*･゜✨🍃ﾟ高知市⭐︎田植え*:.🌸🍃 ˚✧₊⁎🕊

急逝した俳優の宝田明さんは、映画や舞台などを通し、反戦平和を訴え続けた人だった。背景には壮絶な戦争体験と、1954年の主演映画「ゴジラ」の影響があったようだ。

まだ小学生だった45年、旧満州でソ連兵に銃撃され瀕死の重傷を負った。引き揚げも飢えや疲労など「悲惨を極めた旅」だったという（著書「銀幕に愛をこめて　ぼくらはゴジラの同期生」）

「ゴジラ」は核実験によって目覚めた巨大生物が暴れ回る物語だ。ちょうど「第五福竜丸」の被ばくなど米国のビキニ水爆実験が社会問題化していた。人間の愚かさを痛烈に問う作品だった。

来月1日に公開予定の映画「世の中にたえて桜のなかりせば」が遺作となった。宝田さん自身が企画した作品で、「終活」を巡る高校生と宝田さん演じる高齢者との心温まるドラマ。物語はもちろん、鮮やかな桜の映像も見どころの一つだ。

作品コメントには桜への複雑な思いをつづっている。軍国少年時代は「七つボタンは桜に錨（いかり）」と歌って予科練に憧れた。命からがら満州から帰国し、作品に覆われた皇居を見た時は感動した。「いっそ桜がなければ」。桜に平和を感じる一方で、戦争も思い出すのだろう。

最後の作品公開を前に桜前線も北上する見込みだ。きのう高知市で開花が宣言された。戦争とは直接関係のない物語だが、宝田さんの人生と、いまの世界情勢に思いを巡らせつつ鑑賞したいと思う。

　　　　高知新聞🗞【小社会】3/20掲載

🍃3月に入り水が入り耕された田んぼ。あったかい高知市内は田植えが始まりました。私の故郷は5月中旬頃田植えが始まります。
🎞『世の中にたえて桜のなかりせば』より「顔を上げて下さい。桜は人を向いて咲くんです。私たちが上を向くためにね」🌸🍃✨