４月は卯月。穏やかな陽気に誘われ、草花が咲きだし、虫たちも土中から顔を出し活躍し始める季節。
私の散歩道の道際等の草花達も、その硬い殻を脱ぎ去って、自己表現を大きくし始めている---

３月からの、草花達の満面の姿、姿---その8。

　／この時季に、仲良く並びて観るは越年草と多年草／

　　　　　　　ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
　　　　　　　ムスカリ(グレープヒアシンス)

＜‘ヒメオドリコソウ‘の植物分類、下記の「ヒメオドリコソウ」より
次に:
→越年草* (秋に発芽して越冬し，翌年に開花結実する草本植物。発芽から、生長、開花、結実、枯死までが１年以内で年を越す草本のこと。越年生植物、越年生草本ともいう。アブラナ、ヒメジョオン、ハハコグサなど)＞

＜’ムスカリ‘の植物分類、下記の「ムスカリ」より次に:
→多年草* (秋になると地上部はかれるが, 地下茎 または根が生きのこり,翌春になるとこれから新しく茎 や葉を生ずる 植物 。毎年茎や葉を伸ばす草本。ニリンソウ、ウラシマソウ、シバザクラ、エビネ、カタクリなど)＞　　　　
　
　* ( )内の出典: “「越年草と多年草はどう違うのか」について考える”より。その他の植物分類は、上記も含めて最下記の項目に記述。


・ヒメオドリコソウ＜姫踊子草＞(シソ科 オドリコソウ属)
(備忘: ヒメオドリコソウの属性等について 4/2 ’21)

・ムスカリ＜別名 グレープヒアシンス＞(キジカクシ科 ムスカリ属)
　ヨーロッパの地中海沿岸部から西アジアにかけて約40種が分布する多年草。
元来の自生地は主に地中海沿岸部であったが、現在は北ヨーロッパやアメリカなどでも帰化している。
日本でも栽培を逸出したものが野生化しているのが各地で確認されている。

美しい花を咲かせることから数種が観賞用として栽培されているが、最も普及しているのは、ムスカリ・アルメニアカム種と、ムスカリ・ボトリオイデス種。
日本では30数年前頃から市場に流通するようになり、現在では春の花壇を彩る定番の球根として広く普及している。

ムスカリの花期は3月～5月上旬。
花期になると、伸ばした花茎の上部に花序を出し、花径3～5㎜程度の小さな花を密に咲かせる。
花はつぼ型で、下向きに咲く。

この花姿がブドウの房に似ていることから、グレープヒヤシンスの英名を持つ。
花色は基本種の青の他、紫、ピンク、白。
一つ一つの花は小さなものだが、マット状に群生したムスカリが一斉に花を咲かせる様子は、青い絨毯のようでとても美しい。

葉はやや肉厚の線状で、数本が根生する。
葉は秋に芽を出し、花が咲いた後、夏には地上部を枯らせて休眠し、再び秋に芽吹く。

耐寒性が高く丈夫な性質。植えっ放しでもよく増え、よく花を咲かせる。

＜ムスカリの名前の由来＞
ムスカリの名前はギリシャ語の「じゃ香(ムスク)」に由来するが、一般的に広く普及しているムスカリにはほとんど匂はない。
ムスクの香りがする花だと思っているとガッカリする。

では何故ムスカリと呼ばれるようになったのか。
それは、ムスカリ属の1種の花が、じゃ香のような甘い香りを放っていたから、と言われている。
現在では香りの強い園芸品種も流通しているが、「ムスカリ」として一般的なムスカリ・アルメニアカム種やムスカリ・ボトリオイデス種には香りはほとんどない。

＜ムスカリの主な品種＞
→ムスカリ・アルメニアカム
ギリシャ、トルコからコーカサスに至る地中海地方東部の森林や牧草地などに分布するムスカリで、ムスカリとして最も普及している。
草丈15～20㎝程度に成長し、青から青紫の花を咲かせる。
多くの園芸品種も流通している。

→ムスカリ・ボトリオイデス
ヨーロッパの中部、および南東ヨーロッパの森林や草原に分布するムスカリ。
ムスカリの中ではやや小型で、草丈15㎝程度に成長する。
花は丸っこく、花色は青から青紫。

→ムスカリ・ブルースパイク
アルメニアカム種の八重咲き品種です。
草丈15㎝程度に成長し、ボリュームのある花を咲かせる。

→ムスカリ・ビーナス
ムスカリ初の純白の花を咲かせる品種。
花序下部が淡いブルーになるツートンカラーの‘バイオレットビーナス’も人気がある。

→ムスカリ・ゴールデンフレグランス
「ムスカリ」の名前の由来になったモスカツム種の園芸品種。
草丈15～20㎝程度に成長し、黄色の花を咲かせる。
花は大きく他のムスカリとはかなり異なった印象。
花には甘い芳香がある。

→ムスカリ・コモサム
東ヨーロッパ、アジアに分布するムスカリで、ハネムスカリの和名を持つ。
草丈20～60㎝に成長する大型種で、上部の花は長い花柄を持つ。
園芸品種のプルモーサムが有名。
プルモーサムは全ての花が長く縮れた花柄を持ち、羽毛のように見えることから羽毛ムスカリとも呼ばれている。

他にも数多くの園芸品種が流通している。

(出典・参考: ガーデニングの図鑑)


・植物分類(出典: “「越年草と多年草はどう違うのか」について考える”)
植物には、「一年草」「二年草」「越年草」「多年草」「宿根草」などがあるが、その違いはよく分からないものがある。

→越年草(えつねんそう) 秋に発芽して越冬し，翌年に開花結実する草本植物。発芽から、生長、開花、結実、枯死までが１年以内で年を越す草本(冬型一年草)のこと。
越年生植物、越年生草本ともいう。アブラナ、ヒメジョオン、ハハコグサなど。

→多年草(たねんそう） 秋になると地上部はかれるが, 地下茎 (けい )または根が生きのこり,翌春になるとこれから新しく茎 (くき )や葉を生ずる 植物 。毎年茎や葉を伸ばす草本。ニリンソウ、ウラシマソウ、シバザクラ、エビネ、カタクリなど。

→一日花(いちにちばな) 開花した花の寿命が一日しかない花。咲いた花はその日のうちにしぼんで咲き終わる。アサガオやハイビスカスなど。

→一年草(いちねんそう) 発芽から、生長、開花、結実、枯死までが１年以内で年を越さない草本のこと。一年生植物、一年生草本ともいう。アサガオ、ヒマワリなど。

年を越すものは越年草、越年生植物、越年生草本という。

→二年草(にねんそう) 発芽から、生長、開花、結実、枯死までが１年以上数年未満の植物のこと。二年生植物、二年生草本ともいう。オオアラセイトウ、タネツケバナ、ナズナなど。

→宿根草(しゅっこんそう) 園芸 (えんげい)では,多年草のうち 球根 のできないものをいい, 株 (かぶ )分けなどでふやす。地上部が枯れ地下部だけが越冬し、翌年そこから発芽、生長、開花、結実する草本のこと。宿根性草本、宿根性植物ともいう。アヤメ、ヒガンバナ、ハナショウブ、ヘビイチゴなど。