生まれて初めて、自然乾燥のバラのドライフラワーを作った。

11月22日の日(いい夫婦の日)に、贈った切り花をドライフラワーにしたものだ。

切り花の時は香りがなかったのに、ドライフラワーにすると、バラの強い香りが出てくるから不思議である。

三階の第二の書斎に一本ずつ吊るしていたバラである。

ドライフラワーにすると花の直径は4分の1くらいになる。

妻は、息子のアルコール依存症のために明るい未来が閉ざされることになるので、気持ちがとても塞いでいる。

そこへ、吊るしていたドライフラワーとなったバラを結婚式の時に仲人の私のゼミの先生からいただいた花瓶にさして、ベッドルームへ持っていくと、暗かった顔がいっぺんに明るくなった。

そして、妻はいった。テレビの台を整理して、そこへ置くので、その辺に置いといて、お父さん、ありがとう、と。

私は、その事については、もう決断したので、法的措置の流れをネットと六法全書で調べている。

息子が気づかない内に、毅然とした姿勢で臨めるように準備が必要なのである。

思えば、私が法学部法律学科に入って、一番勉強したのは、民法の親族・相続法分野と民事訴訟法である。

あのときは、父と母の離婚を想定して、一番よく勉強したのだ。

今度は、息子とお嫁さんのことで再学習することになるとは想いもしなかった。

私は、今日も咳と熱が続いていたので、点滴を打ちに病院へ行った。

それで、午後は静養しようとしていたが、妻が息子ショックのために気分が悪くなり、気分転換のため、園芸店でいいからドライブに連れて行って欲しいと言うので、行ってきた。

行くのであれば、お小遣いで花を買おうと考えて、気持ちを切り替えて出掛けた。

ネモフィラ2ポット、セントーレア3ポット、アスター5ポット、計950円で買った。

自宅に帰って、微熱があったが落ち着かないので、90分ほど花がら摘みと水やりを一部行い、妻が呼んだので、買ってきた弁当を食べた。

お嫁さんには、気分転換になるように、花の写真をラインメールで送った。

妻は、息子のふがいなさに、ドライブへ行く前に、涙していたので、それを察して動いたのである。

妻は、お嫁さんと孫の不幸な境遇を自分の境遇と比べているうちに、涙が溢れてきたようであった。

それでも、時間は淡々とすべてに平等に進む。

息子は家族に甘えきっているが、私はその甘えは家族への辛い迷惑になるので、赦しはしない。彼は、私の生き方を見てきて、知っているのに、愚かだから、赦されるとでも思っているのであろう。

私が赦さないのではない、天が彼を赦さないのである。

それがアルコール依存症によって
認識出来なくなっている愚かな息子である。