野良人参。昨年、北海道の奥尻島で見たノラニンジンもずいぶん大きい花だと思ったが、八ヶ岳山麓のノラニンジンはそれ以上だった。里山の道の辺にひと叢あったのを見つけた。正確に言えば、茎頂の白い花は半球状を意味する穹窿（きゅうりゅう）型の複散形花序である。

試しに、ま俯瞰から撮ったら、氷河期の白い地球みたいだった。（貧しい想像力からひねり出した比喩になったけれど、）極大もしくは極微の美だ。写真を拡大するピンチアウトしてもらうと、わかってもらえると思う。自然が創り出す美しい造形は、人智を超えて見事。
野菜のニンジンが野にエスケープしたらしい。なのに、根は赤くないし、肥大もしないようだ。野生にもどると、食われてたまるかと、植物も思うのだろうか。