■Dioon califanoi

・ディオーン カリファノイ

買ってしまった。植え替えたいけど我慢。5年後、10年後が楽しみです。

最高気温20℃、最低気温12℃

〜ディオーン・カリファノイ（Dioon califanoi）の要点まとめ〜

​I. 特徴と形態
​形態的特徴: メキシコ南部オアハカ州原産の稀少なソテツで、「カリファノイのソテツ」とも呼ばれます [1]。成長は非常に遅い（slow-growing）です [1]。
​葉の構造: 葉はエレガントなアーチ状で、小葉（リーフレット）が葉軸に沿って密に配置され、明確なV字型を形成し、横から見ると**鋭く竜骨状（keeled）**に見えるのが大きな特徴です [1, 2]。幼植物は青灰色ですが、成熟すると濃い緑色または灰色がかった緑色になります [1]。
​保全状況: 自然環境下では絶滅危惧種（Endangered species）に指定されています [3]。

​II. 耐寒性と最大の栽培リスク
​耐寒性の範囲: ソテツ属の中では比較的寒さに強く、一般的にUSDA Zone 9a（最低平均気温-6.7℃〜-3.9℃）に分類されます [3]。生存限界温度については、**-5℃から-10℃**の範囲が報告されています（例：-7.8℃ [4]、-5.0℃ [5]、保護下で-10℃ [6]）。
​葉の損傷: 株全体は低温に耐えますが、葉は**-7℃〜-8℃未満**になると霜害を受け、美観が損なわれるリスクが高まります [7]。
​最大の脅威（ロト）： 原生地が高地の乾燥した岩の多い環境であるため [1]、低温そのものよりも、**低温期における過湿（水浸し状態）が原因で発生する根腐れや冠腐れ（Rot）**が、栽培における最大の死因となります [1]。

III. 栽培管理（育て方）
・日照
部分的な日陰から完全な日当たりまで許容されますが、冷涼な地域では完全な日当たりを好みます [4]。
・土壌 鋭い排水性を持つ混合物（Sharp-draining mix）が絶対条件です [1]。市販のサボテン・多肉植物用ミックス、または培養土、園芸土、砂などを混ぜ、パーライトなどを加えた配合（例：培養土40%、園芸土40%、砂20%）が推奨されます [8]。pHはアルカリ性から中性（pH 6.0〜7.5）を好みます [8]。
・水やり **控えめ（Low）または中程度（Moderate）**に。最も重要なのは、水を与える前に土壌が完全に乾燥していることを確認することです [1]。過剰な水分は厳禁です。
・施肥 活発な生育期（春から夏）に、バランスの取れた緩効性肥料（例：10-10-10）を適量使用します。地植えの場合、肥料は基本的に不要です [9]。
・植え替え 成長が遅いため、鉢が根でいっぱいになったときに2〜3年ごとに行うのが適切です。時期は早春から春中期が最適です [8]。

IV. 冬越しと注意点
​冬季の最重要対策: 低温期には生育が停止するため、腐敗を防ぐために水やりを厳しく制限し、土壌を乾燥状態に保つことが絶対条件です [1]。
​鉢植えの管理: 霜が降りにくい日当たりの良い軒下などに移動させ、北風などの強い風が直接当たらないように防風対策を施します [10]。
​物理的保護: 霜が予想される（0℃以下）場合は、不織布（べたがけシート）や寒冷紗で植物全体を覆い、葉の霜害を防ぎます [10]。-5℃以下になる場合は屋内に取り込むことが安全です [6, 5]。
​毒性警告: 種子を含むすべての部位は、人間やペットに対して**毒性（toxic if ingested）**があるため、注意が必要です [9]。