小学校の頃　運動会は必ず10月にあって
その後に徒歩の遠足があった。

往路の記憶は薄い。
往路は緊張感があり、整列して脱落しないように
頑張って歩くからだろうか。

復路の記憶は色々ある。
たいてい田んぼ脇をダラダラと
往路とは違い、仲良しメンバーとオシャベリしながら
のんびり歩いた。

小学校高学年だと誰からともなく猥談の端くれが出たりする。
「えっ？！そうなん？！」と、とんでもない勘違い情報に
目玉が飛び出すほど驚きながらダラダラ歩く。

リラックスしているから歌を歌ったりもする。

礼子ちゃんは仲良し5人組の中で頭一つ背が高く、
1人だけちゃんとおっぱいが大きかった。

その礼子ちゃんが　当時流行っていた大信田礼子の『同棲時代』を朗々と歌い出し、チビでオクテな我々も歌った。

ふたりーーはいーつーもーーー
きずつけあってくらしたーーー

10月下旬だから稲刈りの景色
今のようにコンバインなんかない。
人力で刈り取ったイネが干してある。

長閑な景色の中、空に溶けていった『同棲時代』は
トンチンカンな青春の幕開けであった。