1474人もいるんだよ。その数もワクチンを打って間もない人で、お医者さんが注射が原因の可能性があるって、診断書を書いてくれた人だけなんだよ。実際はその10倍はいるだろうって言われてる。そして、今も増え続けてるけど、それでも安全って言ってるんだよ。安全じゃないって何人死んだら言われるの?最初から何千人も何万人も死ぬ注射って知ってても、父さんや母さんは注射を打ったの? 溢れる涙をぬぐおうともせずに話す美幸の顔を、両親は黙って見つめていた。 (続く) 🌱ユーフォルビア・フロステッドフレーム パープレアと同じアミグダロイデス種で、新しい斑入りタイプです。 気温が低い時期に葉色が濃くなり、斑もピンクを帯びて見事です💕 気温が高い時期は斑は白く、葉色は深緑に変化します。花は淡い黄色。 冬季常緑〜半常緑。 第23話の📍ピンのテーマは、 ユーフォルビアの花言葉 『明るく照らして』です💖 親が子を思う心 子が親を思う心 時にすれ違うこともありますが、遥か遠い旅から帰る船の航路を照らす灯台のように、 それは消えることのない 明るくあたたかく、 力強く灯りですね✨ どんなに辛いときも 嵐の吹き荒れるようなときも 互いの心に寄り添い合って 心深くの愛を照らしあって、 その絆を紡いでいけたらと、 願いをユーフォルビアに託して投稿します。 🍀
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so.ra
【ピンクッション物語】22話 最近は、節約のため卓が食卓のテーブルで勉強することが多くなった。その卓のわきで、父も何やら勉強を始めた様子だった。 親父、何か資格に挑戦してるの? ある日、卓が切り出した。 ははは。 仕事で関わるお客様に、住宅関連の仕事をしている人がいてな、私にアドバイスを求められる事があるんだよ。今は経理の仕事見習いだからって遠慮させてもらってたが、社長から、できたら社員向けに話をして欲しいと頼まれてね。 まぁ、コンサルタントのような事なんだが。知ってることと話をすることは別だからね。勉強を始めたところだよ。 すごいね、父さん! いつかコンサルタントになって独立したりして。 そうさな。偉くなろうとは思わんが、どこにいようと役に立てる仕事ができることはありがたいことだ。 金儲けや地位をモチベーションに仕事を頑張る人をたくさん見てきたが、その先が果てがなくて、頑張り続ける人生も辛いもんだ。そんなことより、自分の持ってる力を役に立てることの方が、仲間にも恵まれて楽しいしなと思ってね。 それに、私は田舎育ちだから、どうも合理主義は肌に合わんで苦労する。 そう言って父は苦笑した。 そうか、俺も親父の考えに賛成だよ。俺が出会った大人は、あまり尊敬できる人はいなかったな。 あっ、でも、俺の学校の用務員さんは、無限実行で芯の通った人だなって密かに尊敬してたんだ。今は体を壊して辞めちゃったけど。。 ほぉ、尊敬できる人に出会えるのは貴重だ。つかの間でもそんな人に会えて良かったな。 誰にも良心があるもんだが、それを理解して実践することはなかなか難しい世の中だ。正直者が馬鹿を見るとか、言われるだろう。みんな馬鹿を見る事を繰り返して、だんだん自分らしくいることを諦めてしまうんだ。 確かに、ただ真っすぐなだけでは大切な人も守れない世の中だ。 賢く生きろと、お前にいつか話したな。 お前も何が真実で何が嘘かわからなくなることもあるだろう。私のように、自分がどっちの立場をとるか迫られるときもあるだろう。その時とっさには判断できないものだから、日頃から考えておくことだ。 信じた人に陥れられて、倒産してしまった会社もたくさん見てきた。社長も社員もいい人だったから、本当に残念でな。その時は私も一緒に泣いたよ。 だから、相手を見抜く眼を養うことは大切だ。それには、相手の態度や言葉の背景を考えるんだ。金の流れを見ると人の繋がりも見えてくる。 お前は、医者をめざしているが、医学の他に哲学も金融も歴史もしっかり学べ、そして、流されないように心の眼を開いて物事をよく見る事だ。 自分の欲を満たすために、人やものを道具のように使う人は、どんなにいいことを言っても偽物だと私は思う。力関係で、自分の考えが通らず無力感におそわれる事もあるだろう。だけど私は、世渡りは上手くなくても、自分の道を精一杯生きることで役に立つことなら、できるかもしれないと思ってるんだ。 まあ、ボチボチやるさ。 そんなことを言って、父は笑った。 そうだね、 自分がどう生きたいか、もう一度よく考えてみるよ。 仲間と繋がって、楽しみながら生きられる道があるなら、そんな道を生きてみたいな。 親父の仕事も、うまく行くように応援してるよ! 食卓に飾った菜の花に眼をやると、昨日まで蕾だった花が二輪開いていた。 春かぁ、新しい季節が始まっていくみたいだな。卓はポツリと呟いた。 (続く) 今日の花 アイリス 花言葉は『希望』『信じる心』『メッセージ』 第22話の📍のテーマは『希望』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です。 写真を投稿しなおしました。せっかくいいね👍️をくださった皆様ごめんなさい💦🙏😫 有難うございました。
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【ピンクッション物語】第21話 お爺ちゃんの病室からの帰り道、ひなは土手に座り茜に染まっていく雲を眺めていた。 思えば、短い間にいろんな事があった。 そんなことを思い返していると、 ひなさん? 声をかけられて振り向くと美幸が立っていた。 良かった。 たそがれて、泣いてるのかなぁなんて心配しちゃった。 美幸は笑うとひなの隣に並んで座った。 さっき買ってきたの。食べる? そういって美幸が差し出したのは焼き芋だった。 うわぁ、美味しそう! 2人は焼き芋を半分に分けて頬張ると、どちらともなく笑った。 ここで、大泣きしたっけね。 ついこの間なのに、すごくいろんな事があって、もう、1年前ぐらいの気持ちよ。 美幸が話すと、ひなも頷いた。 うん。今日は嬉しい報告があるの。 お爺ちゃんがだいぶ良くなって一般病室に移ったの。それで、今日お見舞いに行った帰り。 ほんとう!! 良かったね!! 美幸も満面の笑みで喜んだ。 うん。まだ、十分じゃないけど、これから少しずつ快復するだろうって。 お爺ちゃんね、わたしと弟が書いた絵をすごく喜んでくれてて、その絵を見ながら治りたい!治ろう!って思って甦ってきたって。。 それで、わたし改めて絵本作家をめざそうって思ったんだ。 そうなの。 人を勇気づけられるものがあるってすごいよね。 そうかぁ、絵が心を支えてくれたんだね。 わたしも、そんな生き方ができたら素敵だなぁ。 今日は、まだ体力が戻ってないから長話はダメって、看護婦さんから言われたから、あまり話せなかったけど。。春になったらお爺ちゃんに見せられるように花壇に花を植えようかなって思ってるの。 それは素敵ね。 わたし、今日は落ち込んでたから嬉しい話を聞いて救われたなぁ。 えっ、何かあったの? 美幸の言葉にひなが尋ねた。 美幸は昨夜の出来事を話した。 父さんと母さんをどうしたら止められるかな?生活のために仕事が大事で、それなら注射を打たなくちゃいけなくて。それはわかるけど、死んだり後遺症が残ったりしたらって考えたら、悲しくて辛くて夕べは眠れなかったの。 健康のためって言いながら、命をまでかけて打つ注射なんておかしいよね。その上、注射を打たないと仕事をさせて貰えないなんて、おかしいよね。 美幸の目からは、また涙が溢れた。 止められないかもしれない。 止めようとして話すことで、美幸ちゃんがたくさん傷つくかもしれない。でも、わたしなら、言わないで後悔するより、足にしがみついても止めたいって思うかも。大切なのは、大事な人に悔いのないようにちゃんと気持ちを伝えることだと思う。もしも、本当に注射で死んじゃったら、もう何も伝えることもできないんだって。。わたしもお婆ちゃんも、お爺ちゃんの事で、その事が身に染みたから。 ひなの言葉を聞いて、美幸はしばらく考えていたが、 そうだね。 もう一回、本気で話してみる。 きっと心が届くって信じてみるよ。 そういって涙を抜ぐった。 2人を包むように広がっていた柔らかな茜の空が、少しずつ藍色に変わり、家路を急ぐ鳥の群れが渡っていった。 🌱今日の花 アイリス 花言葉は『信じる心』『メッセージ』 第21話の📍ピンのテーマは『信じる心』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です💖
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so.ra
【ピンクッション物語】第20話 ひなが帰宅すると、お婆ちゃんがニコニコして出迎えた。 お爺ちゃんが一般病室にうつったよ。短い時間なら面会もできる。明日、婆ちゃんの代わりに行ってくるかね!? ほんとうに! やったぁ!! ひなは飛び上がって喜んだ。 翌日はよく晴れて青空がのぞいていた。 ひなが病室につくと、顔なじみの看護婦さんが検温を終えて部屋から出ていくところだった。 良かったわね。お話もできるわよ。 でも、疲れさせないように短時間でね。 看護婦さんにお辞儀をして病室にはいると、窓際のベットに一回り小さくなったお爺ちゃんが寝ていた。 お爺ちゃんはひなを見つけると、優しく微笑んだ。 久しぶりだねぇ。 来てくれて有難う。 心配かけたね。 その声を聞いただけで、ひなの目から涙が溢れた。 ほんとうに心配したよ。 一生分心配したんだから。 ベットの隣に置かれた椅子に腰をかけて、お爺ちゃんの胸に顔を埋めたひなの頭を、お爺ちゃん手がそっとふれた。 なぁに、わしはしぶといからのぅ。もう一度やってこいと追い返えされたんじゃ。 もう、大丈夫だよ。 ひなは頷くと涙を拭って言った。 もう、誰かのためなんてやめてね。お爺ちゃんは世界でたった一人のひなの大事なお爺ちゃんなんだから。 ひなの言葉を聞くと、お爺ちゃんはベットの横を指さした。そこにはひなと弟がお見舞いに書いた何枚もの絵が飾ってあった。 あの絵を見て元気をもらってたよ。元気になって花壇の世話をして、お前たちと花に囲まれて笑って過ごす夢を何度も見たんじゃ。有難う。元氣になったら続きの絵が見られなくて残念だがなぁ。。 お爺ちゃんは、ゆっくりゆっくり話をすると、ひなの方を見て嬉しそうに笑った。 大丈夫だよ。 何枚だって、ひなが婆ちゃんになったって書いてあげる。 だから、元気なっていっしょに花壇を作ろうね。 2人が見つめる窓の外では、桜の枝に蕾が膨らんでいた。 嬉しい気持ちと安心が入り交じったこそばゆい気持ちで、ひなは窓から空を見上げた。 病室から見下ろす桜の足元には、小さなパンジーが嬉しそうに花びらをゆすりながら、風にキラキラと光っていた✨✨✨ 黄色のパンジーの花言葉は「つつましい幸せ」 第20話の📍のテーマは『つつましい幸せ』です 🌱ビオラ タイガーアイ 印象的な格好いい花ですね🎶。 蝶の羽の模様のような花びら🦋🦋🦋午後の光が当たって、風の中を飛び立っていきそうでした🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第19話 ねえ 、お母さん お母さんはどうして今の仕事を選んだの? 今日は、珍しく帰りが早かった母と、こたつでみかんを食べながら美幸が聞いた。 美幸の母は老人ホームで働いており、いつも帰りが遅かったが、その日は用事があって半日休をとったので、久しぶりにのんぴりしていた。 どうしたの、急に? それって、学校の宿題のインタビュー? やだぁ、違うよ。 毎日会ってるのに、仕事の話をちゃんと聞いたことがなかったなって。 そうねぇ、ほんとは、人の役に立つためとか格好いいことを言うと、母親として尊敬されるのかも知れないけど。。 笑いなが母は続けた。 たまたま家の近くに求人があったのよ。そこに『ゆったりとお年寄りのお話し相手』なんて書いてあるから、ゆっくり楽しくできそうな仕事で良さそうって思っちゃったのよ。 それに、職場が近いから、お昼を家に食べに帰れるかもなんて思ったのよね。あなたは、小さい頃体が弱くてよく熱を出してたしねぇ。 そうなの? それで、実際は? 募集要項の話しは、最高のエサで、母さんはまんまと食いついちゃったと言うわけ😁でも、入ったら結構激務だったのよ。 ほんと。しんどい、しんどい。 こんなに肉体労働とは思わなかったわ。それに、人間関係もいろいろとあるしね。 そうなんだ。 お母さんよく長い間続けてこれたね。 そりゃあ、やめたいと思ったことは一度や二度じゃないわよ。でも、家の近くで働ける所なんてそうそうないしね。職場の同僚は恵まれたしね。女性が多い職場だからね、人間関係が良くないと噂を聞くホームもあるけど、うちは家族的で恵まれてるかな。それに、入所者さんがくれる笑顔は励みになるしね。 そうかぁ。じゃあ、お母さんはまずまず幸せな職場で働けてるんだね。老人ホームなら、職場が倒産することもないから安心だね。 すると、母がため息をついた。 どうかねぇ。 最近、具合の悪い人が増えてきて、今日は誰かが急変しないかってヒヤヒヤだよ。流行りの病のせいか、注射のせいかわからないけどね。 どこも大変なんだね。 うちの学校の用務員さん、友達のひなちゃんのお爺ちゃんなんだけど。この前、注射のあと入院しちゃって大変だったみたい。それで、ひなちゃんから、注射は受けないでっていろいろ教えてもらったの。 母さんは、もう二回打ったから 注射をしなくても大丈夫なんでしょう? いや、それがね、施設長から3回目も全員受けるように言われてねぇ。3回目は、後遺症も酷いらしいしね。母さんは2回目の時に、熱が出て寝込んじゃったから『今度はやりません』って言ったんだけどね。職員が全員申し込んでいて、『一人やらないでうつったらどうするの?』ってみんなから言われて、受ける羽目になっちゃったよ。 注射は明後日だから、その日はご飯の支度を頼んだよ。 えっ!もうすぐじゃない! ダメだよ。中に入ってる成分が劇薬なんだよ。ちゃんと説明書に書いてあるよ。打ったら自分の免疫も攻撃するから、3回目からは免疫が限界で、激落ちしてエイズみたいになっちゃうらしいよ!ねぇ、キャンセルできるんでしょ、キャンセルしてよ! 美幸は必死に母を説得したが、母は『それは陰謀論よ』ととりあわなかった。 偉いお医者さんも大丈夫って言ってるし、それに、受けなかったらやめなくちゃならなくなるでしょ。そしたら、明日からどうやって食べていくのよ。 このご時世で、次の仕事なんか見つからないわよ。 父さんも同じ考えなのよ。 だったら、打った後1444人も亡くなってるし、重い後遺症で今も苦しんでる人が6349人もいるんだよ。ものすごい数でしょう。ひっきりなしの救急車の音、母さんも聞いてるでしょう? 美幸が必死で説得したが、母は、みんな受けるし、私は丈夫だから。と笑って受け付けなかった。 それどころか、 あっそうそう。 実はね、お父さんもおんなじ日に予約したのよ。父さんの会社も全員打つように勧められたって。2人で行った方が、何かあっても心強いねって一緒に打つことにしたんだよ。 え~っ!ダメだよ! 何かあってからじゃ遅いんだよ。治療薬も、後遺症を戻す方法もないんだよ。死んでも注射のせいだって認められた人は一人もいないんだよ。異物混入の注射液で死んだ人もいるのに、謝罪も中止にもならないんだよ。賞味期限の切れた注射を、賞味期限を伸ばして打ってるんだよ。しかも、ひとつ前のウイルス用に作った注射を打ってるんだよ。おかしいでしょ。だからお願い、キャンセルして! 美幸は必死で説得したが、 母は大丈夫よ、心配しすぎ。 と笑って席をたってしまった。 どうして声が届かないんだろう。どうして、ちゃんと聞いてくれないんだろう。 美幸は、母を説得できなかった事が悲しくて涙が止まらなかった。重い足取りで階段を登り部屋へ入ると、ベットにたおれこんだ。 みんななんで命がけで注射をするの!命より重い仕事なんてあるの!みんなを苦しめて、家族もバラバラにして、こんなの間違ってる!美幸は一晩中泣き続けて、その晩は一睡もできなかった。 (続く) 19話の📍ピンは 「エリカ」の花言葉「孤独」です。 🌱エリカは、別名「ヒース」と呼ばれ、英語で「荒野」という意味を表すそうです。ヨーロッパの広い荒野に自生するエリカ、圧巻の風景なんでしょうね。花言葉「孤独」や「寂しさ」は、たくさんの花を咲かせるエリカの花からは想像がつかない花言葉です。寒風の中、ピンクの透き通るような優しく美しい花を咲かせていたエリカの花に、荒野に咲くエリカの姿を重ねました。白に紅をさしたようなエリカがとても綺麗でした。 🌱
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