*･゜ﾟ･*春雨と紫蘭*:.｡. .｡.:*･

『死より怖いもの』　　41歳・社会福祉士

19日付け本欄の投稿「死に向き合って」を拝見しました。書かれている内容はもっともであり、「死」を深く考えようとする投稿者の思いがよく伝わってきました。

一方で、自死の問題についてはひと言、お伝えしたいと思います。自死は投稿者のいうように、あってはならないことであると私も思うし、「生きたくても生きられなかった」人々のことを思うと、やりきれない気持ちにもなります。

私も子どもの時分はいじめに遭い、投稿者と同じくそれを原動力に変えてきた者です。ところがある時に、その考えにくさびを打たれるような出来事が起きました。

私と同じ年の愛知県の少年が、いじめを苦に自死したのです。詳細は割愛しますが、公開された彼の遺書やいじめの実態を知るにつれ、私は「死より怖いもの」が彼の中にあったのだと思うようになりました。

誰にも相談できず、事態を解決する力もなかった彼にとっては「死」が唯一の救いだったのではないでしょうか。そのような人に、「生きたくても生きられない人」のことや「そのつらさを原動力に」などと言っても伝わりません。

死を選ぶほど苦しい状況にある人にはその思いを否定せず、かつ「私はあなたに生きてほしい」という寄り添いのメッセージを伝えることが大切ではないでしょうか。

　　　　高知新聞🗞【声ひろば】4/27掲載

⭐️紫蘭の花言葉
　『あなたを忘れない』『変わらぬ愛』

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