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一筆狼さんのヒナギキョウ,平等院の投稿画像

2024/06/16
雛桔梗。キキョウ科。超長文。
10日ほど前に京都に行った折、「光る君へ」の思い入れもあって宇治に寄った。源氏物語の最後の宇治十帖の舞台。源氏物語は口語訳をざっと読んだだけの情けない初学人だが、雅びに触れることができた。

深閑としたさわらびの道には平安時代後期に建てられた日本最古の神社で、世界遺産の宇治上神社や源氏物語ミュージアムを見学。宇治川の豊かな流量と速い流速に目を見張り、人生にしばし思いを重ねた。
話が思い切り逸れた。

宇治といえば、もうひとつの世界遺産が平等院。時の関白、藤原頼通が、父にあたるかの道長の別荘を寺院に建て替え、1052年に創建。極楽浄土の宮殿を模した鳳凰堂に阿弥陀如来坐像が安置されている。
鳳凰堂の前には阿字池があり、その正面のほとりはよく手入れされた草地がある。ここで見つけたのが、高貴なうす青紫色のヒナギキョウであった。(やっと花に行き着いた。)

花期は5〜8月で、漏斗状鐘形の花を長い花茎の先に一個ずつ付ける。似ているキキョウソウは「段々桔梗」の別名があり、花を葉脇に1〜3個つけるので違いがわかる。

特筆すべきヒナギキョウの花は、自家受粉を避けるため雄蕊が先に成熟し、花粉を出す雄性先熟。その後、雌蕊が成熟。雌性期に花柱の先が三裂する。写真からは雌性期に見える。

刈り取られてもすぐに再生し、花を咲かす雑草性が高い。根が深いため引き抜くことがむずかしいようだ。高貴に見えても民草は打たれ強いのだ。

いつもヒナギキョウは鳳凰堂を憧れの目で見つめ、この世の極楽にありながら、真の浄土へ行けぬ「流転生死」を繰り返している。
なんと無常であろうか。

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植物