『花まんま』　10月1日　映画の日

朱川湊人の名作が、20年を経てスクリーンに蘇った。
『花まんま』――それは、小さくとも深い“記憶”が奏でる、兄妹の物語。

大阪の下町で暮らす、俊樹と妹・フミ子。
幼い頃、父との約束「どんなことがあっても妹を守る」を胸に、
俊樹は妹を守り続けてきた。
そしてフミ子の結婚が決まり、ようやく肩の荷が降りるはずだったそのとき。
封印していたはずの “秘密” が、静かに蘇る。
実は、フミ子は幼い頃から、かつて若くして亡くなった女性・喜代美の記憶を宿していたのだ――。

　俊樹は妹を守るという責任と愛情で揺れ動き、フミ子は“自分自身”と“他者の記憶”の狭間で葛藤する。
その心の交錯が、一瞬一瞬にドラマを生む。
原作では幼少期のエピソードが中心だが、映画では大人になった二人の姿も描かれ、物語に奥行きを与えている。 
思い出の風景、記憶の残像、未来への願い――
どの時間軸にも、感情の振幅があって心を揺さぶる
昭和・昭和後期の大阪の下町の空気感がリアルに再現されている。 
狭い路地、お好み焼き屋の暖簾、夕暮れの光――どれを切り取っても懐かしく、物語の時間へ誘い込まれた

結婚式前夜、22年にわたって封じられてきた秘密がついに明かされるシーンは、胸が張り裂ける。 
「過去をどう受け入れ、どう生きるか」――選択の瞬間が鮮烈に描かれる


原作を読んだ時抱いた切なさ、奇妙な記憶の重み、ふたりの間に漂う “言葉にならない想い"
映画化を知り胸に蘇ったあの震え、「おっ🤩花まんまか‼️」と驚く再会の歓びが、まさにフィルムになって目の前に現れた。
スクリーンの一瞬、一瞬に懐かしさと新鮮さが交錯する体験ができた。


家族・兄弟姉妹の絆をテーマにした物語が好きな方
記憶・前世・秘密を題材にした物語に惹かれる人
昭和レトロ・下町ノスタルジーが好きな人
原作小説を読んで、映像化でどう変化・深化されたかを楽しみたい人

そんな方々にお勧めの映画です🎬




原作『花まんま』（朱川湊人の短編集）には、子どもたちが イヌタデを赤飯に見立ててままごと遊びに使う描写 が登場します。
だからこそタイトルが「花まんま」＝イヌタデ（アカマンマ）に由来しているんですね。

ただし――
🎬 映画版ではイヌタデそのものは直接描かれていません。
映画は兄妹の「記憶」と「秘密」を中心に描くため、舞台装置としての花の描写は原作より抑えられています。
でもタイトルや作品世界の根っこには、やっぱり「イヌタデ＝赤まんま」のイメージが流れているんですよ。

🏷️映画の日　参加します
🏷️今日のお花　イヌタデに因んで！

今月も宜しくお願いします。