そう莢に　延ひおぼとれる　屎葛
絶ゆることなく　宮仕へせむ

　　　　　　高宮王　　万葉集

焼けつくような日射しのもと
そう　本来なら8月頭には咲いていた
であろう　五月女花
あまりの暑さのせいか
ようやく　こちらでも咲き始め…

田植えをする五月女の笠に
この小さな花が似ていることから
サオトメバナという可憐な呼称
そして広く知られる名は
ヘクソカズラでしょうか？

花や茎　全草を傷つけると
悪臭を放つことからの由来
臭い成分にメチルメルカプタン
動物の放屁や糞に含まれるものと
同様の成分をもつことから
なんとも不名誉な名で呼ばれます。

ママコノシリヌグイ
オオイヌノフグリなどの
あわれな呼び名の植物の中でも
一度聞いたら忘れられない名では
ないでしょうか

よく見れば中心が濃い紅色で
かわいらしい花です。
葛(カズラ)とはツル性の植物の総称
暑すぎた夏の終わりに
逞しく咲いています。
しばらくすれば黄色い実を
つけるでしょう。

ご存知ですか？　その実は
生で　または乾燥させて
民間医療または生薬　果ては
美顔化粧品にもなるそうです　笑
乾燥させると不思議と
その悪臭はしなくなります。
物のない頃の先人の知恵は
侮れないものです。

アカネ科　ヘクソカズラ属
日本全土及び　東アジアに
自生する　ツル性多年生植物
陽当たりのよい山野　藪や道端
草地などに地下茎をはり自生する
花言葉は　誤解を解きたい

私たち人は　言葉を駆使し
意志疎通をはかります。
挨拶やイエス　ノーは良いとして
どれくらい違えずに　自分の思いを
相手に伝えてられているでしょうか。
目耳にしたものですら
個々に受け取るものが違う有り様
思いもしない　受け取られ方に
当惑することもありましょう。
便利であるはずの言葉も
時として　厄介なものです。

誤解を解きたい
誰がつけたか分かりませんが
さもありなんと頷けますね。
ひとの勝手に奇異な名をつけたり
植物たちも迷惑かもしれません　笑

今日１日　お疲れ様でした。