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玉蜀黍の一覧

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玉蜀黍(トウモロコシ) イネ科トウモロコシ属の一年草。小麦、稲に並ぶ世界三大穀物。原産地はメキシコとペルー、ボリビア、グアテマラ地域の2ヶ所以上とする説が有力である。紀元前5000年頃野生の近縁種から栽培植物化したといわれる。テオシントおよびトリプサクムと呼ばれる植物に由来するとする説があり、テオシント説とトリプサクム説と呼ばれるが、決定的な証拠はなく、いまだに論争が続いている。15世紀末、コロンブスの新大陸到達後、直ちにヨーロッパへ、100年ほどで世界中に広まり、現在では世界の農業に欠かせない作物となっている。生産量はアメリカが最も多く、全世界の収穫量の約40%を占めている。次いで中国、ブラジル、メキシコとなる。遺伝子組換え品種の開発が最も進んでいる作物のひとつでもあり、アメリカを中心に普及が進んでいる。 日本には1579年、ポルトガル人によって導入された。平地よりも、稲作ができない九州の阿蘇山麓や四国の山間部、富士山麓などで栽培されるようになった。江戸時代には珍品であったが、当時のトウモロコシは実が赤かったので売れず、雷除けになるとして浅草のほおずき市に売りに出したところ大反響を呼び浅草名物になった。北海道には明治初年にアメリカから品種が導入された。現在、日本では約13万haの栽培があるが、そのうち約10万haは飼料用である。主な生産地は北海道が全体の約6割を占め、千葉県、茨城県なとが続く。食用として栽培されるのは一般にスイートコーンと呼ばれる種類がほとんどで、遺伝子のタイプによって、スイートとスーパースイートに分けられる。現在、青果用として店頭に出回るものはほとんどが甘みの強いスーパースイートコーンである。スーパースイートよりも甘みの少ないスイート種はほとんとが缶詰用として加工される。サラダや中華料理に使われるヤングコーンは、青果用のスイート種の二番雌穂を利用したものである。 葉はイネ科特有の葉鞘と葉身からなる。葉身は幅5〜10㎝、長さ数十〜100㎝ほどと長く、互生する。葉鞘は節間とほぼ同じ長さで茎を包む。生長した丈は1.5〜3mに達する。花期は6〜8月。下位節には分げつ(分蘖)を生じ、雌穂をつけることがある。茎の頂部には雄穂、中位以下の葉腋にはオニ皮(苞葉)に包まれた雌穂雄穂をつける雌雄同株の異花で、着粒の95%ほどは風媒受粉による。雌しべの花柱、柱頭は長く糸状に伸び、絹糸とよばれる。この1本1本が子房につながる。トウモロコシの穀粒ひとつぶに対しひげが1本ある。雄花が数百万の花粉粒を放出し、その一部が雌花の絹糸に付着する。平均的なコーン1本分の穀粒は500〜1000粒で、ふつう16列に並んでいる(常に偶数列)。春播種、秋収穫を基本とする。マルチ、トンネル、ハウス利用によって、大幅な作期拡大や早期収穫ができる。旬は7〜9月。 トウモロコシが伝来する以前に日本にはモロコシキビ、略称でモロコシという作物があり、漢字で『蜀黍』と書かれた。その後ポルトガル人によりトウモロコシが伝わり、唐(舶来)のモロコシの意味でトウモロコシと呼んだ。トウモロコシはモロコシより美味しい穀物として『玉蜀黍』と書かれた。玉には形容詞で『美しい』の意味があり、美には『美味』の意味もあるので『美味しいモロコシ』の意味になる。 出典『食材図典』『野菜・山菜ハンドブック』『薬草の呟き』『トウモロコシの科学』『トウモロコシの歴史』『野菜園芸大百科』『野菜の秘密』『草木名の語源』
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