ウチョウラン

好きな人というのはこうなのだ。
どれだけの鉢数だろう？
車のガレージのような鉄骨の小屋の中がいっぱいである。
聞くと、この三倍以上があったと言い、体調が思わしくなく、奥さんを亡くしてから更にのめり込んだと言うが、限界を超えて、病魔に犯され、三分の二を廃棄したと言うのである。

誰もが通る道。
自分にも、新たに覚悟を迫る。
あの世とやらに行ってから、詫びるべき奴らが待っている自分も、植物と言えど、覚悟は問われなければならない。

天井は遮光ネットで覆われていた。
聞くことを忘れてしまったが、25パーセントと50パーセントの網だろう。二重になった天井の覆いは自由に開閉が可能なようである。

友人の知人がウチョウランをやっていると言うので、頼み込んで見に行った。
安易に植物と言えど、集める事の怖さを突きつけられたが、元々覚悟もある。
これほどの管理をしても、他人に差しあげはしないで廃棄の道を選ぶべきなのだろう。
蘭の栽培は、命懸け。